ポケットに『MOTHER』。 〜『MOTHER1+2』プレイ日記〜 |
断っておかなければならないと思う。 まえまえからそうじゃないかと思っていたのだけれど、 実際に経験してみてやはりそうだと強く思った。 だからここらで、断っておかなければならないと思う。 『MOTHER』をプレイしながら 僕に生じたさまざまを書き殴っていくこの日記において 僕はほんとうに大切なことを書けない。 僕はこれまでにも2度ばかり、こういった、 ゲームをしながら何かを書き連ねるということを してきたけれど、ゲームの詳細を書かずとも 感じた何かをきちんと書くということは ためらわずにやってきたと思う。 けれど、『MOTHER』ではそれができない。 それというのも、『MOTHER』のなかには その人が初めてそれに触れる瞬間を どうあっても邪魔してはならないと思えるような、 誰にとってもきっと個人的になるであろう場面が 予期せぬ場所に予期せぬ形で存在するからである。 もしも、『MOTHER』をクリアーした人がいて その人と僕がふたりっきりであるならば 僕は『MOTHER』についてのさまざまなことを 一晩中でも語ることができる。 けれども、 不特定の人が目にする可能性のあるこの場所では、 僕はそれを語ることを積極的にためらう。 たとえば絶対に今後ゲームをしないという人に対してでも 僕はそれを語ることをどうしてもためらう。 だから、断っておかなければならないと思う。 この日記は、しばしば大切なことを書き漏らす。 この日記は、しばしば不鮮明になる。 この日記は、あらかじめ画竜点睛を欠く。 僕にとっての大切な『MOTHER』を どうしても表現しなければならないとしたら、 僕はそれを書かないということによって成すしかない。 8小節のメロディーがそろいました。 それだけ、報告しておきます。 |
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2003-07-17-THU
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