── |
さっきからボーズさんが溜めた
雑誌とかを見てるとね、
けっこう僕とダブってるんですよ。
それでちょっと思ったんですけど。 |
ボーズ |
なに? |
── |
「Number」(スポーツグラフィック誌)
って、捨てるの難しくないですか? |
ボーズ |
あーー、難しい!
けっこうとってる、「Number」は。 |
── |
そうそうそうそうそう。 |
ボーズ |
あるあるあるある。 |
── |
「まだ読み終わってないぞ」感があるでしょ? |
ボーズ |
あるある。 |
── |
なんか、すぐには読まないけど、
「ラグビーのこの話、おもしろそうだから、
置いとくか」みたいなことが。 |
ボーズ |
あるんだよー。
こないだの日本代表のとか、
いい特集だったでしょ?
だからいちおうとっといて、
で、やっぱストックされてて、
絶対読もうと思うんだよ。 |
── |
思うんだよ。 |
ボーズ |
でも、読まないんだ(笑)。 |
── |
まさにそうなんだよなあ(笑)。
「Number」って、号によって、
特集されるスポーツが変わるじゃないですか。
サッカー、野球、格闘技って感じで。
で、僕なんかだと野球好きだから、
「あ! プロ野球来た来た」と思ってとっといて、
あとでじっくり読むぞと思いつつ、つぎのが出て。
つぎのは読みたいとこだけ読んで、
つぎのは捨てられるんだけど、
この「じっくり読むぞ号」が
じっくり読めないまま。 |
ボーズ |
はっはっはっは、ほんと、そう!
じっくり読むときっていうのは、
ほんとに来るのか? って話よね、だからね。
じっくり読むよって思ってキープされてるの、
あるある、たしかに。 |
── |
読むつもりだから捨てられないんだよなあ。 |
ボーズ |
そういうのが本棚に場所とってるよ。
ちょっと見てみる? |
── |
見ましょう見ましょう。
|
ボーズ |
ええっと、このへんがほら。 |
── |
あーー。じっくり読めそうっすねえ。 |
ボーズ |
ねー。これ、ほら、NBAの特集。
このへんはサッカーだな。 |
── |
あ、これ、俺も持ってる。 |
ボーズ |
あ、でも、けっこういいな。
やっぱり、写真とかいいんだよな。 |
── |
うん、「Number」いいよね。
あー、これも、読んだなあ。 |
ボーズ |
けっこう地味な人の
インタビューがよかったりしてね。
(パラパラパラ‥‥) |
── |
そうそうそう。
(パラパラパラ‥‥) |
ボーズ |
(パラパラパラ‥‥) |
── |
読んでどうする! |
ボーズ |
読んでどうするっていう話だよ! |
── |
どうすんですか。決めましょうよ。 |
ボーズ |
やっぱさ、この手の日本の雑誌って、
雑誌なのに、優れてるんだよ。
保存に耐えうるようにつくってある。
それが問題なんだよね。 |
── |
うんうんうん。偉い。 |
ボーズ |
読み捨てるようなものじゃない、
みたいな雰囲気あるもんな、最初から。 |
── |
けど、これをいつまで
とっとくんだという話ですよ。 |
ボーズ |
うーん、そうだなー。
ええと、うーん、けっこうあるなあ。
考えてみたら、マジいらないかも(笑)。
ちょっと捨てていい? |
── |
「捨てていい?」ってなによ!
