ジョージ |
今日、僕、ちょっと呑んでるから・・・。
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つねさん |
冗舌?
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ジョージ |
イケイケよー。
今年も、ゴールデン・ウィークが、
やって来ますっ。
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ノリスケ |
どうせ、ふたりで、どっか行くんでしょう?
どこ行くの?
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つねさん |
え?
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ジョージ |
今年は、近場が多いんですって、
世間的には。
3プラス4のゴールデン・ウィークなんで、
アジアが多いんですって。
それで、日本国内では、大阪。
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つねさん |
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン?
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ジョージ |
だから、私たちは、
ちょっと遠出をしまーす。
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つねさん |
ユニバーサル・スタジオ・フロリダ。
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ノリスケ |
フロリダ!?
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ジョージ |
そうっ。
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つねさん |
フロリダ。
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ノリスケ |
ユニバーサル・シティ
(Universal Studios CityWalk)もできたしね、
確か、あそこ。しばらく再開発してて、
巨大な街を造ったのよね。
ユニバーサル・スタジオしかなかったところに。
遊園地、好き?
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ジョージ |
だいしゅきっ!
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つねさん |
けっこう。
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ジョージ |
遊園地は、だーいすきっ。
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つねさん |
でも行ってないよね、遊園地って。
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ジョージ |
ユニバーサル・スタジオっていうのは、
ハリウッド・マジックなんですって。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
魔法っ。
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つねさん |
ネズミー・ランドは?
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ジョージ |
ネズミー・ランドは、
ファンタジーなんですって。
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つねさん |
はー・・・
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ジョージ |
ほら、横が空いたわよーん。
じゃ、横並びにしましょーう。
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つねさん |
しましょーう。
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ノリスケ |
並ばなくても、いんだけどさ。
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ジョージ |
今、銀座のスターバックスでーす。
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つねさん |
人、すごい多いっす。
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ジョージ |
すごい多いの。
でも、イケメンって、一人もいないのねっ。
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つねさん |
ッハッハッハ。そんな。
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ノリスケ |
その言葉、やめなさいっ。下品。
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つねさん |
さっき、でも、ふつうの女の子が言ってたよね、
イケメンて。
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ジョージ |
僕たち的イケメンが、一人もいないの。
ここは女ばっかりなの。そいでっ。
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つねさん |
そいでっ?
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ジョージ |
どこまで行ったんだっけ?
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つねさん |
ディズニー・ファンタジー。
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ノリスケ |
そう、ディズニー・ファンタジー。
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ジョージ |
で、要は、ユニバーサル・スタジオは、
マジックだから、タネがばれたら、
もう二度と見たくない。
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ノリスケ |
ふんふん。
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ジョージ |
だけど、ファンタジーの世界っていうのには、
タネがないから、何回も何回も行けるんだ、
とかって誰かが言ってましたっ。
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ノリスケ |
そうかなー?
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ジョージ |
ま、どっちもタネがあるんだけどね。
ねーーーっ?
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つねさん |
ねっ。
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ジョージ |
で、旅行といえば。
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ノリスケ |
旅支度。
(つねさんに)あなた、
リモワを買ったんだって!?
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つねさん |
アッハッハッハッハ。
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ノリスケ |
リモワねー、いくらしたの?
12万円ぐらいしたんじゃないの?
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つねさん |
いやっ・・・もちょっと安かったよ。
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ジョージ |
安かったよね。
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つねさん |
8万円台。
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ノリスケ |
うそーっ。
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ジョージ |
そんなもんだよ。
今、安くなってんだよ。
おっきいやつはね、12万8千円だけど。
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ノリスケ |
でも、おっき過ぎると、ダメだよ。
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つねさん |
うーん。でもね、あれ、
すごいかわいいかったんでー、
ちょっと一目惚れに近かったかなー、と。
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ノリスケ |
でしょう?
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つねさん |
うん。で、ちょっとー、
小金が・・・ハッハッハーって感じ。
あったんで。
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ノリスケ |
小金があったの? あらまあ。
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ジョージ |
うん。ただ、あれだよね、
あの、うんとね、たとえばね、
例がアメリカじゃ、つまんないな。
スイスのインターラーケンかなんかに行きます。
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ノリスケ |
はい。
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ジョージ |
冬に。
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つねさん |
ええ。
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ジョージ |
スキー・リゾート。
ほすっとねー、フランクフルト経由で、
インターラーケンにやってくる、
スキーをしたくて仕方がない
日本の若い子たちも、いっぱいいるんだよ。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
で、飛行場降りて、
ターン・テーブルがあるじゃん。ダーッて。
あれ、ケアロセル(Carrousel)って
いうんですねー。
回転木馬。
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ノリスケ |
カルーセル。
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ジョージ |
ま、マキさんが、こうやって、
いっぱい回ってたら、ちょっとヤかな?
