明日に向かって捨てろ!!
〜ボーズの脱アーカイブ宣言〜

第49回『供給過多のステッカー』



ボーズ ステッカーってやったっけ?
── やってないですよ。
ボーズ ああ‥‥でも‥‥やっかいだなあ。
── いいから持ってきてください。
ボーズ そこにあるんだけどね。
ええと、はい、この箱。
── ほうほう。
ボーズ けっこうな量だと思うよ。
── 薄いものが
この箱いっぱいに入ってるわけだから。
ボーズ 満タンだよ。すっごい量だよ。
開けます。
── びっちり収まってる‥‥。
ボーズ どうやって見せようかな。
見せようがないんだけれども。
こぉ〜んな感じで‥‥。
── うわー。
ボーズ すごいよね、もう、雑多な感じで。
── 音楽関係、イベント関係、
あと、アパレル? 洋服関係‥‥。
ボーズ 自分らのステッカーもありーの‥‥。
あ、これはレアだね。
ワーナーのときのタワー用の‥‥。
── また不毛なことを訊くけどもさ。
これ‥‥どうするの?
ボーズ どうするんだろうね?
── わはははははは。
ボーズ わはははははは。
── だ・か・ら!
ボーズ しかしね、こうして、
箱にまとめてあることには
大きな意義があるんですよ。
── どういうことですか。
ボーズ 子どものころさ、シール好きだったでしょ?
── うん。そりゃね。
ボーズ でも、あちこちにシール貼ると、
怒られたでしょ?
── ええ。
ボーズ で、「ここには貼っていいよ」っていう
タンスとか、冷蔵庫とか、あったでしょ?
── あったあった。
うちはね、引き出し。
電話の台かなんかになってたやつ。
ボーズ それがいま、ぼくにとってはこれなんだよ。
── え?
ボーズ 箱。ステッカーの箱。
── ああ!
ボーズ ステッカーを入れてある箱には、
ステッカーを貼ってもいい。
── ははははは、なんだそりゃ。
ボーズ なぜならそれは
ステッカーの箱だから
ステッカーを貼ってもいい。
── はははは‥‥また質問していい?
ステッカーは、
ステッカーの箱に貼る以外に
使い道はあるんですか?
ボーズ あんまりないんですよね、これがね。
── あはははははは。
ボーズ でもさあ、みんな、あるでしょ?
貼らないけど、ステッカー、
意外にどっかに溜めて持ってるでしょ?
── ああ、うん。そうかも。
こんなおっきな箱じゃないにせよ。
ボーズ うん。
引き出しの奥とか、封筒のなかとか。
── いらない缶ペンのなかみたいなところに。
ボーズ うんうん。もらうじゃん、ステッカー。
なんかしらないけど、みんな作るし。
だけど、貼るとこ、ないじゃん。
── 貼るとこないよね、たしかに。
ボーズ ないんだよ。あんまり。
ま、ゲーム関係のものだと、
こうやってゲーム機に貼ったり
するけどさ。
── おれ、ゲーム機には貼れないんだよなあ。
ボーズ 貼れないと、
ますます溜まっていくじゃん。
だとしたらぼくみたいに
こういうことをしないと。
── ステッカーの箱に、貼る。
ボーズ ステッカーを貼っていい箱をつくった。
── 力説すればするほどバカバカしい。
ボーズ ていうかねえ、貼れないんだよ、
ほんと。
オトナになればなるほど貼れない。
でもステッカーをもらう機会は
増えるんだよ。
── ステッカーの需要と供給が
合ってない、と。
ボーズ それだ。まさに。
── ちょっと待って。
ステッカーって、なんのためにあるんだ?
ボーズ あ、来た。
またしても哲学的な問題に突き当たった。
── はい。こんなに哲学的なコーナーなのに、
そういう感想はまったく寄せられません。
ボーズ 「ステッカーはなんのためにあるのか?」
── 力説すればするほどバカバカしい。
ボーズ ていうか、もう、最近はほんと、
チラシのかわりだったりするよね。
── ああ、そうかそうか。
ボーズ 「これどうぞ」みたいな感じで。
ただチラシあげるより、
ステッカーのほうがうれしい、みたいな。
── うん。もらった瞬間はね。
あ、もらった瞬間うれしければ、
貼らなくてもいいんだ。
ボーズ そう。そういうことじゃないの?
「これ、ステッカーなんですよ」
「じゃあもらっとくか」って。
そういうもんなんだよ、
いまのステッカーって。
── なるほどね。
ってことはさ、ステッカーってさ、
なんか、安易なんじゃない?
手法として。
ボーズ はははははは、そうね。
「ステッカーなら、まあいいか」
っていう。
── つくる側の意識がそんな感じでしょ。
ボーズ そうだね。
「ステッカーにできるらしいよ」
「じゃあしとくか」みたいなことかもね。
── 「これ、ステッカーに加工できますけど、
 しますか? しませんか?」
って言われたら‥‥。
ボーズ 「せっかくだからやっとこうか」
っていう。
── その、安易な、
「消費なき濫造」のしわ寄せが。
ボーズ まさにこの箱のなかに!
ていうか、この箱、
微妙にステッカーじゃないものも
入ってるな。
── (爆笑)
ボーズ 「ワイヤレス機器の使用上の注意」
だって(笑)。
どっか見える場所に
貼っといてくださいってやつだ。
── 貼れるものはなんでも
この箱のなかか(笑)。
ボーズ 意味わかんない。
あ、こんなのもある(笑)。
── 保証書に貼るやつだよ、それ(笑)。
ボーズ なんだ、この箱?
── あ、それ、なに?
ボーズ 大入り袋だ(笑)。
── あはははははははは。
ボーズ 『ボウリング・フォー・コロンバイン』
だって。
なんでこんなものが入ってるんだ(笑)。
── 薄けりゃなんでもいいのか(笑)。
ボーズ あ、これも関係ないわ。
── どれ(笑)?
ボーズ これ、ただのはがきだ。
暑中見舞いだ。亀井くんだね。
── もう、なにがなんだか(笑)。
ボーズ この箱、なんなんだろう?

(続きます)

電気グルーヴとかスチャダラパー

スチャダラパーと電気グルーヴが
コラボレート! なんと! マジかよ!
ありそうでなかった組み合わせに
関係者一同「ほんと?」と半信半疑のなか、
なんとがっちりアルバムまでリリース。
ゆるめるべきところはゆるめ、
締めるべきところは締めるという
名曲珍曲混在の全13曲!
味写な豪華ブックレット、ついてます。 
定価 :¥3,360(税込)
発売日:2005/6/29

ボーズさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「ボーズさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2005-08-04-THU

HOME
戻る