ピーコ |
「きれいなひと」についてだけど・・・。
映画をたくさん見ているから、
きれいな人って、当たり前のように
存在しているかのように思っていたけど、
ファッションチェックなんてやってると、
あ、みんなよくわかっていないけどね、
「大半の人は、きたない生まれなんだ」
と思うようになったわけ。 |
糸井 |
(笑) |
ピーコ |
若い時から
きれいなんて言われて育った子なんか、
みんな、やなヤツよ?
そういう意味では、
「きれいでいたらよかったかな」
と思うことはあるけれども、
きれいだった人がきたなくなる過程を、
よく見ているわけじゃない?
きれいだった人って、
まあ、女の人で頭のいい人は、
きれいじゃなくなっていっても
よさが出てくる時がありますけど、
男の「きれい」って、
突然、きたなくなるじゃない?悲惨なほど。 |
糸井 |
(笑)
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ピーコ |
たとえて言うなら・・・。
草刈正雄って! |
糸井 |
会場にいる若い人たちは
わからないかもしれないけれども、
人気あったし、きれいだったよねえ・・・。 |
ピーコ |
そーよ。
あとは、おなじ「きれい」でも
「ああ、口をきかなければよかったのに」
っていう場合もあって。 |
糸井 |
(笑) |
ピーコ |
このあいだたまたま郷ひろみさんが・・・。
って、載せられないじゃないの!この話。
まあ、そういう風に、
きれいな人は突然きたなくなるけど、
ほら、わたしなんか、生まれてから
ずうっときたないわけじゃない? |
糸井 |
(笑) |
ピーコ |
ある日突然きたなくなるわけじゃないから、
ある意味、しあわせなんじゃないかなあと。
神様は、とてもよくつくってくださったと思う。 |
糸井 |
(笑)ふふふ。同意して、いいのかなぁ。
それとも、
「んなこたぁ、ないですよ」と言うべき? |
ピーコ |
あなたに言われても
よろこばないから、いいわ? |
糸井 |
(笑)そう言えばさぁ、
郷ひろみさんって、若人あきらさんに似てきたね。
なんなんでしょうね、ああいうの・・・。
マネしている側に、似てくるじゃない?人って。 |
ピーコ |
そう言えばそうねぇ。 |
糸井 |
そうでしょ?
若人さんは、郷さんに似ていかないじゃない?
明らかに郷さんのほうが変化して・・・。 |
ピーコ |
それは、過去にきれいだった人の生き方よ。 |
糸井 |
平家物語みたい。無常。 |
ピーコ |
そうよ。きれいだった人が
きたなくなっていく姿は、無常よ。
そう考えれば、きれいじゃない人が
きれいになっていくために努力をすること、
それから、着ているものとか立ち居振舞とか
しゃべることとかできれいになっていくことは、
とても大事なことですよね。
30歳になったらすてきな女になりたいとか、
50歳になったらいいおばさんになりたいとか、
思っている人、いるじゃない?
そういうのを見ていると、
ただボーッと生きていたんじゃあ、
きれいになんかならないってわかるわね。
もともときたない人は、
ボーッとしてたらただのおばさんになっちゃう。
やっぱり、「わたし、きれいになりたい」と
思うんだったら、10代のおわりごろとか20代とかから
ちゃんとしていかなきゃ、だめなのよ。
自分を見つめる視点を持って
「自分はどうしたらいいのか?」
というのを、考えていかないと。
その点わたしたちは、
きたないオカマと言われつづけていたから、
「歳を取ってもはずかしくないように」
というのが、常にあったじゃない?
わたしはドライフラワーにもなれなかったけど、
いままで考えたなかでみなさんに言いたいのは、
「美しいというのが、見た目の造作だけじゃない」
ということだけね。
それだけは、覚えていてほしいわねー。
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糸井 |
・・・一気に走りましたね、今日は。 |
ピーコ |
だって、休憩時間に
本売らなきゃなんないんだもの(笑)。 |
糸井 |
ふふふ。 |
ピーコ |
がんばってんのよ、今日は。 |
糸井 |
いままであの本を作るにあたって、
ピーコさんに、何度も
インタビューをしてきましたけど、
一気に核心に迫るような話になることは、
あんまりなかったんです。
だいたいは、クルマが渋滞したとか
いろんなことを話して、それからしばらくして、
本になる話をする、みたいになって・・・。
それをより分けより分けして
本になったんですけれども、
今日は一気に「美」でいきましたね。 |
ピーコ |
あんた、講演会ってやんない? |
糸井 |
ぼく、苦手なのでやんないんですよ。 |
ピーコ |
講演会って、決められた時間じゃない? |
糸井 |
いま、まだ15分だけだよ。 |
ピーコ |
(笑)でも、「1時間でお願いします」と
言われたら、その中できちんと何かを
伝えなきゃいけないと思うわけじゃない?
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(つづきます。)