
博士 |
まさにザッツ・エンターテイメントじゃな。 |

アジコ |
手前のおばさん、本気度が違うわね。 |

アジオ |
指先まで行き届いた神経、アゴの角度、
余興のレベルを遥かに超えた完成度だね! |

アジコ |
頭に巻いた手拭いにプロの意気込みを感じるわ。 |

アジオ |
この用意周到さが、憎らしいほどだね! |

博士 |
仲間うちじゃお約束なんじゃろうな。
このおばさんの踊りは。 |

アジコ |
それだけに軽いプレッシャーもあるんでしょうね。
いかに前回の自分を超えるかという。 |

アジオ |
2、3日前からナーバスになってると思うよ。
家事もおざなりになったりして。 |

博士 |
夕食もカレーが続いたりしてな。
しかし家族もそこは察しつつ、
余計な刺激を与えんよう黙っとるわけじゃ。 |

アジコ |
このステージの裏には、
そんな理解ある家族の支えがあったわけね。 |

アジオ |
背負ってるものが違うんだよ!
完全に主役を喰ってるのもそのせいさ! |

博士 |
いやいや後ろのおばさんの熱唱ぶりにも、
かなりの気合いを感じるぞい。 |

アジコ |
一体なにを歌っているのかしら? |

博士 |
モニターに歌詞が映っておるな。 |

アジコ
|
‥‥あてにする人もっと馬鹿‥‥お人は馬鹿よ‥‥ |

博士 |
う~ん、この状況と奇妙にマッチした、
実に見事な歌詞じゃな! |

アジオ |
でもいきなり「もっと馬鹿」って言われても、
一瞬驚いちゃうね。 |

アジコ |
ちょっぴり心外よね。このコンビから言われると。 |

博士 |
まあ、馬鹿はお互い様で、
だからこそみんなで楽しみましょうと、
そういう意味じゃろ。 |

アジコ |
うふふ、そうよね。
どっちが馬鹿でも関係ないわよ。
この踊りが見られるなら! |

アジオ |
むしろ馬鹿でありたいよ。こんな歌が歌えるなら! |

博士 |
うむ。この作品に争いは無用じゃ。
ではこんな味写が送られる平和な世の中に
感謝しながらアジオ君、次の作品じゃ! |

アジオ |
よし来た!
お次はハンドル・ネームしろくろさんからの
作品で~す! |