博士 |
諸君!
あの名曲「おふくろさん」が
大変なことになっとるぞい! |
アジコ |
なんでも冒頭に勝手に歌詞をつけたってことで、
作詞家の先生がオカンムリのようね。 |
アジオ |
勝手に菓子を?!
和菓子? 洋菓子? |
博士 |
ふむ!
歌う前にそんなに菓子をほおばっては、
さぞ歌いにくいじゃろうな。 |
アジコ |
アホか!
その菓子じゃないわよ。 |
アジオ |
じゃあ、いったい冒頭に何をつければ
許してくれるんだい! |
博士 |
一発ギャグはどうじゃ?
インスタントジョンソンの
「お疲れちゃ〜ん♪」のバリエーションで
「おふくろちゃ〜ん♪」とか |
アジコ |
余計叱られるわい! |
アジオ |
もっと真面目なメッセージは?
イントロで必ず「北方領土を返せ!」と叫ぶ! |
アジコ |
深刻過ぎるわよ! |
博士 |
落語みたいに枕話をすればよい。
嫁姑問題とかをさりげなく織り交ぜて‥‥ |
アジオ |
いっそ枕詞は?
おふくろさんの枕詞と言えば
「たらちね」だよね? |
博士 |
じゃあコマネチ!のポーズで
「タラチネ!」は? |
アジオ |
それだっ! |
アジコ |
それだじゃないわよ!
なにもいらないのよ! 冒頭には! |
博士 |
とりあえず作詞家先生の
耳毛は凄かったな‥‥ |
アジコ |
では、おふくろさん問題の円満解決を祈りつつ、
今週の味写を紹介しまーす! |
アジオ |
まず一枚目は、H・N
華さんの作品でーす! |
アジコ |
投稿者が修学旅行で撮影した
一枚だそうです! |
博士 |
ドラえもん車両をバックに走る
オジサンがダンディじゃな。 |
アジオ |
胸にさした赤い羽根が
いい味出してるね! |
アジコ |
旅立つ恋人を
引き留めようとしてるみたいね。 |
博士 |
別れを意識することで、
やっと自分の気持ちに正直になれたんじゃろうな。 |
アジオ |
その愛の言葉を伝えるために、
全力でここまで走ってきたんだね‥‥ |
アジコ |
でも途中で募金もしてたのね。 |
博士 |
‥‥優しい男なんじゃよ。 |
アジオ |
しかし無常にも電車は出発! |
アジコ |
車窓に映った彼女の姿は
どんどん小さくなっていく! |
博士 |
オジサンの横を
手を振ったのび太が追い抜いていく! |
アジオ |
彼女との別れのはずが、
のび太との別れになっちゃった! |
博士 |
去りゆく電車にオジサンが叫ぶ! |
アジオ |
のび太のクセに生意気な〜! |
博士 |
以上、妄想ドラえもん
「のび太のさよなら銀河鉄道」じゃ。 |
アジコ |
それにしても修学旅行の思い出が、
見知らぬオッサンのこの写真とは‥‥ |
博士 |
しかしこういう細部から浮かぶ
旅の思い出もあるはずじゃ。
味写はそういう記憶を
よみがえらせる装置でもあるんじゃぞい! |
アジオ |
赤い羽根のおじさん!
クダラナイ思い出をありがとう!
では次の味写です。 |
アジコ |
お次はH・N goldfishさんからの
作品でーす! |
アジコ |
まあ!
美しいモノとそうでもないモノが
一枚の写真に! |
アジオ |
うん!
にぎやかなモノと寂しいモノが
一枚の写真に収まってるね! |
博士 |
しかしどちらも自然じゃよ。
花を咲かせる梅の木の自然なら、
薄れゆく頭頂部も自然。
ここにはふたつの自然が
なんのてらいもなく写し出されておる。 |
アジコ |
そうね。
この作品はシンプルであるがゆえに
奥深いメッセージを感じるわ。 |
アジオ |
諸行無常、万物流転、栄枯盛衰‥‥
難しい四文字熟語がどんどん浮かんでくるよ。 |
博士 |
どうしても薄毛の悩みは暗くなりがちじゃが、
この頭頂部は逆に清々しいな。 |
アジオ |
満開の花と青空に負けない存在感があるよ。
この景観に臆することなく
参加してるこの頭頂部に、
ボクは敬意を感じるよ。 |
アジコ |
同感だわ。
この写真を見ているだけで
丘から吹き下ろす風を頭頂部に感じるもの。
禿げにくい女性の頭が憎らしいくらい! |
博士 |
よく見ると頭頂部の脇に
こちらを向いているオッサンがいるな。 |