APPLE
新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

生きていく私。その7
甘える、甘えさせるのバランス。

ノリスケ あ、そうだ、僕、
つねさんに腹が立ったことある。
つねさん なに?
ノリスケ あのね、僕がリゾートに行くって言ったら、
のんきな顔で「いいな〜っ」て言われたの。
ムカーっ。俺が払うんだから、って(笑)。
つねさん あ、ゆっていい? それ言ったらー。
あなた家賃旦那持ちでしょ!
ノリスケ 違うよ、それは説明したじゃないの?
僕が失業してて、お金がほんとうにないころに
始めた生活だったのよ。
で、お金が決まって入るようになってから
半分払わせてって言ったら、
それはいらないから、
それを積み立てて旅行に行こうよ、
って言われたの。
つねさん それは、分かる。
ノリスケ 分かったでしょう?
計算してごらん?
ジョージ あ、細かい、女はこわ〜い。
ノリスケ なんで、そういうふうに思うかなー。
(プンプン)
つねさん って、思っただけよ〜、あのときは。
ジョージ まあ、いいじゃないの?
夫婦が役割分担してると思えば。
つねさん そりゃ、それはいいと思うよ。
ノリスケ 対等でいるための努力ってさ、
絶対にさ、それ、難しくって。
向こうが、ちょっと上にしないことには、
向こうのバランスが、どうも崩れるらしいんだよね。
そういうのは、あるよ。
つねさん ああ、それ分かるよ。すごく分かる、分かる。
ノリスケ で、僕はおんなじにして、
そのかわり禁煙にしてね、
って言いたいんだけど(笑)。
それやると、どうも崩れるね。
ジョージ あれだよ。あーの、
生きていくうえにおいて……
あ、この言葉、今日3回目だけど(笑)。
ノリスケ 生きていくうえで。
ジョージ 今日は、重いね。
自分に甘えることができる、
上手に甘えられる人って、すごい得だと思うよ。
ノリスケ 自分に甘える?
ジョージ うん。あの、あえて、人の行為に甘えるの。
つねさん あ〜。
ジョージ んで、甘えるの下手な人って、
すっごいなんか、なんか、
よろい着たみたいな人、いるじゃない?
つねさん ああ、いるいる。
ノリスケ いるー。
つねさん 周りにも、何人も。
ジョージ かといって、甘えてばかり、もイヤじゃない?
ノリスケ 男に媚びる自分は許せない、みたいに、
ちょっとすり替えて、プライドにして、
私はイヤっていうタイプ、いるよね。
ジョージ いるよね。
つねさん それって、人を寄せつけないんだよね。
ノリスケ そういう恋愛をしている人を見ると、ちょっと、
言い方は失礼だけど、かわいそうになっちゃう。
つねさん だって、そういう人に限って、
愛情が欲しいって言うんだよ。
でも、自分からそういうの拒絶してんの、
ほんとうは。
ノリスケ そうなんだよねー。
ジョージ やっぱり自覚を持って
甘えないといけないんだよね。
んで、甘えてるときに、女の人だったらば、
ああ、自分は女である自分に甘えたぞ、
とかっていうとき、あるんだよ。
男だったら、なんか、徹夜してでも何とかしろー、
っていうところを、女だから、仕方ないかーお前、
って言われたときに、
いやっ、私、頑張ります、
徹夜させて下さい、っつったら、
あ、うっとうしい女、って思われるんだよ。
つねさん あー。だから、引き際、っていうか、なんか。
ジョージ そう。男2人に女1人だけ、
3人で徹夜で、女1人の徹夜を
2人が面倒見なきゃいけなくなったりとか
するんだよね。だから、そんときは、
すいませんでした、後は男の人にお任せします、
って言いながら、
あ、今は、女である自分に甘えたぞ、って、
しばらくは、女カードは切れないぞ、
って思えばいんだよ。
ノリスケ うん、うん、うん。
ジョージ ね?
ノリスケ 手持ちのカードをね。
ジョージ そう。で、逆に、女としての立場じゃなくて、
社会的な立場に甘えることが
あったりとかするじゃん。
今日は上司の私が
昼ご飯を持たせてもらいましょう、
っていうのは、
自分の役割に甘えさせてもらってるわけね。
あとは、年齢の差の甘えがあったり、
友だち同士の甘えがあったりとかして、
んで、自分の、甘えるカードを、
事前に用意しておいてね。
あー、今月これ、
1枚余分に切っちゃいました。とかって、
思いながら甘えるのって、
すごくいいことだと思うよ。
ノリスケ 上手に甘えるのね〜。
つねさん だから、対等でありたいとかって思うし、
対等であることはいいと思うけど、
張り合う必要はないと思うんだよ。
だから、たとえばそれは、ノリさんちみたいに、
相手とのバランスって、あるわけじゃない?
ノリスケ ある。
つねさん それは、自分のなかで対等って
思ったらいいわけで。
一歩引いてる自分が対等、
って思ったらいいのよ。
ノリスケ ただお金が半々なら、
いいわけじゃないんだよねー。
ジョージ それがね、周りの人がとやかく言うの。
あいつは甘えてばっかりだよ。
そんな、自分が逆に甘えさせてあげてるところを
知らない人に、とやかく言われて。
で、それで悩んじゃけいないよね。
つねさん だから、そういうのは、
聞き飛ばしたらいいわけでしょ?
ジョージ だから、自分として、
甘えることと甘えてもらってることのバランスが、
相殺されていればいいんだよ。
ノリスケ うん。
つねさん あとは、そういうの、やっかみだからね。
っていうか、甘えれる相手がいない人が言うとかさ。
ジョージ そう。生きていく上で?
ノリスケ 生きていくうえで(笑)。
つねさん 4回目(笑)。
ジョージ そう、指標となるのは、
自己採点表だけ、と。
つねさん あ〜、確かに。そうなんだろうねー。
自己採点表(笑)。つけたことない。
ジョージ なんか、すごい長いあいだ
生きてきたような感じがする(笑)。
つねさん あなた、実は年齢違うでしょう?
上に100とか200とかがついてるんじゃない?
ジョージ やだ、私、241歳? 怖いかも〜〜。
ノリスケ 妖怪っ!
(このテーマはこれにておしまい。
 また、近いうちに再開の予定です。
 お楽しみに!)

2001-07-17-TUE

BACK
戻る