
博士 |
ワオ!
なんてロマンチックな作品なんじゃ‥‥! |

常盤 |
撮影の仕事で上海湾景を撮っていたときかな?
ふと、このカップルが目に入ってね。
気がつくと吸い込まれるように
ファインダーを覗いたってわけさ。 |

博士 |
しかしムード満点の夕暮れじゃな。
まるでドラマのワンシーンじゃ‥‥
じゃがそれだけに惜しいのお! |

常盤 |
なにが惜しいんだい? |

博士 |
いや、口に出すのは忍びないんじゃが‥‥
なんというかキャスティング的に‥‥ |

常盤 |
キャスティングにどんな問題が? |

博士 |
その、つまり‥‥
ローマ語で言うとKAOGA OMOSIROSUGI‥‥。 |

常盤 |
ただのローマ字じゃないか。
それにボクは等身大の恋愛を撮りたかったのさ。
モデルを使わないリアルな男女の現場をね。 |

博士 |
それは伝わるぞい。
嘘のない作品だということはひと目で分かる。 |

常盤 |
こういう一枚が撮れると、演出された作品にはない
「味」に巡り会えた歓びを感じるね。 |

博士 |
おお! 分かってもらえますか!
味の醍醐味を!
しかし向こうのカップルは、
みんなこんなにアツアツなのかね? |

常盤 |
これも驚いたことにそうなんだ。
上海のデートスポットを回ると、どのカップルも
日本じゃ比べ物にならないほどの激しさで、
自分たちの世界に陶酔してるのさ。 |

博士 |
そこは欧米並みにオープンなんじゃな。 |

常盤 |
きっと日本より恋愛のウエイトが
重いんだろうね。 |

博士 |
なにかうらやましいの。
このカップルのなりきりぶりを見てると、
いつも世間体ばかり気にしてる己が
恥ずかしくなるぞい。 |

常盤 |
自分の気持ちに素直になることが、
結局一番大切なんだね。 |

博士 |
全くじゃ。
いやあ、今日はプロ写真家ならではの
含蓄ある味写作品をたくさん見せてもらったな。 |

常盤 |
お味はいかがだったかな? |

博士 |
もちろん、ベリーデリシャス!
大満足のごちそうさまでした!じゃ! |

常盤 |
そいつはよかった。
では本日の味写に感謝して、改めて乾杯しようか!
博士、砂糖はいくつ? |

博士 |
‥‥じゃあ、3個で。 |

常盤 |
それじゃボクはドンペリで、
カンパ~イ! |

博士 |
カンパ~イ!(また砂糖水かよ!)
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