天久聖一の味写道
味写道その43

師匠 お茶くん、LINEが流行ってるそうじゃの。
お茶 いまさらなに言ってんですか。
師匠 まあワシは小学校の頃からやっておったがの。
お茶 そんな昔にあるはずないでしょ。
師匠 校庭に白線を引く例のヤツじゃろ?
お茶 違います。
師匠 じゃあLINEを指でたどってアタリとかハズレとか。
お茶 それただのあみだくじ。
師匠 じゃあ一本のLINEで絵や図形を‥‥
お茶 一筆書きです。
師匠 じゃあLINEってなんなんじゃ!
お茶 ほら、足下を見て下さい。
師匠 あ! アリのLINE(行列)が!
お茶 いまさら流行に飛びつかなくても、
自然はLINEに満ちているのです。
師匠 みんなも身のまわりのLINEを探してみてね!
お茶 それでは今週の一枚目、
H・N Shimorineさんのこの作品です。


味写NO.588
「お茶の水」
H・N Shimorineさん

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師匠 わっ! なんというお茶の水感!
お茶 イヤーマフラーをつけた
八ヶ月の赤ちゃんだそうです。
ホントお茶の水博士みたいですね。
師匠 しかし研究のし過ぎではないか?
目が若干飛んでおるぞい。
お茶 凡人には理解できない境地ですね。
師匠 実はこの赤ちゃん、
もともと博士だったんじゃないか?
お茶 なにか若返りの薬を発明し、
自ら実験台になった博士って感じですね。
師匠 ふむ。
そして飲む量を間違えてこの姿に。
お茶 発見した助手が「は、博士っ!?」
師匠 でも当の博士は「キョトーーーン」
お茶 「‥‥博士(苦笑)」
師匠 また育て直すしかないな。
お茶 みなさん、くれぐれも薬の量には気をつけてください。
それでは次、H・N ロロルクさまの作品です。



味写NO.589
「昔のこども」
H・N ロロルクさん

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師匠 お茶くん! これはいったいいつの写真じゃ?!
お茶 お便りによりますと十年ほど前のお写真らしいです。
師匠 ‥‥とても平成のこどもとは思えん。
お茶 たしかにそこはかとない戦後感がただよってますね。
師匠 もしくは高度成長前夜。
お茶 ようやく日本人にも笑顔が戻ってきた時期ですね。
師匠 抱えている子犬は?
お茶 ラブラドールの子犬だそうです。
師匠 ‥‥ラブラドールに見えん。
お茶 写真全体にこの子犬をラブラドールに見せない
「なにか」がありますね。
師匠 やはりこどもの戦後感が‥‥
お茶 なに言ってんですか。
心が洗われるような笑顔じゃないですか。
師匠 ふむ、彼の笑顔には
日本人の郷愁を誘う魅力があるぞい。
お茶 この笑顔を守るためにも、
私たちは全力で日本再建に
取り組まなくてはいけません。
それでは次、H・N ミョミョコさんの作品です。


味写NO.590
「ウチワ渡り」
H・N ミョミョコさん

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師匠 ほう、器用にウチワを渡っておるな。
お茶 ええ、器用にウチワを渡ってますね。
師匠 器用にウチワを渡る必然性はまったくないがな。
お茶 それでも渡ってしまうのがこどもの習性です。
師匠 どうじゃ、この自信に満ちた表情は。
お茶 ウチワを渡ることに対して一切迷いがありません。
師匠 逆にみんなが
ウチワを渡ろうとしないことが理解できない。
お茶 私? 渡るよ。
理由? てか理由を求める理由が分からない。
そう、私はいつだってシンプル、
渡れるから渡る。ただそれだけ。
師匠 ん? いいよマネして。
ウチワを渡る権利は誰にでもある。
私はその権利にほんの少し早く気づいただけ。
いいよお礼なんて。
それよりエンジョイしよ。
一緒にウチワ渡り、エンジョイしよ。
お茶 いままでウチワを渡ることに
気づけなかった自分が恥ずかしいです。
師匠 ふむ、今週は味わい深いこどもたちが集まったの。
味写道では随時
みなさんからのお宝写真を募集しとるぞい!
採用者にはお茶くんの分身をプレゼントじゃ。
よろしくな。
お茶 それではみなさまの日曜に幸アレ!(茶柱)
2013-08-25-SUN
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