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最新の記事 2006/01/12
 
 
【4】南極では何を食べているの?

ほぼ日 12年ぶりに南極に行くというのは
どういうお気持ちなのでしょうか。
斎藤 「ちょっと行って来るわ」っていう感じですね。
ほぼ日 え、そんな気軽な感じですか。
「ちょっと」って‥‥。
斎藤 前回行った時はね、初めてだったし、
わからないところなので、
どうしようかなって思うことが多かったんですね。
例えば着るものをたくさん持って行ったり、
生活用品を
たくさん持って行ったりしてたんですけど、
今回はあんまりそういうことはないんですよね。
ほんと軽い気分なんです。
ほぼ日 でも近くに旅行に行くのと違って、
忘れ物といっても、現地で調達が‥‥。
斎藤 ああ、できないですね。
でも南極観測手隊自体は
もう40年近くも入ってますから、
まあ、何か足りなくなったら、
過去の置き土産がちゃんとあるんです。
ほぼ日 なるほど!
斎藤 本もものすごくたくさんあってね。
昔のビデオとかも、あります。
新しいの持って行って、それを置いていって、
また次の隊がまた持って行って、置いていく。
約40人の隊員が越冬をするのですが、
研究者が半分で
研究職じゃない方も半分いらっしゃるんです。
医者とコックさん、
機械をメンテナンスする方とか。
メーカーで言うと、
イスズ自動車とか、ヤンマーとか。
あとは、通信士ですね。NTTから来たり。
生活はすべてこの40人でまかないます。
食べ物も、ちゃんと3食、
調理の方が作ってくれるので
食べる心配はしなくていい。
どうしても「俺は朝これがないとだめだ!」
というのであれば、
それは個人的に持って行けばいいんですけども、
基本的には食事は全部用意してくれます。
ほぼ日 1年半分なんて持って行けないですもんね(笑)。
その食料というのは真空パックですか?
斎藤 そうですね。あとは冷凍と冷蔵品ですね。
荷物を運ぶ船「しらせ」が日本から出て、
途中オーストラリアに寄るので、
そこで最後の補給をします。
生鮮食品、キャベツとかタマネギとか
積み込むわけです。
それが昭和基地に行って、
来年の2月くらいまでは
生鮮食品も食べます。
それ以降になると、
あとは冷蔵品と冷凍品ですね。
10年前から比べると、
冷蔵とか冷凍技術はものすごく発達したようで、
前回行ってきた方の話を聞くと、
日本とあんまり変わらないって。
ほぼ日 ええーーーっ!
斎藤 (笑)釣りをして魚も食うんですよ。
ワカサギ釣りのように、
氷に穴開けて釣るんです。
でも釣りも、やたら釣るんじゃなくて、
一応ね、観測なんです(笑)
だから、ある一定の時間を決めて、何匹釣れるか。
いくつ穴をあけて。
それで何人が何匹釣れるから、
今年はおそらく何匹くらいの魚が
いるだろうという。
ほぼ日 全部データなんですね。
最後は食べるけど(笑)。
斎藤 そうそう。観測隊ですから。
最後は唐揚げとかですね(笑)。
食べ物は不自由しないかな。
ただ、やっぱりレタス、トマトとか、
生のものは食べたくなりますね。
もやしとか、レタスも栽培しているんだけど
なかなか難しいですね。丸くはならないんですよ。
トマトもプチトマトくらいの大きさにしかならない。
ほぼ日 それも観測の一環だったりするんですか?
斎藤 うん。それは水耕栽培だったかな。
ほぼ日 生活とデータがもう密着しているんですね。



昭和基地(提供:国立極地研究所)

(つづきます)
 
南極観測について、
もっと知りたいという方は
こちらの「極地研究所」のホームページ
ぜひご覧ください!
 
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