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最新の記事 2006/01/16
 
 
【5】 南極に行く準備って
いったい何をするの?

ほぼ日 南極の話はいつ頃から動き始めたんですか?
斎藤 去年の夏ぐらいからかな。
観測隊に参加するメンバー決めがあるんです。
面接も一応ありました。
研究系の部門は研究者の中で
雪氷関係のグループ、オーロラの研究グループ、
ペンギンを研究するグループというような
小グループがあって、
その中ではだいたい何次の時には
誰が行きましょう、
って決まっていく感じですね。
研究職以外ですとお医者さんや
コックさんは公募だったり、
メーカーとかは、どこそこのメーカーで、
来年お願いしますって辞令がおりたり(笑)。
それぞれの会社とかグループで
個別に決まっていって
初めて全員で集まるのが出発する年、
つまり今年の3月です。
3月に初めて会って、
半年もしないうちに一つの隊になって
南極へ行く。
これが面白い。
ほぼ日 年齢層もばらばらですか!
斎藤 平均年齢が今年は35歳。
一番若いのが24歳かな。
大学院を出たばっかりで。
一番上が52歳の観測隊長です。
全員で40名ぐらい。
ま、なかなか変わった集まりですね。
ほぼ日 学校のひとクラスって考えると
すごく仲良くなりそうですね。
斎藤 前回の観測隊で、
1年半、一緒に過ごした仲間は
今でも連絡はとりあいますねー。
今回もう一度行くにあたっては
壮行会を開いてくれたりしました。


南極に行く直前の団結式の様子。
「みなさん、南極経験者。
 なんか、雰囲気似ているんです」
(奥様、亜希子さん談)

ほぼ日 いいですね。
南極に向かうにあたって
準備としては
どのようなことが行われるんですか?
斎藤 例えば面白いのは、富士山に登って、
滞在する訓練とかがあります。
富士山に4日くらいいたかな。
今回行くところが標高3800メートルで、
そこまで飛行機で
ほとんどいっぺんに行っちゃうんですね。
だから高度障害とか出る可能性があるので
高度障害がどういうものかを確認するんです。
一番てっぺんに山小屋がいくつかあって、
そこに4泊して、
どのように体が変わっていくか見ていきます。
ほぼ日 何か体に症状が出たりしました?
斎藤 ぼくは、ちょっと頭が痛くなったくらいで
あんまり出なかったですね。
ゆっくり登ったので、
段々順応していったと思います。
ただ、少し動くと、
空気薄いからぜーぜー言います(笑)。
他には雪上車を作ってるメーカーが
長岡にあるので
そこで砂浜を利用して
雪上車の運転の訓練とか、
雪上車の整備のしかたとかを
直接メーカーに行って習いました。
意外と研究には関係がないようなことでも
いろいろな訓練があります。
ほぼ日 日々の生活でできないと困ることばかりですね。
斎藤 他にも全員隊員が長野県の菅平で
集まって研修をしたり、
持って行くモノを調達したり、
観測の計画を立てたり、
健康診断があって、
人間ドックに入ったりもしました。
ほぼ日 そして旅立ちの日を迎える、と。
送り出す家族としては
「南極に行ってくるよ」って
聞いた時はどう思われたんですか。
亜希子 前に行っていたときには
まだ出会ってなかったんですね。
話だけを聞いていたので
あんまり彼が南極に行くという
実感はなかったんです。
ただ、これから1年半、
南極に行ってしまうということで、
まったく寂しくないって言ったら
嘘になりますけど、
前から「もう一回行きたい」って
言っていたので
私としては「絶対もう一回行ってほしい」と
思っていたんです。
彼は私を残して行くことを
だいぶ心配していたんですけど、
でも、まあ、ね。
やりたいことやってもらった方が
面白いなあと思って。
今はインターネットとかで、
連絡を取り合えるからいいですけど、
昔の南極隊員の家族たちは、すごいですよね。

(つづきます)
  南極観測について、
もっと知りたいという方は
こちらの「極地研究所」のホームページ
ぜひご覧ください!

斎藤さんへ応援メールを、
たくさん、いただきまして、
どうもありがとうございます。

=
こんにちは!
東京で、ほぼ日手帳を使ってる
サラリーマンです。

読んだとたんに行きたくなりましたよ! 南極。
周りの環境と自分の才能を考え、無理とは知りつつ
観測隊員公募条件を熟読してしまいました。
昼休みにしばし、南極旅行できました。

ほんと、南極観測隊に知り合いができた気分です。
だって自分の使ってるほぼ日手帳を
南極観測隊員も使ってるんですよね。
ほぼ日手帳でつながってるんだ、と思うと
なんだかうれしい!
たぶんみんなそーですよね。

ありがとう「ほぼ日」!
がんばれ、斎藤さんご夫妻!
(立派な仕事をしている旦那さんを
 支える奥様という感じが、とっても素敵でした)
(中村)


=
いいなあ、いいなあ。
南極、いいなあ。
今年はすごく寒くて、ここ京都洛北の地にも
すでに何度も雪が降り、道路が凍りつき、
寒さに震えあがる毎日です。
大雪の日には、通勤途中で二度も転倒しました。
空もやっぱり寒そうでした。
もう冬はたくさん、早く春が来て!
と思っていたのですが、
もう、老後は沖縄に引っ越そう、と思うぐらい
コリゴリしていたはずなのですが…、
斎藤さんのコーナーを読んで「いい」って
思う私って、何!?
お昼休みにほぼ日をのぞくのを楽しみにしています。
ぜひ、「南極だより」をお願いします。
南極という非日常的環境における、
何気ないモロ日常生活…。
日本で私のように「南極だより」を楽しみにしている
仲間がいっぱいいると思いますよ。
お願いします!
(京都のチベット、岩倉のマダム)


斎藤さんも、奥様の亜希子さんも
みなさんからのメールを
とっても喜んでくださっています。
亜希子さんによると
斎藤さんはとても元気に
働いていらっしゃるということですが、
現在いらっしゃる南極の「ドームふじ基地」の
通信事情があまりよくなく、
今はメールを読むのみで、
お返事を書くことができないそうですが
一通、一通のメールが
とても大きな励みになっているそうです。
また続報が届き次第、お伝えしますね。
 
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