糸井 |
どうも!
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斎藤 |
どうもどうも。
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亜希子 |
はじめまして!
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ほぼ日 |
南極の日々をメールで
「ほぼ日」に
送ってもらいたいという
お願いをしたんです。
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糸井 |
どうやって送るの?
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斎藤 |
昭和基地ではメールがつながるんです。
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糸井 |
昭和基地では!
今も昭和基地って名前なんですね。
現地ではお暇なんですか、
忙しいんですか。
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斎藤 |
えっと、暇と言えば暇なんですが(笑)。
やっぱり天候に左右されるので、
時間は自分でどんどん作っていきます。
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糸井 |
南極じゃなくて、
北極圏っていうところにぼくね、
まちがって行ったことがあるんですよ。
朝日新聞の人が
北極に行くって言ってたときに、
それはすごく素晴らしいことだから
応援しようじゃないかって
他の新聞社の奴が言い出したんですよ。
サロンみたいなところでしゃべっている
ぼく達に声かけて「はい」って言ったら、
彼らは行かないで、
ぼくらだけ行くことになっちゃったんです。
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一同 |
(笑) |
糸井 |
何の関係もないのに(笑)。
移動の最中に、樺太犬が死んだりとかね。
新聞に出しにくい事故を目の当たりにして。
さっき、暇なんですかって聞いた理由は、
外に出て仕事なんかできやしないのよ。
だから、きっと時間決めて何時から何時って
無理矢理するんですよね。
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斎藤 |
そうですね。時間決めて、天気を見ながら。
吹雪いてるとできないですし、
晴れ間を縫って仕事をざっとします。
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糸井 |
楽しみですね。
手付かずの古代がここにある。
他にはないんですよね。あんな場所は。
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斎藤 |
もうほんとに何十万年も前のことが
眠っているんでね。
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糸井 |
氷をとっただけで何十万年ですよねー。
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斎藤 |
今回ぼくが行くのは
だいたい100万年前の氷をとろうと(笑)。
研究者は別にいて、研究者と同行して、
技術的なところを
サポートしているという立場です。
非常に面白いところです、南極は。
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糸井 |
確か、第一次観測隊も
昭和30年くらいですよね。
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斎藤 |
ええ、確か昭和32年ですね。
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糸井 |
全部東京タワーの時なんですよ。
長嶋茂雄巨人軍入団っていうのもその頃で。
少年サンデー、
少年マガジンの発売もそうですし。
テレビをみんなが見るようになったのも、
皇太子ご成婚。
全部、昭和30年、ちょぼちょぼのところに、
すべてが入ってんですよ。
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斎藤 |
なるほどー! 観測隊もそうか‥‥。
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糸井 |
あーだこーだ言ってると
オリンピックがはじまって
道路も、あれ!
こんな上空に曲がった道が、みたいな。
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斎藤 |
(笑)、高速ができて。へえ、そうか。
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糸井 |
全部一緒の時期なんですよね。
つまり戦争が終わって
10年から15年のところで、
すべてが始まってるんですよね。
ちょうど映画『三丁目の夕日』を
見たばかりなのですが、
そんな昭和30年代の様子が
すごくよく描かれているんです。
あと、東京タワーの下に、
南極に置き去りにされた犬が
銅像になっているんですよね。
南極で残念ながら
置いてこなければならなくなった事情あって、
その慰霊碑と同じ意味で‥‥
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斎藤 |
南極にいた1次隊と2次隊が
交代するはずだったんです。
1次隊員をピックアップした後に
新しい隊員をすぐ送る予定だったので、
犬を置いていったんですが、
そこで天気が悪くなって
2次隊が行けなくなったんです。
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糸井 |
それが、「南極物語」でしたよね。
(つづきます)
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南極観測について、
もっと知りたいという方は
こちらの「極地研究所」のホームページを
ぜひご覧ください!
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