捨てるコーナーでしょ! |
ボーズ |
いや、そうなんだけど、冷静に見て変だわ。
ほんっとに、とっときすぎだよ、
ほんっとに、とっときすぎだよ。 |
── |
2回言わなくていいですよ。 |
ボーズ |
ちょっと、なんとかしなきゃ。
このへん、いったん出していい? |
── |
あ、ほんとの掃除になってきた。 |
ボーズ |
ほんっとに、とっときすぎだよ。 |
── |
もうさ、選んだりしてないで、
「Number」はとりあえず、
総じてありがとうございました、
ってことにしちゃったら? |
ボーズ |
そうだねえ。
あ、でも、「Number」、
やっぱ表紙とかかっこいいなー、だって。 |
── |
はっはっはっは! |
ボーズ |
いいんだよなー。この表紙とかどうよ? |
── |
ロドマンね。
ロドマンって、最近なにしてるんですか? |
ボーズ |
たまにプロレスのニュースとかに
出たりとかしてたと思うけど。
最近、聞かないね。
ああ、いやー、そうだよ、こういうのなー、
捨てるのかなあ。捨てる? |
── |
どっちなのよ(笑)。 |
ボーズ |
見るとやっぱ捨てらんないよね。
ああ‥‥見るとやっぱり無理だわ。 |
── |
くだらない(笑)! |
ボーズ |
サッカーなんかとくになあ。
「このときこいつが代表か」
みたいな話があって。
こーれ、きっついなー。 |
── |
あ、この号、俺も持ってる。 |
ボーズ |
これはみんな買ったでしょ。
めっちゃくちゃ売れてたと思うよ、
この号の「Number」。
ワールドカップのときの
いちばん分厚い特集だからさ。 |
── |
で、どうなの?「Number」? |
ボーズ |
うーん、「Number」。 |
── |
難しいなあ、「Number」。 |
ボーズ |
難しいよ、「Number」。 |
── |
これさ、「この号はキープ」とかいう
話ではないのかもしれないね。 |
ボーズ |
まとめて「どうする?」ってことだよね。
だってさ、ここにある「Number」って、
すでに淘汰されてるんだよ。
過去に捨てるもの捨てて、
捨てられない「Number」が
こんだけあるんだよ。 |
── |
ああ、そうね。幾多のハードルを越えて
生き残ってきた「Number」なわけね。 |
ボーズ |
そうそうそう。
たとえばこれはジョーダンが最後のときでしょ。 |
── |
ブルズのときのやつだ。
とっときたくなるなあ。 |
ボーズ |
だってこのワールドカップ特集だって、
フランスのときだからね。
ってことは、もう5年前でしょ?
だいたいサッカー熱もそっから始まったんだよ。
この、最近のは、いらねーなー。
あ、でも、ワールドカップだもんなあ。
うわー! わかんなくなってきた!
これ、どうなの? これ。ね。どうなの? |
── |
抱きあってますな、宮本、中田‥‥。 |
ボーズ |
まだ、去年のことですが。 |
── |
でも、「10年後に読むと‥‥」とか
思っちゃうんだよね。 |
ボーズ |
読みゃしないんだけどね、べつにね。
でもさあ、これこそ、
「俺が持っとくべきかぁ?」
っていう感じするよね。
こんなん、友だち全員、買ってるから! |
── |
あはははははは。
でもさ、たとえば20年後とかにさ、
親戚の子どもとかがさ、
サッカーやってるとするじゃないですか。 |
ボーズ |
20年後(笑)。遠い話だなー。 |
── |
甥っ子だかなんだかが、
おじちゃんちに遊びに来るわけですよ。
そんで、こう、本棚をごそごそしてると‥‥。 |
ボーズ |
「わー、すごい本がある!」なんつってね(笑)。
で、「このときの中田はなあ」なんつって。
そのときにもう中田は総監督になっててね。 |
── |
そうそうそうそう。 |
ボーズ |
もう、表紙とかボロッボロの「Number」。 |
── |
「とっといてよかったなあ!」だって(笑)。 |
ボーズ |
‥‥どうすりゃいい? |
── |
‥‥それはキープ‥‥でしょう‥‥薄いし。 |
ボーズ |
「薄いし」とか、そういう問題(笑)? |
── |
ああ、ダメだ! またしても担当者失格。 |
ボーズ |
でも、たしかに、
全部で5センチぐらいなんだよなあ。 |
── |
だから、「5センチ」とか
言ってる場合じゃないんだから(笑)。 |
ボーズ |
‥‥捨てます。 |
── |
捨てますか。えっ! 捨てますか! |
ボーズ |
捨てます。5センチの「Number」を。 |
── |
おお。大きいですね、その決断は。
連載始まっていらいの大英断かも。 |
ボーズ |
うん。これは大きいね。
「Number」っていう、
この、ひとつの時代を捨てるわけだよ。 |
── |
「雑誌捨てるだけで大げさだ」とか
言われそうだけど(笑)。 |
ボーズ |
さよなら「Number」! |
── |
ありがとう、5センチぶん!
|
(まだまだ続きます!)