ポケットに『MOTHER』。 〜『MOTHER1+2』プレイ日記〜 |
このゲームはいつの間にか無口になるのだ。 あの手この手でもてなしてくれていたのに、 気がつくと長い廊下に取り残されているのだ。 仄暗い灯りが遠くにぽつんと点っていて、 僕はもう、そこへ向かって進むしかないのだ。 このゲームはいろんな企てをして プレイヤーをあちらこちらに振り回すけれど、 本質的には驚くほどオーソドックスなのだ。 いろんな変化球を投げて、 のけぞらせたり、タイミングをずらしたりするけれど、 ここぞというところでは 綺麗なフォームから伸びのある速球を キャッチャーのかまえたミットに向かって ぴゅっと投げ込んでくるのだ。 このゲームはお約束を疑い、 盲目的に継承される様式やルールを いちいち問いつめていくけれど、 「これでいいのさ」と決めたところに関しては てらいなく王道を踏みしめていくのだ。 「どっちでも好きなほうでいいんだぜ」と、 余裕たっぷりで自由な行動をほのめかしたりするけれど、 ほんとうの自由は 快適なことばかりじゃないと知っているから、 状況によっては突然「こっち!」と叫ぶのだ。 その証拠に、どこかへ向かって急ぐ僕は、 「どうか無事でいてほしい」なんて願っているのだ。 なんて、オーソドックス。 あらためてことわるまでもないことだけれど、 この日記はどんどん不鮮明になっていく。 |
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2003-09-04-THU
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