
アジオ |
いきなり涙なしでは語れない
作品が届きましたね‥‥ |

アジコ |
ええ‥‥
この背中‥‥Tシャツの淡いブルーが
涙色に見えるほど‥‥ |

博士 |
お便りでは息子の誕生日に手巻き寿司をした際、
おばあちゃんがお茶をこぼして
拭いているところらしいけど、
どう見ても平成版おしんだよね。 |

アジオ |
驚いちゃった。
現在の日本にまだこんな
非人道的な雇用制度が存在してるのかって。 |

アジコ |
ホント。
このおばあちゃんが幼い頃奉公に出されて
いまに至るまでの物語、
わたし勝手に考えちゃったもの。 |

アジオ |
こどもたちの雰囲気もドラマを引き立てるね。
この栄養の行き届いた感じは
どうみても地主の息子だもの。 |

アジコ |
それにおばあちゃんのこと、完全無視だものね。
まあ、偶然にもそういう風に見えちゃうのが
味写の恐いところだけど。 |

博士 |
そうだね。
味写は常にフィクションとして見るということは
とても大切なことなんだ。
特にこうしてよそから頂いた作品を
鑑賞するときはね。 |

アジコ |
それにしても、このときのおばあちゃん、
どんな気持ちだったのかしら? |

アジオ |
表情がテーブルクロスに隠れて
読み取れないところが
逆に想像力を掻き立てるよ。 |

アジコ |
しかも口元を見ると
微かに笑ってるようにも見えるものね。 |

博士 |
これは照れ隠しの笑いというよりも、
もっと違うなにかを感じるね。 |

アジオ |
うん。
なにかこう、もっと不吉な予感のする‥‥ |

博士 |
おっと、これ以上立ち入るのは
よしておこうかな。
いくら味写とはいえ、
楽しい手巻き寿司の思い出を
サイコホラーにしてしまっては
ところてんさんに申し訳ないかならね。
それにしても一発目から
ずいぶんレベルの高い作品が届いたね。
ではこの調子でもう一枚紹介しよう! |

アジコ |
次は岐阜県の
ハンドルネーム・まめかなさんからの
作品です!
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