ポケットに『MOTHER』。 〜『MOTHER1+2』プレイ日記〜 |
ゲームボーイアドバンスSPを屋外でプレイしているとき、 本体の右サイドに設置されたランプが赤く点灯することは 著しくプレイヤーの狼狽を導く。 それは没頭する遊び手の鼓動を速め、 過去の自己に対する激しい後悔の念と 未来に自己が遭遇する境遇への激しい不安を呼び込む。 いったいぜんたいなんの話をしているのかというと、 電池が切れそうでドッキドキ! ということである。 朝、出社するときの電車のなかでそれに気づいた僕は、 まさにドッキドキであった。 なにゆえ寝る前の充電行為を怠ってしまったかと、 我が身を省みるあまり泣き出しそうであった。 泣き出しそうになったのちに今度は怒りがこみ上げてきて、 握り拳で自己のこめかみを3発殴ったほどであった。 以上、電池切れが僕にとって いかに恐怖であるかということを 若干の脚色を交えてお伝えしたしだいである。 ともあれなんとか降りるまで電池はもったので、 会社に着くなり僕は周囲の人へ尋ねてまわった。 どなたか、ゲームボーイアドバンスSPの 充電ケーブルを持っている方はいらっしゃいませんか! お客様のなかで、ゲームボーイアドバンスSPの 充電ケーブルを持っている方はいらっしゃいませんか! 幸い充電ケーブルは発見できたので 僕はなんとか一命を取り留めた。 コンセントは机の下にあるので、 ゲームボーイアドバンスSPを床に置いて充電した。 本体の右サイドに設置されたランプが 充電中を表すオレンジ色に点灯すると ようやくにして僕の鼓動は落ち着きを取り戻し、 視界も晴れやかとなり、みるみる背が伸びた。 以上、リチウム電池の充電が僕にとって いかに安堵を導くものであるかということを 若干の脚色を交えてお伝えしたしだいである。 無事、危機を乗り切ったかに思えた僕だったが、 午後に乗った電車のなかで その日2度目の狼狽を経験することになる。 けっこう重要な取材を終えて、 やれやれ終わった終わったとばかりに 電車へ乗ったところ、バッグのなかに ゲームボーイアドバンスSPがないのである。 どこをどう探してもないのである。 ポケットというポケットを探したがないのである。 というか、それは僕の机の下にあるのである。 しまった! と思ったがどうしようもない。 しかも、こういうときにかぎって 目的の駅までは20分もある。 べつに、暇で暇でしかたがないというわけではないが、 あると思っていたものがないと 必要以上にもの寂しく思えるものである。 あれ食おうと思いながら家に帰ったら それがなかったとき、 必要以上に腹が減ることと同じである。 以前も書いたが、ここ1ヶ月あまり、僕にとって ゲームボーイアドバンスSPは欠かすことのできない 重要なアイテムとなっている。 くれぐれも、充電を怠ったり、 机の下に置きっぱなしにしたりしてはならない。 ひっそりと決意を新たにした僕であった。 ひっそりと決意を新たにした僕であったが、 終電間際に会社を出て駅へ急いでいるとき、 ゲームボーイアドバンスSPを 机の下に置きっぱなしにしたことに気づいたのだった。 当然、駅から会社へとダッシュ。 我ながらいったい何をやっているのかと思う。 |
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2003-08-01-FRI
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