糸井 |
こんにちわ。 |
ピーコ |
どうも。 |
糸井 |
すごい豪華なコートを着てるね。 |
ピーコ |
これは、ロシアセーブルなの。
この中、ちょっと色が違うのよ。
で、ここがリスになってて・・・。 |
糸井 |
えっ。
どこがリス?どこがリス? |
ピーコ |
ここ。ちょっと、着てごらん? |
糸井 |
え、俺が?
(着てみる) |
観客 |
(笑)けっこう、似あう。 |
糸井 |
うそお!(笑) |
ピーコ |
(笑)似あう似あう。
それ、毛皮着てるって感じじゃないもん。 |
糸井 |
うん。すごく軽いよね。 |
ピーコ |
あのね、ロシアの借金取りみたい。 |
糸井 |
(笑)ふふふ。
俺、取ってみたいよお、人の借金。 |
ピーコ |
それ、オーダーしたの。
なぜそうなったのかというと、
ロシアセーブルってすごく高くて、
ぜんぶロシアセーブルにしちゃうと
1000万出ちゃうの。
それで、500万くらいなの。 |
糸井 |
(笑)500万か・・・。 |
ピーコ |
これで500万と言うと、みんな、
「えー!なんで!クルマ買えるじゃない」
とか、言うんだけど。 |
糸井 |
クルマ要らないもんね。
それにしても、これ、
ほんとあったかいね。 |
ピーコ |
コムデギャルソンの
おんなじかたちのを持っていたから、
それとおなじ型紙でつくらせて・・・。
わたし、北海道に行ったりするでしょ? |
糸井 |
そりゃ、あったかいわ。 |
ピーコ |
軽いでしょ? |
糸井 |
うん。軽くていい。
・・・いやあ、よかったねえ。働いてて(笑)。 |
ピーコ |
(笑)何で、そんなこと言うの。
重里のほうが、お金持ちだもん。 |
糸井 |
いえ、ぼくは「借金取られ」ですから(笑)。
俺、ヘタなんだね、稼ぐのが。
・・・でも、欲は、あるのよ! |
ピーコ |
(笑)わたしはあなたに
欲があるとは思えないけど。 |
糸井 |
(笑)いやあ、結果が出ないだけで。 |
ピーコ |
・・・今、写真を撮ってるあれは、
パソコンがカメラになってるの?
どういうふうに見えるの?それは。 |
カメラ |
こういうふうに写るんです。 |
|
ピーコ |
これってそういうもんなの?
この機種のものには、
いつもカメラがついてるの?
へえ・・・いやなもんね。
これ見てると、机の肌が全部見えてる。
ヒワイねえ。
何か変な人の恥毛みたいじゃない? |
糸井 |
・・・走るなあ(笑)。
すでに、おもしろいよ〜っ。 |
ピーコ |
今日は長くやるんでしょ?
どうぞ。 |
糸井 |
まず、やりたいことは
ふたつの種類がありまして。
ひとつは、ぼくのやっている
『ほぼ日刊イトイ新聞』というところで
ピーコさんとの対談をしたいんですね。
そして、その『ほぼ日』での対談を
予告編のようにして、
そのあとでピーコさんの本を、
ぼくがインタビュアーになって、
出してみたいんです。
失礼な言い方になるかもしれないけど、
ここのところ、ずっと
「ピーコって人がおもしろい!」
と思っていました。
タレントとしての、という意味だけではなく、
ひとりの人間として、あらためて興味深く
さまざまな場面での発言などを見ています。
生きるのに真剣であるという姿勢が、
笑わせられたりしながらも、
びんびん伝わってくる、というか・・・。
いまは「本気」が
何よりもおもしろいんですね。
で、図々しく、ピーコさんに登場していただけたら、
という前提で、本のタイトルまで用意していて。
つまり、ピーコという人物の「伝記」なの。
これを自分が読みたい、というのが動機です。
だから、余計な演出や
装飾を加えた本にするつもりはありません。
出版先は「某出版社」を予定していて・・・
えーと、この隣にいるのが
某出版社の編集者の某くん。 |
某 |
どうもはじめまして。 |
ピーコ |
どうも。
わたし、「某出版社」っていうのは、
認めてないから大丈夫よ。 |
糸井 |
(笑)認めてないから大丈夫なのね。
あ、逆に、何を認めてるの?
・・・何も認めてないかもしれない。 |
ピーコ |
わたし、「某出版社」は全然認めてないの。
ただ、某出版社新聞を読まなかったり、
某出版社のものを読まないと
ビジネスをやってる人に思われないと
いろんな人に思わせたところだけは偉いと思ってる。 |
糸井 |
(笑)ナイス。
ぼくは、某出版社で出したい、というよりは
この編集者のかたとやりたかったんです。
『アー・ユー・ハッピー?』という
永ちゃんの本を
こないだ一緒に作ったんですけども。 |
ピーコ |
えーと、本というのは、わたしの他に
何人インタビューしたら、作ろうと思っているの? |
糸井 |
いや、ピーコだけだよ。 |
ピーコ |
ロングインタビューというのは、
今までに何人もやってるんでしょう? |
糸井 |
『ほぼ日刊イトイ新聞』の中で
普通にただで読んでもらう時は何人もいるけど、
今回のはピーコさんオンリーで。
すでに『ピーコ伝』っていうタイトルが
先に決まっていまして。 |
ピーコ |
(笑)そんな、つかこうへいみたいに。 |
糸井 |
『幕末純情伝』みたい。 |
ピーコ |
『飛龍伝』とか、あるじゃない?
そういうのは、いや。 |
糸井 |
(笑)いや、他のタイトルは別にして、
カタカナ3文字が来て、
そのあとに「伝」がつくと、いいじゃない?
・・・まあ、タイトルはあとで話しあいましょう。
(つづく) |