
アジオ |
なんて情け容赦ない写真なんだ!! |

アジコ |
相手の意識が無いのをいいことに‥‥ |

アジオ |
とにかく金目のモノは全て奪おうという腹だよ! |

博士 |
しかもそんな冷酷な所業を眉ひとつ動かさず、
淡々とやってのけておる‥‥鬼畜じゃな! |

アジコ |
人は見かけによらないものねえ。
あんなピザ配達みたいな帽子被って‥‥ |

アジオ |
もうひとりは風呂上がり丸出しの浴衣姿で‥‥ |

博士 |
やってることは追いはぎじゃからな。
恐ろしいわい。 |

アジオ |
きっとこの後、
あの押し入れの中にしまわれるんだろうね。 |

アジコ |
お布団みたいに畳まれて、
次の衣替えの季節まであの中よ。 |

博士 |
通販でお馴染みの布団圧縮袋を使ってな。
猟奇事件じゃよ‥‥これは。 |

アジオ |
でもやっぱりこの写真の中で一番恐いのは‥‥ |

アジコ |
平然と漫画を読んでいる‥‥この娘ね! |

博士 |
犯罪には直接手を染めず、あくまで手下を使って
目的を遂行するこの冷徹ぶり! |

アジコ |
手に巻いてるあの腕時計みたいなものは? |

博士 |
きっと被害者のモノじゃな。
もう自分のモノにしておる。 |

アジオ |
そしてこの余裕か‥‥
まさに悪夢のハネムーンだね!! |

アジコ |
ハネムーン?! どういうこと? |

アジオ |
全ては仕組まれたことだったのさ。
女はその肉体で男を虜にし結婚を持ちかける。
偽の入籍届けでを安心させた後、
その通帳から全額を抜き取った女は
ハネムーンと称して男を山間の温泉地に誘い出す。
そして現地で仲間と合流し今回の犯行に及んだ。
どうだい! この少年探偵の名推理は! |

博士 |
少年とは思えない、実に殺伐とした推理じゃな‥‥ |

アジコ |
ひとかけらの救いも無い、最悪のシナリオね‥‥ |

アジオ |
そんなあ~っ!
後味の悪さも含めて味写じゃないか! |

博士 |
まあ、味写の味わい方は人それぞれじゃが‥‥ |

アジコ |
肉体で男を虜って‥‥あんた何年生なの? |

アジオ |
子供に甘えたくなくなかったんだよ!
たまには味写にリアリティのメスを入れようと
ちょっぴり背伸びしただけなのに! |

博士 |
どこがちょっぴりじゃ!
しかし既成の方法に捕われず
味写の可能性を広げようとした
アジオ君の心意気は評価するぞい!
よし、では更なる可能性を求めて次の作品じゃ! |

アジコ |
はい! 続いての味写は
ハンドルネーム・claudiaさんからの作品で~す!
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