どせいさん語翻訳講座 あなたの、 『MOTHER』の気持ち。スペシャル |
第8回 「まちがいも すきです。」 ──それでは、最後の質問です。非常に漠然とした質問です が、「どせいさん語」の魅力とはなんでしょうか? サミュエル・F・ドラッグスラー(以下、ドラッグスラー) 「いい質問です。「どせいさん語」の魅力は、翻訳しようと する人が、懸命に「どせいさん」になりきろうとするあま り、知らず知らずのうちに自己の根底へと降りていくこと にあります。「どせいさん」という人格は、極めて透明感 のある中立的な性質を持っています。翻訳者は、拠り所の ない場所に「どせいさん」という拠り所を求めてもがくわ けですが、そもそもそれは十全に把握できるようなもので はないのです。けれども人々は、「どせいさん」を思いな がら、光を目指す夜の虫のように歩き続けていく。そのよ うに歩いていくと、「まやかし」や「その場しのぎ」が、 無意識のうちに翻訳者の中から抜け落ちていくのです。つ まり、翻訳者はどんどん無垢になっていく。換言するなら ば、翻訳者は「どせいさん」を目指しながら、しだいに 「自分」へと近づいていくのです。」 ──ふむふむなるほど。だからこそ、「6月20日に会えま すね。楽しみにしています。うれしいなあ。」という文 章が、「あなたにあえるます うれしーなー」になった り、「やっと、あえるね。」になったりするわけですね。 サミュエル・F・ドラッグスラー(以下、サミュエル) 「おっしゃるとおりです。つまり、「どせいさん」は、誰の 心の中にも等しく存在するのです(目くばせ)。」 <『ドラッグスラー、野球を語る』より抜粋(1989年)> さあさあ、いよいよ最後の誤答集を発表しますよ! 泣いても笑ってもこれが最後の誤答です。 1568通のメールを読みながら、 私はげらげら笑いましたが、同じように、 ジーンとくることも多かったことを ここに告白しておきます! ところで、最後の例文はどんな文章でしたっけ? そうそう、それはこんな文章でしたね。 例文3 「我思う故に我あり」 いやはやはてさて、最後の最後にきて難題です。 デカルトの残したあまりにも有名なこのことばを 翻訳者のみなさんはどう訳したのでしょうか? 行きましょう、NGワードの発表です! 「こぎと えるご すむ」 (ganiey) 「こぎとえるごすむ」 (tomo) 「こぎとえるごすむー!」 (キザシ) 「こぎと えるご すむ?」 (真銅) 「こぎと えるご すむ です」 (岡田) 「こぎとえるごすむです。」 (カネコ) 「コギト エルゴ スム」 (ライナス) 「こぎとえるごすん。」 (ダイスケ) 「こぎと えるご すむ。」 (内藤) 「コギトエルムスです。」 (Nacieku) 「こぎとえるごすむです。」 (ジェノ) ずばり、考えすぎ! ハズレです。 最後ということで特別にもうひとつ行きましょう。 NGワード・パート2!! 「どせいさんは どせいさんです」 (愛姫) 「どせいさんは どせいさんです。」 (TOMみーな) 「どせいさんはどせいさんです。」 (すみびやき) 「どせいさんは どせいさんです」 (じょん) 「どせいさんはどせいさんです。」 (at me) 「どせいさんは どせいさんです。」 (あゆ) 「どせいさんはどせいさんです。」 (アライ) 「どせいさんはどせいさんです」 (鈴木) 「どせいさんは どせいさんです。」 (NORE) 「どせいさんはどせいさんです。」 (うめこぶ) 「どせいさんはどせいさんです。」 (ぢょん) 「どせいさんは どせいさんです。」 (ヌフムヨ) 「どせいさんはどせいさんです」 (ハナオ) 「どせいさんはどせいさんです」 (モリー) 「どせいさんは どせいさんです。」 (ジョニー) 「どせいさんはどせいさんです。」 (酸化鉄(III)) 「どせいさんは どせいさんです。」 (ようた) 「どせいさんはどせいさんです」 (黒ごま) 「どせいさんはどせいさんです」 (poriporin) 「どせいさんはどせいさんです」 (kenji) 「どせいさんはどせいさんです」 (まめ) 「どせいさんは どせいさんです。」 (土星) 「どせいさんはどせいさんです」 (もこちっち) 「どせいさんは、どせいさんです」 (奥田) おもしろいもんだなあ、としみじみ感じます。 「我思う故に我あり」が 「どせいさんはどせいさんです」になるのって そんなにありふれたことだと思わないんだけどな。 ともあれ、一列に並んで歯を食いしばれ。 ハズレです。 さあ、さあ、張り切ってまいりましょう。 明けない夜などないのです。 消えない虹などないのです。 相撲は相模じゃないのです。 姉にはホクロがないのです。 本日の誤答集、つつしんでここに発表いたします! 載ってる人は「ハズレ」です! 近づけば遠ざかる不可解な世界へようこそ!! ************************************ 例文3 「我思う故に我あり」 「どせいさんは ぼくです。」 (松浦) ※雄々しい翻訳。どせいさん語さえ無関係。ハズレです。 「わたし的にわたしでいいです。」 (鈴木) ※なんだか勇気がわいてくる。ハズレだけれども。 「ずっと かんがえて いるんです」 (イヌ) ※穏やかな海で。風吹く河原で。それがハズレでも。 「今がしあわせです。」 (ひでよ) ※いい気分になります。どうもありがとう。ハズレです。 「おもえるです。」 (ヒノキにナロウ) ※いい。いいうえに、どせいさんっぽい。