
アジコ |
見て!
この可愛らしい女の子の後ろを! |

アジオ |
群れ集まるハトの中心に
おじいさんが! |

博士 |
なんじゃ!?
この集まりようは! |

アジコ |
まるでオバサマたちに囲まれた
ヨン様ね! |

アジオ |
生徒たちに囲まれた
金八先生だよ! |

博士 |
子供たちに囲まれた
進駐軍の米兵さんじゃ! |

アジオ |
古い例えだなあ。
終戦直後じゃん! |

アジコ |
それにしても冷静ね。
このじいさんハトの中に
すっかり溶け込んでいるわ。 |

博士 |
確かにな。
このハトとじいさんの親密ぶりには、
他人が口出しできない空気が漂っておるわい。 |

アジオ |
きっと心が
通じ合っているんだね。 |

アジコ |
ハトたちとおしゃべりしてるようにも
見えるものね。
どんな話をしてるのかしら? |

アジオ |
芸能界の話だよ。
次にブレイクするお笑い芸人を予想してるんだよ。 |

アジコ |
今年のワインの出来なんじゃない?
グルメな話題で盛り上がっているのよ。 |

博士 |
相手はハトじゃよ。
そうなると話題はひとつしかないじゃろう。 |

アジオ |
なんだよ。
その話題って。 |

博士 |
郵政じゃよ。
来るべき郵政民営化時代の今後について
熱い議論を戦わせているんじゃよ。 |

アジコ |
ハトと郵政に
なんの関係があるのよ! |

博士 |
ハトといえば伝書鳩じゃろ!
郵政民営化の流れを受けて、
再びハトたちにチャンスが訪れたんじゃよ! |

アジオ |
いつの話をしてるんだよ!
いまや情報はインターネットの時代だよ! |

博士 |
そこが狙い目なんじゃ!
デジタルな時代に失われつつある
人と人の絆を伝書鳩で取り戻すんじゃ! |

アジオ |
そうか。
確かにいまはアナログの良さが
見直されている時代だもんね。 |

アジコ |
世の中、合理化一辺倒じゃ
人の心はますます貧しくなるばかりよね。 |

博士 |
メールが当たり前の現代だからこそ、
伝書鳩の温もりが必要なんじゃ。 |

アジオ |
それに面白いや!
ハトがお手紙を運んでくるなんて! |

アジコ |
ロマンチックよね。
イケるんじゃない? ハトの郵便屋さん。 |

アジオ |
考えたね。このじいさん。
ハトを味方に郵政事業に乗り出すなんて! |

博士 |
ふむ!
いまスグにでもあのハトたちの輪に
加わりたい気分じゃわい! |

アジコ |
相変わらず
儲け話には弱いわねえ。 |

博士 |
ビジネスチャンスは
どこに転がっておるかわからん!
しかし今回はどうやら先を越されてしまったわい。 |

アジオ |
じゃあ、このじいさんとハトの
商売成功を祈りながら次の紹介だよ! |

アジコ |
次はハンドル・ネーム、
バイキンマンさんからのこの作品で~す! |