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最新の記事 2007/02/20
 
 
2005年10月30日に日本から
南極での観測活動に向けて旅立った斎藤さん。
いよいよ3月の末に日本に戻ってくるそうです!
その前に、南極での大仕事のことを
送ってきてくれました。
本日と明日、2日連続でお届けします。


南極大陸の上にある基地(前編)

標高3820m。
昭和基地から1000kmほど南極点に向ったところに
日本観測隊4番目の基地、ドームふじ基地があります。
一年の平均気温は−54.4℃、
最低気温は−79.7℃を記録したところです。


(提供:国立極地研究所)

そんなに寒くて、遠く離れたところに
科学者、技術者が集まって
一体何をしているのかというと‥‥。
雪と氷の大陸といわれる南極。
ここに降る雪はほとんど融けることなく積もり続け、
やがて自らの重みで氷に姿を変えます。
氷の塊は氷床(ひょうしょう)と呼ばれ、
古いものは数十万年もの間、大陸の上に残っています。

氷床の厚さは平均2400m、
厚いところでは富士山を越えて4200m。
南極をスパッと縦に割って横からみると
一番底に大陸があり、
その上に氷の塊が載っている姿は
まるで中華まんのようです。

そして氷の内部には
雪が氷へ変化したころの空気や
微小粒子も一緒に閉じ込められ、
この空気の入った古い氷を採りだすことが
ドームふじ基地の目的です。


キャンプ地に着いて橇(かんじき)です。
真夜中ですが、太陽は沈まず。



ドームふじ基地近景。
オレンジ色のテントが氷をサンプリングするところです。
この下3000mまでドリルが降りていきます。


南極が夏に向おうとする昨年10月末、
昭和基地を離れ、ドーム基地に向いました。
大きな雪上車で橇に載せた燃料や食糧を引っぱり、
車の中で寝泊りしながら約一ヶ月の後、
無人のドームふじ基地に到着。


ドームふじ基地へ向う旅行の様子です。

1台の雪上車が荷物満載の橇を7台引いていきます。
着いてからまずは生活できるように基地を立ち上げます。
夏とは言っても基地の中は−50℃。
据付けてあるエンジンも冷えきっていて、
これを温めることから始まります。
はじめは小さなジェットヒーター、そしてエンジン、
そして建物全体を大きなジェットヒーターで暖め、
基地を立ち上げます。


エンジンを温めるジェットヒーターを暖めます。


−50℃のエンジン。


エンジンはジェットヒーターで暖めます。


こちらは建物の中を暖める大きなジェットヒーター。


建物の中は布製のパイプを這わせます。

南極大陸の奥地、
雪の下に眠る基地に少しずつ息吹を戻し、
そして特殊なドリルを使い深さ3000m、
太古の氷のサンプリングへ進みます。
この氷は過去の地球環境を報せてくれる
タイムカプセルです。

2007年2月6日の昭和基地、
気温+0.7℃
風速1.8メートル毎秒。
日差しが強く暑いくらいです。
明日、昭和基地からしらせに乗艦します。

第47次日本南極地域観測隊
斎藤 健

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「後編」では深さ3000メートルの氷の中から
どのように太古の氷をサンプリングしていくのか
教えてもらえますので
明日もぜひこのページをのぞいてみてくださいね。

いよいよ「しらせ」に乗艦して、
帰路についた斎藤さんですが、
南極の様子については
みなさまから今までにいただいている質問に答える形で
もう少し教えてくれるそうです。
「まだ質問を送っていなかった!」
「聞きたいことがある!」という方は
ぜひ「南極観測隊斎藤さんへ」として
postman@1101.comまで送ってくださいね。

南極観測について、
さらに知りたいという方は
こちらの「極地研究所」のホームページ
ぜひご覧ください。
 
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