
博士 |
こ、これはまた‥‥! |

アジコ |
まあ‥‥驚いた! |

アジオ |
マジかよ! ‥‥まったく! |


博士&
アジコ&アジオ |
なんて残念な雪だるまなんだ!! |

博士 |
鹿児島に雪なんて珍しいんだろうね。
年に一度あるかないかの積雪に興奮して、
勢いで作ってしまったんだろうね。 |

アジコ |
さぞ悔しかったでしょうね。
作った本人たちも。 |

アジオ |
やり遂げた結果には満足してると思うんだ。
雪だるまを作ったんだ!
という事実にはね‥‥ |

博士 |
でもどこかやりきれない想いというのが、
この作品からは痛いほど伝わってくるね。 |

アジコ |
ええ。それは雪だるまの
どこか憂いをおびた表情からも、
そして微妙にピントのぼけた画面からもね。 |

博士 |
実は私にも同じ経験があるんだ。
私の地元の四国も雪が少ないところでね、
子供の頃はたまに雪なんか積もると
もう嬉しくって雪だるまに挑戦するんだが
完成したシロモノはやはり
雪だるまとは似て非なるもの、というか
妙に全体が角張った
ポリゴン風の泥人形だったりして‥‥
その見慣れないオブジェに愕然としたものさ。 |

アジオ |
作ってる途中で気づかないんですか? |

博士 |
一度動き出したプロジェクトは
本人の意思ではどうしようもないんだね。
明らかに泥を巻き込んだ雪玉を
転がしている自覚がありながらも
止められないんだよ。
‥‥いま振り返るとまさに
バブル破綻のシナリオを
無意識のうちに体現していたというか‥‥ |

アジコ |
愚かよね‥‥人間って。 |

アジオ |
でもどこか勇気づけられる作品でもあるよね! |

博士 |
それは言えてるね。
確かにはじめ思ってた
純白の雪だるまじゃないけれど、
その不器用さが逆にリアリティを感じさせるよ。 |

アジコ |
いわゆる雪だるまにはない、
生き物のフェロモンを感じるわ。 |

アジオ |
女房子供を養ってそうな雪だるまなんて、
ボク初めて見ちゃった! |

アジコ |
普段は無口だけど筋は通すタイプよ。
あと日本酒と八代亜紀が好きそう。 |

博士 |
芯が強いんだ。
残業なんかも断らないから
単におひとよしに見られることもあるけど、
実はこういうヤツが
いざというときには一番頼りになるのさ。 |

アジコ |
雪だるまにしておくには勿体ないわね。 |

アジオ |
うん。雪だるまにも人権を! |

博士 |
いやあ、今週の2作品はどちらも
第一印象とは裏腹に
噛めば噛むほど味の増すイイ味写だったね。 |


アジオ&アジコ |
はい! 博士。
かぼちゃワインさん、一反シルクさん、
どうもごちそうさまでした! |

博士 |
私もすっかりタバコのことを忘れて
味写の深い味わいに心奪われてしまったよ。 |

アジオ |
博士、これじゃタバコを止めても
今度は味写中毒になっちゃいそうですね! |

博士 |
アハハハ。そんな中毒なら大歓迎さ。
全国のみなさん!
この依存心の強い中年に
刺激たっぷりの味写作品を
どしどし送ってくださいな! |


アジオ&アジコ |
よろしくお願いしま~す!!
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