ハズレです。 「かんがえるからいるです。」 (目玉) ※ああ、そうだ。どせいさんならそう言うかも。ハズレです。 「あい まい みー まいん。」 (ちょび之助) ※おや? もうおかしな答えが始まる時間? ハズレです。 「あたまつかわないとだめだよ。」 (藤井) ※すいません、すいません。ハズレです。 「われおもうゆえにわれあり。」 (ウロ) ※ああ、なるほど! その手もあったか。ハズレです。 「・・・です。」 (kasu) ※ちょっとよく聞き取れないんですけど。ハズレです。 「わたしわたし。」 (仲本) ※おぼえてる? わたしよ、わたし。わたしわたし。ハズレ。 「ぼくです、ぼく」 (LSD) ※おぼえてますか? ぼくですよ、ぼく。ぼくぼく。ハズレ。 「かんがえすぎです。」 (NICK) ※ちょっと休んだほうがいいですよ。ハズレです。 「かんがえるだけむだなのです」 (Kkoba) ※だって考えるだけムダなのです。ハズレです。 「かんがえるのです、ぼくは。」 (すてふぁにー) ※それでも考えるのです、ぼくは。ハズレです。 「わたしがわたしです。」 (植田) ※そうです。わたしがわたしです。ハズレです。 「ぼくがぼくです。」 (こぐ) ※そして、ぼくはぼく。クラクラしてきました。ハズレです。 「わしがわしです。」 (ねこ) ※わっはっはっ! わしがわしじゃ! ハズレです。 「…ぷー。」 (YK2) ※今回、「ぽえ〜ん」がなくて安心してたのに……。ハズレ。 「ぼくチャーリー」 (大東) ※人が変わってますよ! そんな話じゃないでしょ。ハズレ。 「われわれひとつです。」 (ヒロアキ) ※人類皆兄弟。ハズレです。 「いきぬきはたいせつです。」 (ぱちお) ※そうですね。ぽえ〜ん。ハズレで〜す。 「あたまはいつも くびのうえにあるのです。」 (もも) ※そんなバカな! と思ったがふつうだった。ハズレです。 「いといさんです。」 (はた) ※『MOTHER』をつくった人が問題なら正解。ハズレ。 「わたしは どせいさん なのですか」 (新樹仁) ※いいえ ちがうと おもいます。ハズレ です。 「かんがえすぎはよくないです。」 (孤雲) ※考え続けて出た結論でした。ハズレです。 「むかしはよかったです」 (ショウワル) ※なぜか突然後ろ向きな発言が。ハズレです。 「うーーーん?」 (やましろ) ※なぜかこれだけでもどせいさんっぽい。ハズレです。 「坂本竜馬だね〜」 (佐野) ※とつぜんなにをいいだすやら。ハズレです。 「MOTHER1+2にいるんです。」 (T,I) ※多少、宣伝もかねてみましたか? ハズレです。 「でかると。」 (イイズナ) ※ぼそっと哲学者の名前をつぶやかないでください。ハズレ。 「じぶんは どせいさんと いうものです」 (鯖ぱんまん) ※あっ、こりゃどうも、ご丁寧に。ハズレです。 「たかさきし。」 (温泉たまご) ※ぐんまけんがダメならこれで! 意地張るな。ハズレ。 「ぼくは しんりが わかったのです。」 (紋白) ※そ、そこまでキレイに悟りましたか。ハズレです。 「わがこです。」 (遠藤) ※かわいいお子さんですね。ハズレです。 「いるといったらいるのです 」 (井上) ※見たんだ、オレは見たんだよ! 信じてくれ! ハズレ。 「おそらくどせいさんです」 (ふせ) ※画面で確認できますでしょうか。ハズレです。 「なにもないです。」 (ひろ) ※あ、そっちの境地にいったか。なるほど。ハズレです。 「もしもし? おれおれ」 (ぴょん吉) ※よう、ひさしぶり。どした? え、結婚? ハズレです。 「にきびできた。おもわれにきび。」 (セディ) ※独創的な翻訳です。ハズレです。 「なんだかひまです。」 (のこ) ※けっこういいと思う。ハズレですけど。 「いろいろおもったです」 (矢印) ※これもそれっぽい。ハズレでごめん。 「おもえばぜんぶです」 (ヌカカ) ※いいですね。開発者のことばを聞くようです。ハズレです。 「私は誰。」 (関) ※……突然そう言われましても。ハズレです。 「うにょりたいほうだいです。」 (わし) ※ええと、かんべんしてください。ハズレです。 「あたましかないです。」 (田原) ※そうじゃないと思うんだけど……ハズレです。 「どせいはここです」 (ともこ) ※「さん」をなくすと意味が変わってきますね。ハズレです。 「のうみそがあせをかきます。」 (しわとり) ※なんか、ちょっと、いいですね。ハズレです。 「ぼくらのあたまのなかにはうちゅうがあるです。」 (ともこ) ※そりゃすげえ。かっちょいい。ハズレですけど。 「なんか かんがえちゅうです」 (たつ) ※うん。上手ですねえ。ハズレでごめん。ありがとう。 「いまいます」 (サー) ※あ、これうまい。みじかくてうまい。ハズレですけど。 「いたいから ここいるです 」 (ペポリ) ※思う自由。いる自由。そして同じように、ハズレる自由。 「かんがえるのがじつはすきです」 (中山) ※ここに集まってくれた人はみんな。ハズレですが、感謝。 「ぼくが、ありますです。」 (usagi) ※これが正解でも驚かない。最後のハズレです。 ************************************ というわけで、すべては明日。 いよいよ模範解答を発表します。 正解者は出るのか? 全員集合!! |
2003-05-22-THU
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