明日に向かって捨てろ!!
〜ボーズの脱アーカイブ宣言〜

第25回 『工具箱の迷宮 その2』


── 新品の金具が、ザクザク出てくるなあ。
ボーズ いっぱいあるもんだなあ。
── いちおう訊くけど、
これも必要だから買ったんだよね?
ボーズ 買ったときはね。
これはね、ええと、たしか、
あそこの棚をつくるときに買ったのかな。
だけど、要するに、
こんなにいらなかったわけ。
── いくつ使ったの? そこに。
ボーズ ええとね、うしろがこうなってるからね、
L字型のが1、2、3、4‥‥。
── あと、Tのも入れて‥‥。
ボーズ 5、6、7、8‥‥8個だ。
── 6個余ってるってことは、
14個買ってきたわけだ。
大ざっぱな話だなあ。
ボーズ 苦手なんだもん、ほんとに。
── でもまた棚つくるとなったら‥‥。
ボーズ また買っちゃうんだよね(笑)。
── あと、これ、メジャー。
ボーズ いちいち、複数あるんだよね(笑)。
2個どころか、3個ある。
── あ、でも、これ、うちのといっしょだ。
あっ、こっちのも持ってるぞ。
ってことはなんだ? 
うちにも2個あるのか?
ボーズ そういうもんなんだよ。
── そうなのかなあ。否定できないなあ。
あと、ドライバーが
たくさんありますねー。
ボーズ しかもちょっとずつ便利っぽい感じ(笑)。
だから、買うときにはきっと、
「お? これ便利そう?」
と思って買ってるんだろうね。
── それでこんな中途半端なことに。
ボーズ バラッバラだね!
── これ(ドライバーのグリップ)の
頭の部分はどこにあるの?
ボーズ これの頭はね、ないんだよね(笑)。
ないけど、なぜか、これがつく。
これがつくの。
── 意味わかんない(笑)。
ボーズ まあ、各種ドライバー、
取りそろえております状態。
── これも不慣れがゆえに、だよね。
ボーズ そうそうそうそう。
だから、つまり、
決定版がなかったわけですよね。
それで、「これかな? これかな?」って、
段階追ってひとつずつ増えちゃったみたいな。
── 最終的にどれ使ってるんですか。
ボーズ いまは電動。けっきょく電動がいちばん強い。
── 「強い」って(笑)。
ボーズ 最初にこれ買っておけば、
ほかは買わなかったのかなあ。
あのさあ、深夜の通販番組とかでさ、
「これさえあればOK!」みたいな
工具セットとかあるじゃない?
── ああ、はいはいはい。
ボーズ ああいうのを、シンコが買ったんだよ。
「もうこれさえ買えば、
 あとは捨てちゃえばいいんだよ」って。
そしたら、やけに本格的で、使いにきー、
みたいなのが来ちゃって(笑)。
── ああ、まさにそれ、オレもやった!
ボーズ あははははははは。
── あのさあ、最近、引き出物で
カタログくれるじゃない。
ボーズ ああ、あるあるあるある。
── カタログに大工セットってあるんだよ。
ボーズ ああ、あるあるあるある。
── 「これがあればOKじゃん」つって買ったら。
ボーズ ダメなんだ、あれ?
── 来た瞬間、まず、外箱が安い。
ボーズ ああ、もう(笑)。
── やっすいの。青いプラスティックで。
カパッて、開けたとたん、
フタのほうにハマってる工具が、
バラバラ〜って落ちてくる感じ。
ボーズ ああ、もうダメだね、ダメだね(笑)。
── でね、いま、それが丸ごと、
捨てられずにしまってある状態なんですよ。
ボーズ うわあ、意味なかったねえ。
── ほんとに。
ボーズ それこそさあ、そういうのの、
いいやつを、ちゃんと調べて、
1個買えばいいのかもしんないよね。
── きちんと金かけてね。
ボーズ うん。ケチらずに。
── でも、その、「金かけて」みたいなところが
こういうところに現れちゃったりするんだよ。


ボーズ あはははははは、そうね。
とにかく買っちゃえばいいんだみたいな。
やたらデカいの買っちゃって、
使うわけねえよ、みたいなことになったりね。
── このデカいスパナとかいらないもんね。
ボーズ ね。でもさあ、
何か開けなきゃいけないときにさ‥‥。
── これは、いままで使う局面あったの?
ボーズ ないない。
── あはははは。
ボーズ 1回も使ったことない。
なんであるんだろう、これ。
これ、持ってない? 
みんな、こういうの。
── どうだろうなー。
あははははは、
なんだか見てたら、
笑い止まらなくなってきた。
これちょっと撮っていいですか?
ボーズ これ、なんであるんだろう?
なにやろうとしたんだろう、オレ?
── うはははは、これおかしいわ。
素人ゆえのでっかいスパナ。
ボーズ 素人ゆえ、なんだよね、さっきから。
素人ゆえ、複数買うし、
素人ゆえ、捨てられない。
── 定番がわからないから、
変なものを買い続けるし、
いるのかいらないのかもわからないからね。
ボーズ わからない、わからない。
もう、誰かコーディネートしてくれ
っていう状態だよね。
── 「コーディネート」(笑)。
ボーズ だから、たぶんさ、プロっぽい人がいてさ、
「これを買ったらいいんじゃない?」
ってちゃんと言ってくれる人がいたらさ、
もうこの箱、半分くらいで済むよね。
── ああ、なるほどね。
じゃあ、その、大工道具の玄人さんが、
僕らがひとり暮らしを始めるときにきて、
「じゃあ、これとこれとこれが買いな」
って、言ってくれればそれでいいんだ。
ボーズ もう、完璧だよね。
50年くらいそれで大丈夫だもんね。
ほんとそう思うわ。

(工具箱編、まだ続きます!)

 スチャダラパー、4年ぶりの新作発売!
 『THE 9th SENSE』
 

 定価 : 2,800円(税込)
 ASIN : B0000C4GO3

 スチャダラパー4年振りの新作、
 早くもチャートを賑わせております。
 そりゃそうだろう。この出来映えだもの。
 ハイクオリティーな全14曲を、
 あえて、よそにあるような紹介文と
 違った言葉で表現するならば、
 これって、聴く対象の
 性別年齢その他を問わないのでは?
 つまり、あなたの部屋の棚に、
 ヒップホップのCDが
 1枚もないとしても。
 よい音楽としてとてもおすすめ。
 あ、余談ですけれども、
 この連載を読んでくださっている方には
 ニヤリとするフレーズが登場しますよ。
 (永田)

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2004-05-13-THU

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