
アジコ |
これもまずはお便りから!
味写さまへ
ちょっと見てもらいたくて投稿しました。
いつも行かない道を散歩してたら出会いました。
「惣菜は愛」
その前をママチャリで通るおばさん、
そして側道を行く老婆。
よろしくお願いいたします。
H.N カワチコーシ |

博士 |
ふむ。
この淡泊なメールに込められた静かな自信。
しかと伝わったぞい。 |

アジオ |
最小限の情報で、
見事に味写の本質をとらえた名作だね。 |

アジコ |
惣菜は愛と謳いながらも、
その愛を拒絶するかのように
閉めきられた灰色のシャッター。 |

アジオ |
被写体であることをまったく意識していない
自転車オバサン。 |

博士 |
なにかを暗示しているようで
その「なにか」が皆目見当つかない
バアさんの後ろ姿。 |

アジコ |
被写体、構図、シャッターチャンス、
どれをとっても作者の意図が汲み取れない‥‥ |

アジオ |
理解しようとすればするほど、
その意味から離れてしまいそうだね。 |

博士 |
もしかしたらそれが作者の意図かもしれん。
ワシらは見事、彼の術中にハマったようじゃ。 |

アジコ |
それにしてもわたしたちは
どうしてこの写真に惹き付けられるのかしら? |

博士 |
写真はそもそも撮る側と撮られる側の
意識によって成り立つ表現じゃが、
その両方が欠けとる写真というのは珍しいからな。 |

アジコ |
写真にとって当然あるはずの
「意図」がないことで、
ボクたちは逆にその中に
なにか意味を見つけようとするんだね。 |

博士 |
そういうことじゃな。
意味は写真の中にあるのではなく、
見る側の主観が見つけ出すものなんじゃ。 |

アジオ |
シャッターと
全然知らないオバサンが写った写真から、
深い話になってしまったね! |

アジコ |
こういう日常の無意識をあらためて検証するのも、
味写の役割かもしれないわね! |

博士 |
ふむ。
たまにはマジメに味写論を語るのも
いいかもしれんな。
では今週はここまでじゃ! |

アジオ |
じゃあ、さっそくサルの椅子でも
買いに行こうよ! |

博士 |
サルノコシカケ! |