天久聖一の味写道
味写道・その三

お茶くん! 助けてくれ~!
どうしたんですか! 師匠!
椅子のリクライニング機能が壊れたぞ~い!
なるほど。
どうしてそんな苦しそうな顔で
くつろいでいるんだろう?って
不思議に思ってたところです。
キーボードに指が届かないよ~!
ホラ! がんばって!
なんか打ち込んでください。
zxんvczvんんんんんんっっっっっっっっっっっっmん
あーあー、
文字列の下一段しか使えてないじゃないですか。
しかし下一段のみを使うことで、
より苦しみを表現できたようじゃ。
ローマ字入力の限界を見る思いです。
んんんんんんんっっっっっっっm
ていうか腹筋鍛えて下さいよ!
ぷは~! やっと起きれた。
そのかわり今度は極端な猫背になって肩が凝る‥‥
では今週もふざけた姿勢でお送りします味写道。
まず一枚目は
H・N オオモリンピックさんからのこの作品。


味写No.465

「急性ぽっちゃり 」

H・N オオモリンピックさん

写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。
ふむ。
やけにまるまるとした少年じゃな。
おたふく風邪だそうです。
‥‥は?
おたふく風邪にかかったときに
撮られた記念写真だそうです。
記念って‥‥
投稿者さまも思わず
「このしんどいときになんでやねん」
と思ったということですが、
お父様に無理矢理要求されたそうです。
まあ、おたふくは一度しか罹らないというから、
レアなチャンスではあるが‥‥
ちゃんとお母様と並んで
記念写真の体裁をとっているのが微笑ましいですね。
お母さんも自分のカメラ映りのみに
集中したキメ顔じゃな。
記念写真としても症例写真としても楽しめる、
一枚で二度美味しい作品ですね。
ささいなことでは動じない、
ご両親の器の大きさを感じるな。
写真館に飾るべきか、病院の待合室に飾るべきか、
迷ってしまいますね。
しかしこの少年の顔はどこかで見覚えが‥‥
なんでしょう?
あ、ガキでかじゃ!
この下ぶくれ具合、
がきデカのこまわり君にそっくりじゃぞい。
これで頭に警官帽被せれば、
ほぼ実写版でいけますね。
それでは子役界にまた有望な
ニューカマーが登場したところで次に参ります。
H・N (ペンネーム不明)さんの作品です。


味写No.466
「ホビット感 」
H・N (ペンネーム不明)さん

写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。
お便りによりますと
「生前のおじいちゃんとの一コマです。
 とくにエピソードはないのですが、
 面白い感じに写っていたので応募します」
とのことです。
たしかに即座につっこめるわけではないのに
濃厚な「面白い感じ」が漂っておる。
やはりおじいちゃんとの身長差ではないでしょうか。
お孫さんが台に乗っているのは分かるんですが。
だがそれが不自然ではない。
下の見切れ方が絶妙なんじゃろうな。
結果、この孫とおじいちゃんが
なんとなく兄弟のように見える。
はい。
なぜかおじいちゃんがおにいちゃんに見えます。
「こんなに暗くなるまでどこ行ってたの!」
とお母さんから叱られているようじゃ。
真面目な兄にいたずら好きの弟。
時計は7時前ですしね。
でもそう見ると神妙なおじいさまの顔が
どんどん「面白い感じ」になってきますね。
孫の表情がよいな。
地味になりがちな写真に
ほどよいポップさを出しておる。
後ろにいる背中だけの人物も
シチュエーションに厚みを出してます。
ふむ。
一見ふつうの写真でも、
画面の切り取り方、目線の微妙な方向、
全体の雰囲気でなんとも言えん味わいがにじみ出る。
まさに味写の王道のような作品じゃ。
天国のおじいさまも苦笑いされていることでしょう。
それでは次、H・N みなみさんからの作品です。


味写No.467

「猫匠 」

H・N みなみさん

写真をクリックすると、さらに大きな写真をご覧いただけます。
大阪は通天閣にほど近い、
天王寺の駅構内で撮られた作品ということです。
肩に猫が…鷹匠ならぬ猫匠じゃな。
ネズミ狩りでもするんでしょうかね。
この猫の佇まいは昨日今日では出せん風格じゃ。
きっと毎日こうして散歩しとるんじゃろな。
猫さまの帽子も素敵です。
赤い帽子に黒いレースをあしらっておる、
なかなかのお嬢さんじゃ。
でもこれはすれ違うひとビックリじゃろ?
周りの様子も見てみましょうか。




ふ、フツーに馴染んどるっ!!
通行人もノーリアクション!
このまま改札抜けるんでしょうか‥‥
さすが通天閣周辺じゃ‥‥
あの一帯はカオスじゃからな。
ワシも以前このあたりを訪れたとき、
空のワンカップを持ったオッサンが、
瓶底を目に当てて万華鏡のように
周りの景色を楽しんでおるところを
目撃したことがある。
投稿者さまも
「こんなおっちゃん山ほどいます」
と書いておられます。
キャラの豊富さはディズニー以上じゃな。
でもこの猫さまとおじさんの出会いは
どうだったんでしょうね。
おそらくこの猫は
知り合いの師匠的な人物から譲り受けたんじゃよ。
最初はいきなり指を噛まれたりしたが、
このオッサンは
「ホラ、怖くない、
 ね? 怯えていただけなんだよね」と‥‥
完全にナウシカなぞってるだけじゃないですか。
「ユパ様! この子くださいな!」
誰がユパ様ですか。今週は以上です。
ふむ。
今週も実に味わい深い作品が集まったの。
諸君たちも是非お家のお宝を探して下され。
作品は随時募集中じゃぞい。
それでは皆さまの日曜に幸アレ!(茶柱)
2012-07-22-SUN

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