高阪TK剛、じぶんレポート。 |
----------ROUND.10---------- モーリス・スミスの考え 今日はモーリス・ジムでの事を話したいと思います。 ジムでの練習は打撃とグラウンドを それぞれ別の日にやっています。 でないと、意識を集中して練習する事ができないからです。 月、水、金が打撃、火、木、土がグラウンド というようにしています。 打撃練習はモーリスにほぼつきっきりで コーチしてもらっているのですが、 ほら、天才の言う事、やる事は 凡人には真似できないってよく言うでしょ? モーリスに教えてもらうテクニックは すごく理論的だし頭では理解できるのですが、 実際やろうとすると、どうしてもできなかったりする時が あるんです。 でも、モーリスはできない事を押し付けたりは 絶対にしません。 例えば教わった事を自分がうまくできなかったりしたら、 すぐに自分のクセを見抜いて、 それがよっぽど悪いものでない限り そのままそれに合わせて変えた別のやり方を また教えてくれます。 で、それでよければそれでいいし、少しでも 心地が悪かったらやらないほうが良いと言ってきます。 なぜなら試合ではその心地悪さが命取りになるからです。 そしてスパーリングもただ単にボコボコやるんじゃなく、 最初はちゃんと身体に反応させながらやります。 そして、しっかり感覚でできるようになって初めて、 試合とほぼ同じスピードでスパーリングをやるのです。 ただし、スパーリングはやっても週1回か2回です。 練習でダメージを作っても仕方ないからです。 モーリスは言います。 「キックボクシングは感じる事が一番大切なんだ。 ほら、道を歩いてて前から人が来たら自然とよけるだろ? その時にいちいち考えてやってるか? キックも同じさ。その自然さってのを 多く持ってるヤツが強いファイターなんだ。 あとはココ(心臓)とココ(頭)だな」。 どんなにすごいファイターに教わったテクニックでも それを自然に使いこなせなかったり、 できてもどこかぎこちなかったりするようじゃ 練習では通用しても実戦では絶対に出遅れます。 モーリスは自分自身のテクを教えながら 実はその事をみんなに知ってもらいたいようです。 「それじゃあキックのジムで グラウンドの練習はどうしてるんだ?」って 思われるかもしれないですけど、 実はみなさんが思っている以上にアメリカでは グラウンド・ファイトやサブミッションを 知っているヤツが多いんです。 そしてモーリスの人柄が人を集めるのでしょう。 試合経験こそそんなにありませんが、 かなりレベルの高い選手がジムには何人も来ています。 プロ一本で生活しているのはジムの中では 自分とモーリスだけなんですけど、 もし日本にいたら間違いなくプロとして やっていける選手が実は2、3人います。 しかも全員貧欲で本当に練習が好きなので、 自分が明日スパーをやると言ったら 必ずジム来て一緒にやってくれます。 そこには変な上下関係なんかなくお互い励ましながら、 そしてどこか悪い所があればはっきり言い合って やっていく事ができるので 自分でも気が付かなかった事がシアトルに来てから 良くわかるようになりました。 これは自分自身(選手)にとって、 とっても大事な事なんです。 自分がシアトルに来て変わったとか、 前より強くなったと言われるのは このような環境で練習しているからだと思っています。 おおまかに言ってジムでの練習の様子はこんな感じです。 次回は自分が実戦をくり返した上で考えた 独自の練習方法をここに公開しようと思っています。 それでは日本で会いましょう。 ------------------------------------ TKは、今日8月19日に横浜文化体育館で開催される リングスの公式戦「RISE 5th.」のマットで、 現在ランキング3位のギルバート・アイブル選手と 30分一本勝負を戦います。 「やってみたいことがあるので、いろいろやってみます。 でも、どっか怪我はするでしょうね。 ただでは帰ってこられませんよ(笑)」。 がんばれTKレボリューション! |
1999-08-19-THU
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