BEST STANDARD "T" B.S.T.2003 |
ほぼにちわ、Tシャツ特捜部のハリーです。 お待たせしました。 アンケートの集計が終ってから約2ヶ月のあいだ、 理想の「今年のTシャツ」を求めて、 Tシャツ特捜部は日夜奮闘してまいりましたが、 ようやく!その全貌をお伝えすることができます。 アンケートに協力してくださった方、 あらためてありがとうございました。 Tシャツを、着て着て洗って干して、 育てるようにつきあっていく・・・というコンセプトの、 「育T2002」が大好評をいただいただけに、 今回はかなり大きなプレッシャーがありました。 でも、もう、大丈夫です。 “普段、いつも着られて” “自慢できる高品質で” “やや大人なおしゃれ感がある”、 そういう「使い勝手」を先に設定して考えていきました。 つまりこれは、創刊5周年のテーマ、 「最良のふつう(BEST STANDARD)」を、 Tシャツに生かしたというわけです。 自信作ができたと思っています(にやり)。 あらかじめ謝ることが、ひとつだけあります。 ・・・・もう、暑くなっちゃいましたね。 梅雨くらいまでは肌寒いと思って、油断してました。 でも、9月くらいまではアウターで着られるし、 その後も上にジャケットを着て、 いい感じのインナーとしても着られますので、 どうかお許しください。 さて、お伝えしたいことはいっぱいあるんですけど、 いくらでも長くなりそうなので、 少しずつ連載で書いていきます。 今日はまず、Tシャツのボディについて、お伝えします。 Tシャツといえば、プリントなどのデザイン部分に、 つい目がいきがちですが、 これまでのTシャツ経験から「ほぼ日Tシャツ特捜部」は、 Tシャツの実力の基本は、 「ボディ」なんだということを、確信しました。 どんな生地なのか、 どんなかたち・サイズなのかということが、 「毎日着たい」という気持ち起こさせてくれるんです。 今回、あらためて 「素材」と「シルエット」について、 さらに徹底的に追求しました。
「最良のふつう(BEST STANDARD)」とは、 まず、毎日ほんとに気持ち良く、 飽きずに着られるということでしょう。 そういうTシャツはどんな生地なんだろう? という考え方をもとにして検討した結果、 今年は「育T2002」で使用した「単糸」ではなく、 2本の単糸を撚りあわせた、 「双糸(そうし)」を 使うことにしました。 「育T2002」は、ジーンズのコンセプトを Tシャツに生かそうということが基になっていて、 あえて、ざらっとした感触や厚みを生かしたのですが、 今回は、なにせ「やや大人」ですから、 もっとやさしさや、リラックスということが必要です。 ヒントを与えてくれたのは、 「育T2002」をデザインした、 ホソカワさん愛用のTシャツでした。 ホソカワさん 「これはね、ぼくの持っているなかでも、 生地の気持ちよさではいちばんのTシャツなんですよ。 もう12年くらい着ているものなんだけど」 なるほど、ちょっと古びている(失礼!)けど、 ほんとにいい手ざわりです。 しかも、それでいて、しっかりしている。 「厚みがあって、コシがあって、 なめらかでしょう?」 「ん?それって何かみたいだな。なんだろう・・・」 「あっ、わかった!『讃岐うどん』だ!」 「おお、『讃岐うどん』みたいな生地だ!」 この『讃岐うどん』で、一気にメンバー全員が、 欲しい生地のイメージを共有することができました。 このイメージに合う生地を特捜すればいいんだ! 今回のTシャツの製作をお願いしている、 「ビエン」の篠塚さんに訊いてみると、 「『讃岐うどん』みたいな生地!? あー、なるほど。 厚みがあって、ハリがあって、 それでいてやわらかい、と。 それなら、このあたりの生地で微調整しましょう」 とにかく、この人、元フィールドドリームで、 その前はオンワード樫山で、 オタク的に服を研究してきた人ですから、詳しいんです! 篠塚さん そして、選ばれたのが、この素材。 手がほとんど透けないんです。 30番という、太めの双糸を使った、 コシとなめらかさが共存する、 まさに『讃岐うどん』のような生地です。 厚さのほうは、実は「育T2002」と同じくらいなのですが、 双糸のほうが単糸より目がつまっているので、 白いTシャツでも透けにくいんですよ。 とにかくこの、 “ハリがあるのに、やわらか、 気持ちいい”感触を、 ぜひ、じかに味わってみてください! 女性の特捜部員たちには、特に大好評の素材でした。
シルエットの決定は、実はかなり難しいんです。 丈や身幅の好みは人それぞれだし、 身長・体重など体型も、人によってちがいます。 「これが着ていて気持ちいい形だ!」というシルエットを 誰にでも合うようにつくるのは、なかなか難しいことです。 アンケートでも、同じシルエットについて、 まったく逆の感想が集まりますからね。 ここでも、ホソカワさんのひとことが、 方針決定に大きく役立ちました。 「どこのブランドも、そのブランド独特の ラインやシルエットを持っていますよね? お客さんはそのラインが好きだから購入するんだし、 ブランドは、そのラインを 自分たちのアイデンティティとして 大切にしてますよね? そういうふうに考えればいいんじゃないですか?」 そうだ! 「ほぼ日のライン」をつくる・・・。 自信を持って、自分たちの信じたものを進化させる。 「そうそう。 『ほぼ日』は毎年Tシャツをつくっているんだから、 そのなかで、だんだん『ほぼ日のライン』が 確立されていくと、カッコいいじゃないっすか」 そうか!しかも、その方法は、 お客さまに対して、いちばん誠実なやり方と言えそうです。 「お客さまに問いかけるだけのマーケティングは、 手品師が、シルクハットのなかから、 ウサギを出しましょうか、ハトを出しましょうかと、 聞いては出していくようなものだよ。 そんなのつまんないし、よろこばれない」と、 よくdarlingが言っています。 普段からしっかりお客さまの声を聞いていて、 そこに「これで自信あります」というものを提案する。 そして、年月と共に、 「ほぼ日のTシャツのライン」を、 進化させていく。 この考えに、もう、揺らぎはありません。 具体的に今年は、「育T2002」をベースに、 ●丈・袖丈を、もうちょっとだけ長く。 ●首回りをもう少しゆったりと。 という改良を加えます。 このへんの微妙な数字の決定については、 先日のアンケートがほんとうに役に立っています。 またまた感謝します。 カタチに関してさらにもう一つ、 より気持ち良く着ていただくための改善点があるんですが、 こちらは明日あらためてお伝えしますね。 素材とシルエットはいいとして、色はどうなんだ? 気になるカラーバリエーション、 そのあたりのことも、明日公開します! アンケートで抜群にリクエストの高かった 「あの色」もつくることにしました。 自分たちでも、欲しかった色ですしね。 さぁ、明日も明後日も、どうぞお楽しみに! |
2003-05-08-THU
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