vol.9
- Work Station -
こんにちは。
今日は「先端」に来てからずっと私の相棒だった
X端末とのお別れの日です。
台車に乗ったXくん。
Xくん、ばいばい。
クラッシュされる運命らしい。
ドナドナ歌うよ。さびしくなるね。
Xくんは研究所の歴史をいっぱい吸い込んできた。
私はXくんにとって何人目の相棒だったのだろう。
GUI系のWindowsとかMacと違って
コマンドを覚えなければ、カーソルも動かせない代物だった。
Xくんとの出逢いの日を思い出します。
「先端」勤務初日。
UNIX 信望者の「司令塔」からの1発目の指令。
「このコマンドを全部覚えて、ブラインドタッチで
エディットできるようにね。はい、これ読んで。」
って渡された紙には、
C^f 1文字先
C^b 1文字後
Esc f 1単語先
Esc b 1単語後
C^n 次の行
C^p 前の行
C^a 行の最初
C^e 行の最後
Esc v 前のページ
Esc < ファイルの最初
Esc > ファイルの最後
C^o 別のウインドウ
C^d カーソルのある文字を削除
C^k カーソル位置から行末までを削除
C^x C^w ファイルを別名でセーブ
C^x C^f ファイルを見つける
C^x C^b バッファリストを表示
Esc x-r メールを読む
C^c C^m メールを書く
C^x i ファイルを挿入
o メールをファイルに移す
n 次のメールを読む
p 前のメールを読む
r 来たメールに答える
d メールを消す
f 転送
etc...
こんなコマンドがずらーっと並んでた。
'C'はコントロールキーのことです。
マウスはウインドウ移動の時以外は
まったく必要なし。
つまり、マウスでは動かない。
なんのこっちゃ。
コンピュータといえばマックぐらいしか知らなかった
若き1995年の私だった。
違う世界に入ったことを否応なく教えてくれた
やさしい司令塔。
ま:「えーーーっ?このコマンド全部ですかぁ?」
司:「そうだよ。しかもこれで早く打てるようにね。」
ま:「あ、はい。(私がバリバリ文系ってことをお忘れか、殿。)」
こころの叫びもむなしく
それ以来、特訓の日々が続き
涙ながらに覚えた、コマンドキーの数々。
コマンドは最初は大変だったけれど
つかえばつかうほど便利さがわかってきた。
UNIXをお使いの方はお分かりだと思いますが
手を一切キーボードから離さなくてもいいから
移動が早い。次のページも前のページも
2つのキーを押すとすぐ飛べる。
行変えも自由自在。
メールも原稿の続きのように地続きで書いてしまえる
感覚がありました。
だから、ぜーんぶ、Xくんでやってきました。
データも全部入っていたし、スペルチェックや辞書も
あったし、まーしゃの頭脳といっても過言ではなかった。
しかし
4年の月日が流れ、
せっかくコマンドキーとも仲良くなれたのに。
X端末は私から引き離され、
もうメールや原稿書くのにコマンドキーは
使わないのか、あー、さよなら。
写真とっとこう。
今の私のデスクは
がらりん、です。
(vol.1になつかしいXくんの写真あります。)
司:「そーか。今日で終わりか。じゃあ、次はリナックスだな。」
また、司令塔は軽く指令を残して去って行きました。
ふーむ、次なる指令は「リナックスを調査せよ。」
のようです。
みなさん、LINUX 使っていますか?
使い心地はいかがでしょう。
大きな波になってきましたね。
私は勝手に「リナックス・ムーブメント」
と呼んでいます。
そういうわけで、クリック完結編が終わったら
リナックスでーす。
(ちなみにこの原稿はWindows98産です。)
ではまた。
-今日のマリーゴールド-
双葉の間から本葉が出てきたよ。でもか細いのだ。がんばれ。
福嶋(まーしゃ)真砂代
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