ジョージ |
で、女は色んな武器を用意していくんだよ。
だけど、プレゼントっていうのは、
最悪の武器なんだよね。
渡してしまえば終わりだから。 |
ノリスケ |
うん。 |
つねさん |
あ〜。 |
ジョージ |
笑顔があって、会話があって、
でも、最高の武器は、何だと思う? |
ノリスケ |
なあに? 知性? 教養? |
ジョージ |
違います。
それは、背筋、なのよ。 |
ノリスケ |
背筋? |
ジョージ |
背筋が、しゃんとしていること。 |
ノリスケ |
は〜。 |
つねさん |
あー。 |
ノリスケ |
それは、気がつかなかった(笑)。
確かに、猫背の女が来てもなー、
困っちゃうよなー。 |
ジョージ |
でしょう? |
ノリスケ |
猫背パーティ(笑)。 |
つねさん |
いーね。 |
ジョージ |
うん、あのね、そう、パーティにおける、
女は背中、男は肩、って言うんだよ。 |
つねさん |
あー。 |
ノリスケ |
なで肩の僕は、どうなるのぉ(笑)? |
つねさん |
ワッハッハ。鍛えなさい。他で補いなさい。 |
ジョージ |
なで肩かどうかはともかく、
「肩の落ちた男」は、いらないのよ。
特に、前にべローンて落ちてるような男は、
いらないの。かっこわるいでしょ? |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
で、男のパーティ・ウエアのタキシードって、
肩を強調するでしょ? |
つねさん |
あー。パットがね、入るの。 |
ジョージ |
うん。 |
ノリスケ |
うん、こーなってる(怒り肩)もんね、
なんか。 |
ジョージ |
そうそう。 |
つねさん |
あー。 |
ジョージ |
特にね、座ったときって、
男も女も上半身しか見えないわけだよ。
だから、男は、肩。
肩がいかっていて、その、
押し出しのきいてるような感じ?
で、女のパーティ・ウエアの
イブニング・ドレスは、
背中がバッサリ開いてるんだよ。 |
つねさん |
ああ、ああ、そうだよね。 |
ジョージ |
で、これは、
背筋がしゃんとしていることを、
アピールするため。 |
ノリスケ |
うん、うん。 |
ジョージ |
だから、女の人はね、
パーティに呼ばれたら、
その日から2週間でも3週間でもいいですから、
背筋運動を一生懸命してください。
なんだったら、
カイロプラクティックに行って、
背骨を真直ぐにする…… |
ノリスケ |
整体(笑)。そこまで! |
つねさん |
矯正して(笑)。 |
ジョージ |
整体して頂いてね。
笑うけど、本当なのよ。 |
ノリスケ |
カラダに中心線が出ると、
綺麗になるのよ。
それでこそドレスが似あうんだものね。 |
ジョージ |
そう。背中がしゃんと見えるような
お洋服を着て、行くの。
パーティ会場における、
女戦闘士の最大の武器は、
しゃんとした背中だと思って!
で、笑顔と背中で勝負をする、と。 |
ノリスケ |
そうすれば、正面の敵にも
背後の敵にも、勝てるのね……。(溜息) |
つねさん |
あ〜。 |
ノリスケ |
ってことは、髪もアップにした方がいいの? |
ジョージ |
そうだよ、髪もアップの方がいいね。 |
ノリスケ |
ロングのままだと背中が隠れちゃうものね。
でも、三つ編みはちょっとね(笑)。 |
ジョージ |
そう。そう。
で、そう考えるとね、
女性が、パーティにともなっていく、
洋服であるとか靴であるとか、
鞄であるとかっていうのは、
みんな背筋を綺麗に見せるために
できあがっている小道具なんだよね。 |
ノリスケ |
そう考えると、選びやすい!
あ、僕は選ばないか。
でも、聞かれたらそう答えることにしよう。
パンプスなんかまさしくそうだよね。
全身のバランスが大事。 |
ジョージ |
パーティ用のパンプスっていうのは、
腰をガツーンて決めて、
背筋を張らないと、
ぜったい快適ではないからね。 |
ノリスケ |
そうね、うん。 |
ジョージ |
あと、パーティに必ずともなって持っていく、
ちっさいバックとか、あるじゃない?
あれ、座って、どこに置きます? |
ノリスケ |
え? どこに置くの? |
ジョージ |
足下には、ぜったい置けない
構造になっているでしょう? |
ノリスケ |
あ、ここ。(背中をさす) |
ジョージ |
そう。腰と椅子の背もたれの間に入れるの。 |
ノリスケ |
うん、うん、うん。 |
ジョージ |
で、それを押しつぶさないように
座るということは…… |
ノリスケ |
腹筋、背筋が必要だ! |
つねさん |
あー。そうかー。
ぼくだったら、つぶしちゃう。
ぺしゃんこ。 |
ジョージ |
そう。背筋をしゃーんと伸ばさないと。 |
ノリスケ |
(背筋を伸ばしながら)
このままニコニコし続けるの? |
ジョージ |
そうそうそうそう。 |
ノリスケ |
辛いわ〜(笑)。 |
ジョージ |
体力勝負だもん。
だって、そこは、円形闘技場なんだから! |
ノリスケ |
コロッセウム。
ほんとに、戦場なのね。 |
ジョージ |
で、今度、そのちっちゃいカバンを持って、
立ち上がるときは、どうします?
