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最新の記事 2006/01/08
 
 
【2】南極観測隊ってどうやったらなれるの?

ほぼ日 2回目の南極と言う話が出てきましたが、
いったいどのような経緯で
南極観測隊に参加することに
なったのですか?
観測隊に入るルートが
まったく想像できないのですが。
斎藤 前回行ったのは12年前、
第35次観測隊でした。
そのときは、
建築を専門にしていたんですね。
日本の観測隊の基地として
昭和基地があるのですが、
今回行くドームふじ基地を建てる計画が、
その時にあったのです。
それで、寒いところで建築できる人は
誰かいないかということで、
知り合いから連絡があって‥‥。
ほぼ日 得意だったのですか、
寒いところが‥‥。
斎藤 もともと北海道の生まれなので、
寒いところの建築は大丈夫でしょうと。
それが南極行くきっかけですね。
でも戻ってきてからは、
建築はすっかりやめて、
今は、北大の低温科学研究所で
氷の研究の手伝いをしてまして、
そこで働きながら
「もう一度行きたいので
 何か南極に行く機会があったら、
 行きます!」
と手を挙げていたのです。
そんなこともあって、
今回、南極に行く人を探していて
いい機会だからどうですか
という話になったのです。
ほぼ日 では今回は南極の氷の観測をする?
斎藤 ええ。
氷というのは場所によって違うので
面白いですよ。
大陸の上の方は、
ざらめの砂糖みたいな感じで、
ほんとに深いところにいっちゃうと、
綺麗な透明の氷になるんです。
大陸に降った雪はその重さで氷に
変化していくのです。
南極というのは大陸の上に氷が乗っていて
雪が降って融けないで、
それが氷になっていく。
100万年以上も融けないでいるので
その厚さが平均で
2400メートルくらいあって。
一番高いところで4300メートル。
今回ぼくが行く
ドームふじ基地というところは、
氷の標高が3800メートルという地点に
あるんです。


(提供:国立極地研究所)
ほぼ日 富士山より高い、100万年前の氷!
斎藤 雪が積もって溶けないでいるので
上から順番に穴を掘って
サンプリングしていくと、
現在から過去の地球環境を
さかのぼれるのです。
ほぼ日 この氷の採掘と研究を
1年間通してなさるんですか?
斎藤 南極は南半球で
ちょうど春から夏にかわる頃なので、
この作業ができるんですね。
秋から冬の気温が低い時期は
採掘をしません。
掘ることができる期間が
南極の夏にあたる11月から
1月の半ばくらいまでですかね。
ドームふじ基地というのは、
気候が厳しくて、
平均気温が
マイナス54度ぐらいなのです。
ほぼ日 もう想像できない寒さですねー(笑)。
斎藤 夏はマイナス35度くらいに
上がっていくんです。
やっぱり、冬になると
70度を下回っていくので、
以前は冬も、氷のサンプリングを
していたんですが、
やっぱり掘るときの効率が悪いので、
夏の期間に集中的にやります。
マイナス30度くらいであれば
大丈夫です。
ほぼ日 それでもマイナス30度なんですね。
とってもベタですが
もちろんバナナが‥‥。
斎藤 凍ります(笑)。
ただね、夏はずっと太陽が出てて、
太陽の日差しがあって風がないと
結構あったかいんです。
ほぼ日 バナナが凍るけど
結構あったかいというのも
想像しきれないです(笑)。
採掘できないときは
どうされるのですか?
斎藤 南極の秋、
つまり来年の2月ごろには
昭和基地に向かいます。
そこでまたその翌年の採掘に向けた
準備作業をする。
そして来年のちょうど10月ごろに
またドームふじ基地から
昭和基地に向かうわけです。
ほぼ日 そうすると、
2005年の11月に
ドームふじ基地に入って研究をして
2006年の2月昭和基地に移動して、
準備をして
2006年の10月頃に
またドームふじ基地に向かって
また研究をして‥‥。
斎藤 再来年の春に日本に帰って来ます。
ほぼ日 すごい長旅ですねー!



(つづきます)
 
南極観測について、
もっと知りたいという方は
こちらの「極地研究所」のホームページ
ぜひご覧ください!
 
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