TKR
高阪TK剛、じぶんレポート。

----------ROUND.6----------

予定表になかったけれど、
早くお伝えしたくて、臨時で掲載します。
うれしいニュースですから。

高阪選手、試合終わりました。
勝ちました勝ちました!!
さっそく、本人からの報告を掲載します。
10行タイピングするのも疲れると言っていたのに、
こんなにたっぷり書いてくれました。
ありがとう。
おめでとう!

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KACHIMASHITA!

どーも。
なんとか勝つ事ができました。

相手の事は、会場でフランク(シャムロック選手)から
情報を得ることができました。
フランクはティムと一緒に練習していたことが
あったらしく、かなり細かい所まで
アドバイスしてくれました。
「レスリングはもちろん上手いが、
彼は本当はボクシングの方を得意としているので
最初はタックルには行かないでパンチを打ってくる筈だ。
ただキックはできないので、
TKは蹴りを多用するべきだと思う。
タックルは、はっきり言って切ることはできないと
思うので、もし奴が入ってきたら無理に切ろうとしないで
その力を利用して関節に行くなり、
リバ-スするなりすれば良いと思うよ。
とにかく、パワーのある選手だから
上手く動かして疲れさせ、
それから関節に行くというのがベストだと思う」
との事。

このアドバイスは試合の時、かなり生きました。

1R。開始と同時に2、3発蹴ってみたんですけど、
全くカットしようとしません。
「これは使える」と思った瞬間、
ティムはパンチのラッシュをしてきました。
それをかいくぐって、
反射的にタックルに行ってしまったのですが、
思いの他タイミングが良かったのか、
テイクダウンを取ることができたました。

しかし、やっぱり速い。
気が付いたらティムは体勢を立て直して
既に自分のバックに付いていました。
これはまずいと思ったのでとりあえずガ-ドに入れて、
パンチのディフェンスに今度は集中する事に。
ところが、これが物凄い力を持っており、
完全にはディフェンスし切れません。
5、6発顔面にもらってしまいました。
ただ、ここで練習の成果がでました。
あと何分か残っているので、
いつ攻撃すれば良いかという事を
計算する事ができたのです。
自分はそのタイミングを見計らって
下から足を取ってヒールに入りました。
しかし、足がかたい。
普通の奴なら「グニャッ」となる筈なのに、
そんな感触は全くない。
まるで石でできた足を相手にしているみたいです。
結局またガ-ドに入れる事になってしまい、
ここでも何発かくらってしまいます。
そして、1R終了間際に
また自分が下から仕掛けようとした時、
ティムは自分から立ちあがりました。
そして、自分がローを一発打った所で1R終了のブザ-。

インタ-バル中、モーリス(スミス)には
「蹴りはやっぱり嫌がってるからどんどん使え。
奴はもう疲れてきてるから、
もしまたグラウンドで下になったら
とにかくパンチを打たせろ」
フランクには
「関節がかたいから、取るんだったら
膝十字か逆十字みたいに
体全体を使える技にした方がいい」
と言われました。

2R。ローを2発打つと、またパンチのラッシュがきました。
それをキッチリガードしながらタックルに行ったのですが、
完全に見切られており、
潰されてマウントを取られることに。
でも、ここは自分の得意のパタ-ンです。
TKシザースからアキレスに移行しました。
ところが、やっぱり足がかたく
なかなかポイントに入りません。
仕方ないので、そのまま足首固めに
チェンジしようとしたのですが、
これも思うようにいきません。とにかくかたい。
ただ、ティムはこの時かなり体力を消耗していました。
あえて自分はガードの状態になり、
もっともっと疲れさせることにしました。
そして、残り一分の声が聞こえたので、
足を使ってバランスを崩させ、
そこからすり抜けてトップポジションを奪いました。
そこからパンチと肘の連打を打ち続けていると
2R終了のブザー。

ティムの目が泳いでいたのがわかったので、
次のラウンドは何をやってもいけると思っていたら、
セコンドがタオルを投げて、
3Rが始まる前にTKOが決まりました。

自分も少しダメージを負いましたが、
とにかく勝てよかった。

マッチメーカーのジョン・ペレッティによると、
今回はあえて自分(TK)に
無名でなおかつ実力のある
このティムという選手をあてたそうです。
自分の力量をもう一度確かめたかったらしいのです。
そして試合後、
「TKにタイトル・マッチをやらせる」と
モーリスに言っていました。

それが実現すれば
自分はまた夢向けてに一歩前進することになります。

終わってみれば、
今回のUFCはものすごい意味のある試合だったのでした。

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やったよねー。
冷静に自分の力を発揮していた様子が、
手に取るようにわかりました。

そして、結末のところに、また重要なことが!
「タイトルマッチ」ですか?!
がんばれ、高阪。
「ほぼ日」読者の皆さん、これもナニカの縁です。
どうぞ、単身アメリカに渡って、
世界を目指して闘っている高阪選手に応援を、
よろしくお願いします!

1999-07-19-MON

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