OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.49
- IBNR -


あなたも仮想空間の中へゴー!

IBNR説明
今日はぜひぜひ、みなさんと一緒に、
IBNRを体験しましょう!

ということで、
バーチャルワールド"デモ"見ようツアー
第3セクションはIBNR編です。
コンニチワ。

これを紹介してくれたのは
大阪大学サイバーメディアセンター
情報メディア教育研究部門
助手の小川さんです。

IBNRって何?

IBNRを簡単に言っちゃうと
「WWW上で仮想空間を簡単に作る技術」です。

つまり、
デジカメで撮った写真を使って仮想空間を作り、
自分の代わりの人物(あるいはアニメキャラなど)を
その上に置いて、自由に動かすことができる
というものです。

しかも、それをWWW上で使えるので、
どこからでもアクセスして
その仮想空間を使うことができる、
というネットワーク性がある分、
ポテンシャルが大きいといえるでしょう。
このことはこの回の最後のところで
またお話しますね。

「WWWで表示するために必要なHTMLと
画像を動かすためのDynamic HTMLを
使っているだけで、
特別なソフトも何も要らないんですよね。」

やんわりした語り口の小川さんの説明に、
どんどん入り込んでいく私。

どんなデモが展開するのかな?

かっこいい名前の中味は、
IBNR=Image Based Non Rendering
(下はIBNRのHPからの抜粋です)

IBNRでは,これまでのVRMLなどの3次元モデルの仮想空間や,写真に写っている内容を解析して仮想空間を構築するIBR(Image Based Rendering)といったアプローチとは違い,仮想空間の構築・利用のために複雑な計算を必要としません.
ということなんですって。

「non-rendering」の「non」の意味がありましたね。
つまり、フクザツじゃなくてカンタンです!
と言ってますね。よかった、よかった。
(いいのか、こんなので…)
先、行きます。

IBNRを体験しよう。

それでは、まず
IBNR=Image Based Non Rendering
を知るには、「やってみよう!」
ということで、ズーンと
大阪大学のIBNRの部屋に直行しましょう。

着きましたか?
いきなり、うさぎちゃん登場です。

では、IBNR部屋に居るうさぎちゃんを
動かしてみてください。

miffyを動かすには
キーボードの
keys
のキーを使うだけです。

t は前に進む。
f は左に回転。
h は右に回転。
b は後ろに進む。

うさぎちゃんが回転したり進んだり
しましたか?
回転ばかりさせて遊んでいないで、
次ですよー。

この基本を覚えたら次は
「沖縄の中城(なかぐすぐ)城」見学へ。

ムッキーくん。
mukkyムッキーくんと
お城の中を歩いてみましょう。
使うキーは同じです。

このムッキーくん、最高です。
ムッキーくんの手の振りがリズミカルで、
スタスタ階段を上るムッキーくんの後ろ姿も
なんとも笑っちゃうんですね。
ときどき空も飛びますが…。

ここで注目していただきたいのは
階段を上るとき!!
ちゃんとムッキーくんのサイズが
移動に伴い、変わっていきますね。
遠近感を使って、移動の感じを出しています。
それから、岩陰に隠れたりもします。
これも実は画像に技があったりするんです。
秘密です。

他に、ペンギンのペンちゃん
めちゃサイバーな男の人の
キャラもいますので、動かしてみて下さい。

このうさちゃんやムッキーくん、
ペンちゃんやサイバーマンのような
画面上で動かす対象を、
IBNRでは「アバタ」(化身)と呼びます。

萩野君を探せ
こうやって人物写真もアバタになります。

萩野君を探せ
さっき紹介した「キー」操作で
彼はこのビルの中を歩き回ります。
階段やエスカレータも昇り降り出来ます。
右上の黄色い矢印が見えますかねー。
それが進行可能な方向を示しています。

ビルの壁をよじ登る「壁登り男」が
IBNRのHPに隠れていますから
探してくださいね。必見。
他にも、流れるプールをまさに流れていく人が
いるんですが、これがなにげにおもしろい!!!

