
アジオ |
なんて濃厚な味わいなんだ! |

アジコ |
‥‥久々の真打ち登場ね。 |

博士 |
おじさんの厳しい表情がたまらんな。
とにかく歌に関しては一切の妥協を認めん!
そんな気迫がビンビンと伝わってくるぞい‥‥ |

アジコ |
彼女もさぞや歌いづらいでしょうね‥‥
こんな重苦しい雰囲気の中
マイクを握らされて‥‥ |

アジオ |
選曲の時点で怒鳴られそうだもんね。
「ヤイコ? 知らんっ!!」って。 |

アジコ |
軍歌と昭和歌謡以外は歌えない空気よね。 |

博士 |
現場の空気は想像を絶するものだったはずじゃ。
ほら、その証拠に‥‥ |

アジコ |
ふたりに挟まれたおばあさんね。
完全に限界を超えてるわ。 |

アジオ |
固唾を飲み過ぎかな?
アゴの筋肉が疲れ果ててるね。 |

博士 |
心優しいおばあさんに、
この状況は耐えきれなかったのじゃろう‥‥ |

アジコ |
ひと足お先に次のステージへ向かったのね。 |

アジオ |
なんだか、もう‥‥味わいの範疇外だよ! |

博士 |
しかし後ろの習字がまた味わい深いな! |

アジコ |
朝顔、うみ、天の川‥‥
習字ではお馴染みのことばの中で、
ある単語だけがひときわ異彩を放っているわね! |

アジオ |
「ハン」だね! |

アジコ |
ハンコのハン?
チャーハンのハン?
チンギス・ハンのハン? |

博士 |
なんでまた、
これほど捉えどころのないことばを‥‥ |

アジオ |
深い理由があってのことか、
ただの思いつきなのか? |

アジコ |
書ける文字が、たまたま
この2文字だけだったのかも知れないわね。 |

博士 |
そして、優秀作だからなのか?
単なる標語なのか?
がいまひとつ判然としない離れた位置の
「火の用心」。
隅から隅まで味わいどころ満点の作品じゃな! |

アジコ |
ええ!
とてもいち日では味わいきれない、
巨大テーマパークのような作品だわ! |

アジオ |
貴重な休日が丸つぶれだよ! |

博士 |
いやはや、久しぶりに味写の底力を
見せつけられた思いじゃな。
よし、ではこの勢いでアジコさん、
次の作品じゃ!! |

アジコ |
はい!
続いてはハンドル・ネーム織部さんからの
作品で~す!
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