って思うんだけど。
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つねさん |
コワイよ。
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ジョージ |
んで、日本人の観光客が降りたぞ、
っていう時の、あの回転木馬は、
すっごいカラフルだけど、
綺麗じゃないんだよね。
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ノリスケ |
あー! そうだね!
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つねさん |
サムソナイトが、いっぱい出てくんの。
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ノリスケ |
つまり、緑色とかピンクとか黒とか。
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ジョージ |
そー。
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つねさん |
茶色とかグレーとか。うん。
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ジョージ |
で、たいてい、それに、ステッカーかタグ。
近畿日本ツーリストとか、
JTBとか、ホリデー・ツアーとか・・・
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ノリスケ |
マップ・ツアーとか、HIS。
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ジョージ |
でね、海外の飛行場に行くと、
荷物持ちさんというか、
屈強な体をした、プロフェッショナルの
荷物運びのおとうさんたちが、
横に待ってるじゃん?
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
で、そういう人たちは、
そういうカバンに、
もう、一瞥もくれないの。
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つねさん |
そなんだ。
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ジョージ |
何でかっていうと、
そんなん取ったって、チップ貰えないから。
だからそういうのを、添乗員さんが、
必死になって、かーーーって持ち上げて、
集めて、「皆さーん、荷物、ありますかー?」
って言うのね。んで、そういうのを、
尻目に見ながら、横の方の回転木馬は、
たとえば、ロンドンとかパリとか、
ミラノからやってきた人たちの、
ルイ・ヴィトンが、山のように出て来るんだよ。
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ノリスケ |
ほー。
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つねさん |
ははー。
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ジョージ |
んでねー、山のような、
みんな同じようなルイ・ヴィトンなのに、
ルイ・ヴィトンって、
スペシャル・オーダーをすると、
いちばん下の通常どおりの、
地面に触れてる部分? あそこにね、
線、入れてくれるんだよ。
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ノリスケ |
それは、何のために?
認識票みたいなの?
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ジョージ |
そうそうそう。
たとえば、僕が、10個のスーツ・ケースを
持ってるとするでしょう?
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
で、いつも10個持って歩くとするじゃない?
そうすっと、10個、上から下へ並べて、
斜めに線を引くの。
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つねさん |
あー、あなたの持ち物です、
っていうのがわかるんだ。
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ジョージ |
しかも、全部あるかないか、
いっぺんにわかるじゃない?
積み上げたときに。
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ノリスケ |
なるほどねー。
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ジョージ |
んで、あのー、その荷物取る人に、
ごめんなさい、緑色の斜めの線のがあったら、
全部、片っ端から取ってちょうだい。って、
百ドルくらい、バーンと掴ませれば、
全部やってくれるわけ。
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ノリスケ |
百ドル!
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つねさん |
いや、僕、掴むわ(笑)。
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ジョージ |
どんなに重くったって、やってくれるの。
で、一応、ジョージの線は、
黄色、ブルー、黄色。これが、私の線ですっ。
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つねさん |
何個あるの?それ。
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ジョージ |
5個。
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ノリスケ |
大から小まで?
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ジョージ |
大、中、中、中、中の小。
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ノリスケ |
ま、預ける大きさだから、
相当でかいよね。
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ノリスケ |
ヴィトンって、すごいよね。
あんなにおねえちゃんが使っているのに、
イメージが落ちないんだよねー。
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ジョージ |
でもね、ルイ・ヴィトンのことなら……
じゃ、いいですかー?
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つねさん |
はい。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
‘エレガントな旅行のための、旅支度’について
お話しますっ。
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ノリスケ |
はいっ。
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ジョージ |
わかりましたかー?
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ノリスケ |
お願いしますっ。
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ジョージ |
エレガントですよー、エレガント。
キー・ワードは、エレガント。
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つねさん |
そいで?
