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南極での観測活動に向けて旅立った斎藤さん。 いよいよ3月の末に日本に戻ってくるそうです! その前に、南極での大仕事のことを 送ってきてくれました。 本日と明日、2日連続でお届けします。
標高3820m。 昭和基地から1000kmほど南極点に向ったところに 日本観測隊4番目の基地、ドームふじ基地があります。 一年の平均気温は−54.4℃、 最低気温は−79.7℃を記録したところです。 (提供:国立極地研究所) そんなに寒くて、遠く離れたところに 科学者、技術者が集まって 一体何をしているのかというと‥‥。 雪と氷の大陸といわれる南極。 ここに降る雪はほとんど融けることなく積もり続け、 やがて自らの重みで氷に姿を変えます。 氷の塊は氷床(ひょうしょう)と呼ばれ、 古いものは数十万年もの間、大陸の上に残っています。 氷床の厚さは平均2400m、 厚いところでは富士山を越えて4200m。 南極をスパッと縦に割って横からみると 一番底に大陸があり、 その上に氷の塊が載っている姿は まるで中華まんのようです。 そして氷の内部には 雪が氷へ変化したころの空気や 微小粒子も一緒に閉じ込められ、 この空気の入った古い氷を採りだすことが ドームふじ基地の目的です。 南極が夏に向おうとする昨年10月末、 昭和基地を離れ、ドーム基地に向いました。 大きな雪上車で橇に載せた燃料や食糧を引っぱり、 車の中で寝泊りしながら約一ヶ月の後、 無人のドームふじ基地に到着。 1台の雪上車が荷物満載の橇を7台引いていきます。 着いてからまずは生活できるように基地を立ち上げます。 夏とは言っても基地の中は−50℃。 据付けてあるエンジンも冷えきっていて、 これを温めることから始まります。 はじめは小さなジェットヒーター、そしてエンジン、 そして建物全体を大きなジェットヒーターで暖め、 基地を立ち上げます。 南極大陸の奥地、 雪の下に眠る基地に少しずつ息吹を戻し、 そして特殊なドリルを使い深さ3000m、 太古の氷のサンプリングへ進みます。 この氷は過去の地球環境を報せてくれる タイムカプセルです。 2007年2月6日の昭和基地、 気温+0.7℃ 風速1.8メートル毎秒。 日差しが強く暑いくらいです。 明日、昭和基地からしらせに乗艦します。 第47次日本南極地域観測隊 斎藤 健 ************************* 「後編」では深さ3000メートルの氷の中から どのように太古の氷をサンプリングしていくのか 教えてもらえますので 明日もぜひこのページをのぞいてみてくださいね。 いよいよ「しらせ」に乗艦して、 帰路についた斎藤さんですが、 南極の様子については みなさまから今までにいただいている質問に答える形で もう少し教えてくれるそうです。 「まだ質問を送っていなかった!」 「聞きたいことがある!」という方は ぜひ「南極観測隊斎藤さんへ」として postman@1101.comまで送ってくださいね。 南極観測について、 さらに知りたいという方は こちらの「極地研究所」のホームページも ぜひご覧ください。 |
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