バイオハザードかぁ…。

「実は、プレステのバイオハザードをやってて

思いついたんですよ。

あんなふうなキャラクターの動きを

ウェブの画面上でも実現できたらいいなってねっ!」
と塚本先生の目がキラリ。小川さんもにこにこ。

なーんか楽しそうなんだよね、この研究室ったら。

そりゃーゲームの世界は凄くなってますよね。
プレステのようなゲーム専用のマシンで
1つのアプリに対してメモリをほとんど使って
すごいプログラムを動かせるとしたら
びっくりするほどリアルな仮想現実世界の構築
というのは、すでに可能になっているのです。
ユーザはまるで自分もその世界に入っているような
リアルな感覚を味わいながら、
ゲームに入り込んでいけるわけです。

でも、今みなさんが見ているようなWWW画面上で、
手持ち画像を使って仮想空間の構築ができる。
しかも他にプラグインソフトをインストールする
必要もなく手軽にキャラクターの操作ができるのは、
どうでしょう?

つまりは、
バーチャルワールドがより身近になる!
ということか…。

小川さんたちが開発した「IBNRエディター」を使えば、
デジカメで撮った旅行などの写真が
カンタンに仮想空間に変身するということです。

そこに自分自身の写真を組み合わせて
オリジナルな仮想空間の出来上がり!
自分の写真は、前後左右斜めで
合わせて8枚用意すればいいそうで
さらにアバタを歩かせるには
8方向を3枚ずつ、要るんだそうです。

そうすると、
自分がその画面上を歩いていることになる…、
例えば、場所の画像がニューヨークのものなら
自分がWWW上でニューヨークへ移動したことになる。
つまり「本質的には」ニューヨークへ行った
「バーチャルリアリティ的」に言えば、
そういうことになるかな…。

IBNRの特徴をまとめましょう。

  • シーンとなる静止画像があれば
     そこをカンタンに「仮想空間」として
     使うことができるという点。
      
  • 特別なプラグインソフトのインストールを
     必要とせず、Internet Explorer 上
     でアバタを動かせること。

    「この2つがIBNRの『売り』なんですよ!
     簡単に使えるというのがいいでしょ?」
    塚本先生はプッシュします。

    IBNRのこれから…。

    現在も着々とバージョンアップ中のIBNR。
    自分だけじゃなくて、ネットワークでつながる
    複数の人が仮想空間上に現れてコミュニケーションが
    できる、マルチユーザ版IBNR

    これが発展すると、
    同じホームページを同時に見ている人に
    出会うチャンスが増える!みたいな
    いろんなハプニングやイベントが起こりそうな
    そういうポテンシャルを感じてるんですね。
    これまでの「掲示板」というシステムではなく、
    もっとビジュアルに同時性を味わえるみたいな
    バーチャルワールドの予感です。

    それから、ビデオ映像はすでにIBNRの仮想空間に
    組み込めるのですが、これからは、
    その映像上にアバタを乗せる研究とか、
    さらにリアルタイムの映像に乗せられるか、とか、とか…。
    いろんな可能性をどんどん広げているようです。
    ますますバーチャルワールドが
    現実味を帯びてきますね。

    こうやって「ほぼ日」を読んでいる人々が
    ブラウザ画面にひょっこり現れて、
    「どーも」って挨拶しあう日も
    来るかも、来るかも!?

    さてと、自分の「アバタ」用に写真を8枚
    撮ろうっと。パシャ、パシャ。

    小川さん、デモ、ありがとうございました。
    あれ?小川さんはIBNRで
    スキーに出かけちゃいましたね(笑)。
    いいなぁ。行ってらっしゃーい。
    スキー

    IBNRの研究の詳細はIBNRの部屋
    くまなくチェックしてください。
    いろいろ楽しく遊べますよ〜。

    次回はバーチャルワールドデモ"見ようツアー
    第4セクションアクティブデータベース編
    会いましょう。
    marsha
  •  

    2001-04-29-SUN

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