ほぼ日ブックス、発売3日前になりました。
こんにちは。ほぼ日のメリー木村ともうします。
11月10日発売のピーチ・ジョンのカタログ、
『PJ』(セブンイレブンで買えます)に
『胸から伝わるっ』発売のことが掲載されますよ。
楽しみですーっ。
今回は、書店さんとの関わりについて、
朝日出版社の赤井茂樹さんに話してもらいまっす。
★ ★ ★
----「ほぼ日ブックス、本屋においてなかったよ」
となっちゃうと想像したら、惜しいですよね。
本屋さんで陽のあたらない場所に置かれたら、
どんなに一生懸命に本をつくっても、
誰にも手わたせないものになるわけで・・・。
今回、お客さんに近い存在でありたいという
シリーズを創刊するにあたって、
赤井さんが、朝日出版社社長の原さんと一緒に
書店さんまわりをしてくださったんですよね?
「ええ」
----それ、そうとうありがたいんですけど、
どのような話しあいをされたかについて、
話をうかがえますでしょうか?
「ほぼ日ブックスは、
お客さんに受け渡すことについて、
このように考えています」
という紹介にもなると思いますので。
「はい。
具体的には、ナショナルチェーンと呼ばれる
全国展開をしている本屋さんの上層部のかたと、
特約店になっていただけませんか、
というお話をしてきました。
『社長が5か所も書店さんに
まわるのなんて、はじめてですよ』
なんて、朝日出版の古株が言っていましたし、
社長にとっては、めずらしいことをしたんです。
でも、社長もこれはぜひ
書店まわりを直接やりたいと言ったし、
ほぼ日ブックスにとっても、
この書店まわりは重要だったと思うんです。
つまり、読者にサービスをするというのは、
もちろん本の内容が第一なんですけれども、
ぼくらが書店さんと
どれだけ太いパイプをつくって、
手にとってもらえる場所を提供できるかどうか、
ということにも、かかってくるからです。
書店は日本全国に2万店あると言われていますが、
2万ぜんぶをカバーすることってほとんど無理で、
お送りできていた先というのは、いままで、
せいぜい1000軒ぐらいなんです。
つまり、20分の1の本屋さんにしか、本がいかない。
確かに、1万部刷るとしても、
10冊を1000店にお送りしたら終わっちゃいますから、
そういう物理的な制約もあって、
限られた本屋さんにしか、本をお届けできなかった。
だから、われわれは
「書店で好評発売中!」なんてよく書くけど、
そのままだと、ほとんど
ウソを言っているようなものですよね。
ウソを言うだけじゃなくて、
「どこで売っています」
という具体的な点を、情報として、
消費者に与えてこなかったわけなんです。
・・・メーカーさんとかなら、
「売る気があるのか?」と問題になるような
事態が、ふつうに起きているわけです、出版の世界は。
だから、ほぼ日ブックスでは、せめて、
「ここでは、買えますよ」
ということを標榜したいと思ったんです。
そこで、社長の原に交渉してもらって、
特定の書店さんと、いわば、
「特約店」のようなつきあいを
させてもらいたいと考えました。
そこで、
「紀伊国屋書店さん、三省堂さん、
有隣堂さん、旭屋書店さん、リブロさん」の、
5か所の書店の本部の方に直接お会いしたんです」
----どこも、それぞれ数十店舗の
お店をお持ちの本屋さんですね。
11月1日にこの5店のどこかに行けば、
ほぼ日ブックスが、置いてあるということですか。
「ええ。
もちろん、この5店にしか
本がないということはありえないですけど、
せめて、この5つの本屋さんのネットワークは
ぞんぶんに使わせていただくことになりました。
お店に本が入荷するだけで
ほぼ日ブックスが目に触れられない場所にある、
という状態を避けるために、
いま申し上げた5つのナショナルチェーンでは、
「ほぼ日ブックスコーナー」
というまとまった場所ができる予定なんです。
店舗の面積からいうと
「1度に10冊も出すシリーズを
平積みにして置くスペースの確保」
っていうのは、本来、たいへんなんだけど、
そこはわたしたちが何をやりたいかについて
書店さんのご理解とご協力をいただいたので、
「スペースは、確保しましょう」
と、5店のどこも、言ってくださっています。
毎日150冊の新刊が争いをしている
戦場のようなところで
スペースを取っていただけることは、
すごくうれしいと思いました。
なかには、
「パソコンをうちの書店内に置いて
インターネットでほぼ日につないでおいて、
ほんもののほぼ日を読めるようにしましょうか」
とか、
「イベントを積極的に何度も開いて、
立派な本ができたという以上に、
『インターネットにとどまらないほぼ日』
『出版にとどまらないほぼ日』
という、ほぼ日のリアルな動きと
リンクさせていただくやり方も、できます」
とか言ってくださるところもあります。
具体的に話がまとまったら、ぜひやりたいですね」
----「ほぼ日ブックスを、こういう動機で作りたい」
とご説明した時の
書店さんがわの反応は、どのようなものでしたか。
「書店さんから見ると、このシリーズは
文庫や新書の創刊とは重なって見えないそうです。
それは、いいことだなあと思ったんですね。
大手出版社の出す文庫や新書って、
最近はほんとうに多いじゃないですか。
だけど、『それとは違う』と受け止めてくれてます。
イトイさんのトータルなディレクションがあって、
秋山具義さんアートディレクションがあって、
表紙がすごい豪華になっていますよね、まず。
それでいて、統一感のあるブランドだと
わかるデザインじゃないですか。
表紙のインパクトが最初にあって、
パラパラとめくると
『ほぼ日』的な本文組みが目に入ってくる・・・。
そんな感じを、書店さんはとても
おもしろく感じてくださっています。
極端に言えば、
『これ、従来の本好きには、抵抗あるかもね』
というぐらいの、雑誌でも書籍でもない
『何かが詰まっているモノ』として
受けとめてくれていましたね。
書店さんのおっしゃったことでうれしかったのは、
『ほぼ日ブックスって、異物感がありますよねえ』
という言葉でした。
つまり、
『ほかの本とは違うカラーがあって、
異物感があるから、差別化して陳列しやすい』
というように見えるそうなんです。
つまり、ナショナルチェーンと
言われるような書店さんは、どこも
売り場面積が巨大化していってますし、
品そろえがたくさんになっていて、
言わば、本屋さんが迷路のようになってしまう、
という危険性もあるわけです。
何がどう置いてあるかが、わかりにくい・・・。
『異物感のある商品だから、お手伝いしたい』
と、だからこそ、おっしゃってくださるんです。
異物感のある商品として
売り場にこれから入っていく感じというのは、
ハラハラしますけれども、
読者のかたにちゃんと届くことを祈っています」
(※紀伊国屋、三省堂、有隣堂、旭屋、リブロ。
この5店に行けば、ほぼ日ブックスがあるよ!
赤井さんの談話は、このまま、つづきます)
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