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ジョージ |
日本のOLの方々は、
皆さん、ルイ・ヴィトンをお買いになります。
でも、ルイ・ヴィトンっていうのは、
基本的に、自分で持っちゃいけないカバンだ、
っていうのを、憶えておきましょっ。
んで、んとー、たとえばー、どいうのかな?
飛行場でもしかり、ホテルの入口に立ったときに、
自分で持ち上げられないカバンが、
ルイ・ヴィトンであって、それを、持たせるの。
持たせるカバンっていうのは、
重ければ重いほど、いいわけね。
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つねさん |
あー。
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ジョージ |
で、当然、あの、ゴロゴロは、
付いてちゃいけないわけだし。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
なのにー、日本の若い女の子たちは、
ポーターに持たせるカバンが、
ゴロゴロの付いたスーツ・ケース、
サムソナイトであって、
自分でわざわざ、重たーいルイ・ヴィトン、
持ってるの。これは、やめましょう。ね?
重たくって、重たくって、持つ価値があるのは、
エルメスのケリー・バックだけよっ。
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ノリスケ |
ヌッハッハッハ。
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ジョージ |
バーキンも、可。以上。
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ノリスケ |
終わっちゃったじゃない(笑)。
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つねさん |
ハハハハハ。
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ジョージ |
なんか、今日はピーコさんに
なったような感じがする。
でもね、でも、今いったようなことっていうのは、
ヨーロッパの、クラシックのホテルの、
パンフレットを取り寄せると、
必ずそのパンフレットに出てる、
写真が出てるようなお部屋に泊まる人の話ね。
15万円ぐらいのお部屋。
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ノリスケ |
看板部屋。
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つねさん |
そうそうそう。
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ジョージ |
そ。普通に予約しても、
泊めてくれないようなお部屋。
で、わたくし、若いころに、
ルイ・ヴィトンのスーツ・ケースを
持ってですね、海外旅行したことが
ございました。んとー、たとえばですね?
日本ではないんだけど、
アメリカとかの飛行場で、
車を降りるじゃない?
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
で、ルイ・ヴィトンのハーフ・トランク、
ボーンと床に置いたとたんに、
ポーターが、すぐ寄ってきて、
10ドル貰えると思ってね、やってきて、
エア・ラインはどこですか? って。
ユナイテッド・エア・ラインです、
って言うと、その荷物、持ったまんま、
いきなりファースト・クラスの
チェック・インのカウンターの前に立つのよ。
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ノリスケ |
そうなんでしょうねー。
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ジョージ |
そう。そいでねー、ここでいい、って言って、
ビジネスとかエコノミー・クラスの方に
行かないといけない、
この悔しさっていうんですか?
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つねさん |
あー。
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ジョージ |
それを味わったもんですから、
ながらく、ながらくといっても、
もう、永遠に、
ルイ・ヴィトンで旅することは、
封印してしまいました。
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ノリスケ |
今でも? 今、ファーストなのに?
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ジョージ |
今、今、持たないよ。
ん、っていうのがね、開眼したの。
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ノリスケ |
なんで?
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ジョージ |
ルイ・ヴィトンっていうのは、
荷物持ちの人と同行で旅行する人でないと、
持っちゃいけないっていう・・・
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ノリスケ |
そーねー。専用のね。
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ジョージ |
そう。真髄に、やってきたの。
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ノリスケ |
それが出来ないんだったら・・・
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ジョージ |
ちなみに、エリザベス・テーラーが、
過去、日本にやって来たときに、
ルイ・ヴィトンのハード・トランク15個、
帽子ケース20個・・・
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ノリスケ |
ハハハ・・・
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つねさん |
黒人二人かなんかだったっけ?
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ジョージ |
そーう。持ってきて、
黒人の専用ポーター二人を、
彼女はファースト・クラス、
彼らはビジネス・クラスに乗っけて、
やって来ました。で、日本の新聞記者に、
今回、ルイ・ヴィトンですね、沢山ですね、
ポーターまで、お連れになったんですねー。
って聞かれて、そうなの、色、合わせてみたの。
って言って、アメリカでは、
けっこうバッシングされたのね。
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つねさん |
ハッハッハッハッハッハ。
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ノリスケ |
ほーう。
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ジョージ |
うん、でも、それはねー、
確かに、そうかなー、と思うの。
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ノリスケ |
さすが、リッチねー。
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ジョージ |
素敵でしょう?
でね、そこまでやれない僕は、
もう、ルイ・ヴィトンは、封印。
|
(つづきます)