野口 |
わたしは、とにかく感覚的なので、
1度ちょこっと話しただけでも、
「この人ってこんなヒトだわ」
みたいなところがあるんです。
ただ、そのせいで知りあって浅くても、
慣れ慣れしく話しかけちゃったりして
ちょっと失敗しちゃう時があるんですけど。 |
糸井 |
(笑) |
佐藤 |
ミカちゃんはすごい。
慣れ慣れしくて相手がひいても、
そっちに寄っていきますから。
「ちょっと嫌われているかもしれない」
という状況があったとしても、
相手が1歩ひいたら、1.5歩寄りますよ。 |
糸井 |
もともと持ってる、
生き物としてのエネルギーがすごいね。 |
佐藤 |
そういうのを、目の前で何回も見てるんで。 |
糸井 |
リンダにもそれはあるんじゃないの?
野口さんを、受けとめてるわけでしょ? |
佐藤 |
わたしも、わがままですから。
わたしに最初に出会ったばかりに、
ミカちゃんは、わたしのすごさを
わからなかったところがあるんですよね。 |
糸井 |
「わたしのすごさをわからない」
って、いいよねえ。
そうだよね、書く側としては。
そう思うだろうな。 |
野口 |
そうなんです。
偶然、いちばん最初に組んだ人が、
リンダという、
いちばん高いワインだったんですけど、
それが、わからなかった。
少しうまくいってくると、
資本家としては、ほかのクリエイターも、
試してみたくなっちゃうじゃないですか。
・・・でも、他の人、ぜんぜんだめなんです。
いまは、あきらめてますけどね。
もう、彼女以上の人はいないだろうって。
わたしは、カタログのコピーと言うよりも、
ものを売るにはやっぱり、
あおっちゃいけなくて、あおる直前というか、
ニュースというか生々しいコピーがほしいんです。 |
糸井 |
それ、俺も、いつも思ってたよ。 |
佐藤 |
わたしとミカちゃんは
何回か勝負を張ってるんですけど。
でも、
「広告とは、こういうもんなんですよ」
とか話す人には、なりたくなかったから、
あくまでも仕事で見てもらおうと思っていました。
広告には必ずコンセプトがありますから、
一回一回、わたしは戦略を作ってきたんです。
でも、それを説明するよりも、
お客さんを増やすという結果で見せたかったし、
見せてきていると思うんです、わたしは。
商品の内容を
ぜんぶ見せることが広告じゃなくて、
ちょっと隠すことによって反響を取るような、
そのしかけを作ってみたり。
ある時、そのことをちゃんと
話したので、クリエイターとして
いまは、信頼してもらえているかな、と思うけど。
具体的なアイデアを持っているし。 |
糸井 |
なるほどなあ。
ふたりが、どういうスタンスで
仕事をしているのかを、
少し、わかりました。おもしろいね。
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