歓談とかって。
ダイニングに行く前に、お酒を楽しんだりね。 |
ノリスケ |
立ち上がったら? んー。 |
ジョージ |
立ち上がってね、カクテルかなんか、
渡されるんだよ。
グラスを持ちます、片手に。
気がついたら、お皿かなんかを
男の人が持ってきてくれるんだよ。
さー、どうしましょう? |
ノリスケ |
ん〜〜〜? 預かってもらうわけにもいかないのね。 |
ジョージ |
だめ。自分で持つの。カバンの置き場所。 |
ノリスケ |
カバン? カバン、手に持つの? かける? |
ジョージ |
手にかけると、
幼稚園みたいになっちゃうんだよね。 |
ノリスケ |
どうすんだろ? |
つねさん |
でも、肩にもかけないんでしょ? |
ジョージ |
答えは、こうです。
大人の女は、小脇に抱えます。 |
ノリスケ |
あー、そっか。 |
ジョージ |
わきの下に、バシッとはさみます。 |
つねさん |
あー、そうなんだ。 |
ジョージ |
あの小さい物体を、
わきの下にはさんで立つと、
また背筋がしゃんとするの。 |
つねさん |
ほんとだよね。腕の力もいるよね。 |
ジョージ |
だから、パーティ会場における、
あの小さなカバンっていうのは、
中国女の纏足といっしょよね。 |
つねさん |
あー。色んな、制約があって…… |
ジョージ |
美しい背筋を、しゃんと伸ばすためのね。
だから、スパンコールが入っていたり、
壊れやすかったりとかする、形状をしてるの。 |
つねさん |
は〜。 |
ジョージ |
で、それをいたわりながら、
女の人は行動すると、
必ず美しい背中、後ろ姿ができあがるの。 |
ノリスケ |
そういう機会、日本にはないなー。 |
ジョージ |
でもね、そういう機会も、
よしんばなかったとしましょう。
自分が呼ばれるのは、宴会しかありません。
でも、宴会のなかで、ただひとり、
女戦闘士のように、
パーティ会場のなかの女のように、
振る舞う女っていうのは、
目立って素敵だよ。 |
ノリスケ |
お〜、格好いいわー。
そういう女、好きっ!
ぜひ、友達になりたいっ。
だってそういう女は、会話も面白いのよ。 |
つねさん |
あ〜、確かに、宴会でも会話が、
ちゃんとできたりとかすると、
素敵だよね。 |
ジョージ |
もし会話が成立しない場所におかれたとしても、
笑顔をしじゅう忘れず、
背筋をしゃんと伸ばすことです。
女の人は、10人以上、
異性が集まったところでは、背筋を伸ばすのよ。 |
つねさん |
けして、片手、こう、ついて…… |
ノリスケ |
顎から、タバコを吸っちゃいけません(笑)! |
ジョージ |
だって、顎からタバコを迎えにいったら、
もう、その瞬間に背筋は、
伸びてないわけだからね。 |
つねさん |
そうだよ。 |
ジョージ |
それってさ、あの、田舎の、
やりて婆ァがキセルを吸う吸い方だよ。 |
つねさん |
あと、場末の飲み屋のママとかね。 |
ノリスケ |
ヒマなね。カウンターにひじをついて。 |
ジョージ |
その言葉、好き。けっこう。
場末って好き(笑)。 |
つねさん |
そうだよ。だって、
女に興味ないけど、
やっぱり、そういう背筋が伸びた女って、
いい女だな、と思うもん。 |
ジョージ |
背筋の伸びたおネエさん、
いっぱいいるけどっ(笑)。 |
つねさん |
ワッハッハ! |
ノリスケ |
いーっぱい。やっぱ、二丁目のオネエさんて、
腰から歩くからねー。
あれは、だから、商品として、
自分を意識してるからでしょう? |
つねさん |
ちーがーうーでーしょー。 |
ノリスケ |
そうだよ、絶対そうだよ。 |
ジョージ |
だって、パーティ・ウォークだもんね?
みんなね。 |
つねさん |
あ〜。 |
ノリスケ |
あれは、商品化されてるからだよ。 |
つねさん |
そなの? |
ノリスケ |
常に。 |
つねさん |
そういう生きものなのかと思った。 |
ノリスケ |
そういう生きもの、ハッハッハ!
猿が跳ねて鳥が飛ぶみたいに
ゲイはパーティ・ウオークなのね。 |
つねさん |
そうそうそう(笑)。
|