おさるアイコン
最新の記事 2006/01/18
 
 
【6】 糸井darlingはまちがって北極に?


糸井 どうも!
斎藤 どうもどうも。
亜希子 はじめまして!
ほぼ日 南極の日々をメールで
「ほぼ日」に
送ってもらいたいという
お願いをしたんです。
糸井 どうやって送るの?
斎藤 昭和基地ではメールがつながるんです。
糸井 昭和基地では!
今も昭和基地って名前なんですね。
現地ではお暇なんですか、
忙しいんですか。
斎藤 えっと、暇と言えば暇なんですが(笑)。
やっぱり天候に左右されるので、
時間は自分でどんどん作っていきます。
糸井 南極じゃなくて、
北極圏っていうところにぼくね、
まちがって行ったことがあるんですよ。
朝日新聞の人が
北極に行くって言ってたときに、
それはすごく素晴らしいことだから
応援しようじゃないかって
他の新聞社の奴が言い出したんですよ。
サロンみたいなところでしゃべっている
ぼく達に声かけて「はい」って言ったら、
彼らは行かないで、
ぼくらだけ行くことになっちゃったんです。
一同 (笑)
糸井 何の関係もないのに(笑)。
移動の最中に、樺太犬が死んだりとかね。
新聞に出しにくい事故を目の当たりにして。
さっき、暇なんですかって聞いた理由は、
外に出て仕事なんかできやしないのよ。
だから、きっと時間決めて何時から何時って
無理矢理するんですよね。
斎藤 そうですね。時間決めて、天気を見ながら。
吹雪いてるとできないですし、
晴れ間を縫って仕事をざっとします。
糸井 楽しみですね。
手付かずの古代がここにある。
他にはないんですよね。あんな場所は。
斎藤 もうほんとに何十万年も前のことが
眠っているんでね。
糸井 氷をとっただけで何十万年ですよねー。
斎藤 今回ぼくが行くのは
だいたい100万年前の氷をとろうと(笑)。
研究者は別にいて、研究者と同行して、
技術的なところを
サポートしているという立場です。
非常に面白いところです、南極は。
糸井 確か、第一次観測隊も
昭和30年くらいですよね。
斎藤 ええ、確か昭和32年ですね。
糸井 全部東京タワーの時なんですよ。
長嶋茂雄巨人軍入団っていうのもその頃で。
少年サンデー、
少年マガジンの発売もそうですし。
テレビをみんなが見るようになったのも、
皇太子ご成婚。
全部、昭和30年、ちょぼちょぼのところに、
すべてが入ってんですよ。
斎藤 なるほどー! 観測隊もそうか‥‥。
糸井 あーだこーだ言ってると
オリンピックがはじまって
道路も、あれ!
こんな上空に曲がった道が、みたいな。
斎藤 (笑)、高速ができて。へえ、そうか。
糸井 全部一緒の時期なんですよね。
つまり戦争が終わって
10年から15年のところで、
すべてが始まってるんですよね。
ちょうど映画『三丁目の夕日』
見たばかりなのですが、
そんな昭和30年代の様子が
すごくよく描かれているんです。
あと、東京タワーの下に、
南極に置き去りにされた犬が
銅像になっているんですよね。
南極で残念ながら
置いてこなければならなくなった事情あって、
その慰霊碑と同じ意味で‥‥
斎藤 南極にいた1次隊と2次隊が
交代するはずだったんです。
1次隊員をピックアップした後に
新しい隊員をすぐ送る予定だったので、
犬を置いていったんですが、
そこで天気が悪くなって
2次隊が行けなくなったんです。
糸井 それが、「南極物語」でしたよね。

(つづきます)
  南極観測について、
もっと知りたいという方は
こちらの「極地研究所」のホームページ
ぜひご覧ください!

斎藤さんへ応援メールを、
たくさん、いただきまして、
どうもありがとうございます。

=
私はアメリカで建築の勉強をしています。
4大では地理学をやって、今回は院で建築学。
斎藤さんもご存知の通り、建築は大変だけど、
やりがいがあって、とても楽しく学んでます。

これを読む頃は南極にいらっしゃるのですね。
ここ米国東海岸もかなり寒いですけど、
南極には比べ物にならないですよね。
これからほぼ日で、
いろいろ斎藤さんの南極でのお話が聞けるとのこと、
楽しみにしています。
氷のお話も興味深いですけど、
ぜひ建築のお話もしていただきたいです。
バナナも凍る土地での建築は、
「普通」の土地での建築と
違うのでしょうか。「違う」に期待します。

体に気をつけて、頑張ってください。
(ゴーパッツ)


=
前略、斎藤様
私は20年以上前にNHK特集を観て以来、
南極に憧れを抱きつつも
日常に埋没して現在に至る38歳の男です。

厳冬下での筆記具は鉛筆なのでしょうか?
素人考えではボールペン等の液体では
凍ってしまうのではないかと思うのですが‥‥
(小石)


お便り・質問、どうもありがとうございます!
旅立つ前に、「ほぼ日手帳」に使えるようにと、
スーパーなどの冷凍室で
使われるボールペンというものを
差し入れさせていただきました。
そのボールペンがちゃんと使えているか
定かではありませんが、
質問のお答えが、
南極から届く日をゆっくりと待ちましょう。
 
ご感想はこちらへ もどる   友だちに知らせる
©2005 HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN All rights reserved.