西本 |
狭い中、恐縮ではありますが
3月14日より始まるGugi's design
「Benjoy yourself!」はこういう展覧会ですよ、と、
清潔で清純な「ほぼ日」読者に向けて
伝えてもらいたいんですけど。 |
アッキィ |
あっ、ここ閉めといて。(便所の扉を閉める) |
西本 |
へっ、閉めるんですか? |
アッキィ |
そう、便所は密室に限る。
まずさ、便所って一日何回もいくじゃない? |
西本 |
行きます。 |
アッキィ |
そう、一日に何度も行くのに、
なんか汚れた場所に行くような
恥ずかしい気持ちで行くじゃない?
そういうことでいいのかな!って。 |
西本 |
いいのかな!・・・ですね。
特に小学生のころは
大便所に入っただけで
クラスでいじめられるという
悲劇が日本中にあったくらいですから。 |
アッキィ |
便所ってそうなんだよ。
お風呂って、裸で身体をきれいにするところで
そこは楽しい場になってるじゃない。
トイレって楽しい場所っていうより
汚い場所っていうイメージがあって。 |
西本 |
ありますあります。 |
アッキィ |
今年の正月にさ、
3月に展覧会はやることは決まっていたんだけど
何をやるかは全くきまってなかったわけ。
で、正月明けに会社にきて
会社のトイレでおしっこしながら
「何やろうかなぁ」って思っていたんだよ。
急に「これだっ」って思ったの。 |
西本 |
まさに便所で思いついたわけですね。 |
アッキィ |
うん。そこで気づいたのは
便所にグラフィックが
無さすぎるんじゃないか?
っていうこと。
基本的に自分はアートディレクターであるわけだから
今回のテーマは
「トイレを楽しくしよう」ということに決めた。 |
西本 |
楽しいトイレ、と。 |
アッキィ |
うん。
地方の公衆便所とかにいくと
「急ぐとも外に漏らすな松茸の雫」ってあるじゃない。
あれって素晴らしいなと。
ウィットもあるし洒落てるなと
思ってて。
ああいう楽しいことをもっとすればいいのに
そのあたりをもっとポップにしたいと。
シールでも作ったんだけど
「急ぐとも外に漏らすな松茸の雫」
こっちは勝手に作ってみたんだけどね。
「急ぐとも外に漏らすな
なめこの雫」 |
アッキィ |
松茸となめこのサイズ違いっていうことで(笑)
で、便所ってことを
他のものと比べて考えてたら、
スケボーとかスノボーとかは
ステッカーを貼ったりして
カスタマイズするじゃん。
そういう動きが便器に関してもあっていいかと。
で、排泄物を受け止める側の
便器もそもそも、
その形自体はきれいなんだよね。
「イームズ」のイスがみんなが好きなように
もっと便器を楽しんでもいいんじゃない。って。
しかも、そういうイームズ的なものより
みんなかなりお世話になってるじゃん。
トイレへの感謝の気持ちを含めながら
もっとみんなが好きな場所にしたいと。 |
西本 |
便所をもっと人気ものに。 |
アッキィ |
もっと人気ものにしたいと。
しかも、今回はロックな感じも
取り入れてみましたっ! |
西本 |
ロックな感じですか?
|
西本 |
あ、ロックな感じです。
さっき、現物を見せてもらったんですけど
これもトイレタオルってことなんですね。 |
アッキィ |
そうロッキンテイストな
トイレタオルってことで
ぃよろしくぅ!って感じ。
他にもロックなものってあるんだけどね。
「BENJOVI」とか。
それもかっこいいんだよ。
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西本 |
おおっ、禁じられた愛ですね。
ロックですロックです。
いやが上にもロックです。 |
アッキィ |
超ロックでしょ。
他にも「toilet it be」とかもあるし。
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西本 |
ビートルズさんですか。
このあたりになると、
海外マーケットを意識した出来栄えですねえ。
で、これはどういう風に使うんですか? |
アッキィ |
「Let it be」て
流されるままって感じじゃない。
これは便所のタンクにはることによって
水に流されていくっていうか
自分の食べたものが流れていくわけじゃない。 |
西本 |
ええ、排泄物がどんどん流されていきます。 |
アッキィ |
「なすがまま」っていう感じ。
意外にそういうのも美しいんじゃないの?
ってこともやってみたりする。
他にもさぁ、
トイレでみんなものを考えたりするじゃん。
アイデア浮かんだりとか。
で、そういう人たちのための
専用ノートも作りましたっ!
「空想と思考」ってタイトルで。
空想と思考(クソとシッコ) |
アッキィ |
そういうモノを考える場所としての
トイレっていう存在もあるわけじゃない。
だからトイレをネガティブな場所から
ポジティブな場所にしたい
っていうか。 |
西本 |
確かにトイレで考えることは多いです。
幸せな家庭とはどういうものかとか、
恋愛と結婚とか、籍と式とか・・・。 |
アッキィ |
せっかく一人になって考え込める
場所なんだからさぁ
「もっと楽しくしようじゃん!」ってこと。 |
西本 |
しようじゃん!です。 |
アッキィ |
しようじゃん宣言です。
で、今回の見せ方としては
便器にカスタマイズを施していくという
方向で行きます。
もちろん、会場にリアル便器もあるし。 |
西本 |
ほう、リアル便器! |
アッキィ |
これがTOTOのリアル便器なのよ。
あとは500円セット、1500円セット
3000円セットと駄菓子屋みたいに
グッズを並べて販売もします。
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アッキィ |
これなんかも、
結局、おしっこも便もさぁ、
出すか出さないかは
脳がコントロールしてるわけじゃん。
脳がコントロールしないと |
西本 |
ええ。垂れ流しですしね。 |
アッキィ |
そういうことも
このポスターを貼ることで
コントロールできんじゃ
ないかなって。
頭の中で「ヨーデル」「ヨーデル」って思いながら。
「ビックベン」「ビックベン」って思いながらやると。 |
西本 |
いろんな思いがこもっているんですね。 |
アッキィ |
そうなんだよね。 |
西本 |
最初、だじゃれの大集合オンパレードじゃん!って
しかも、いつもに増して連発しすぎだし。
って思っていたんですけど。 |
アッキィ |
基本的にそうなんだけど、
意外に思いがこもってて。
Tシャツもこっちが前で
こっちが後ろで。
こっちが「おしっこ」で
こっちが「お通じ」。
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西本 |
えっ、これ
お通じだったんですか。
読めないなぁなんだろう?
って思っていたんですよ。 |
アッキィ |
読める人はいまのところ
2割か3割なんだけど、
ちょっとわかんない部分をつくっとかないと
面白くないんだよね。 |
西本 |
全部はわからせないぞと。 |
アッキィ |
そうそう。
感じるもんってあるじゃん。
もちろん、ふざけてるんだけど、
意外と真剣にトイレのことを考えてみたんだよ。
しかも、絵本も作ってて
これも売ろうとおもってるんだよね。 |
西本 |
子供に読ませる便所絵本ですか。 |
アッキィ |
うん。結構泣けると思うんだよね。
ほらこれ。
(読んでいる間)沈黙。 |
西本 |
あいたたたっ。
このあたり、秋山ちよ子生誕後の
秋山具義って感じがしますね。
ぼくはちょっとこれ
ほろりときますね。
ヨメもちよ子も知ってるだけに
倍増しますね。 |
アッキィ |
なかなかいい話でしょ。 |
西本 |
これはすごいですね。
もう教育入ってますね。 |
アッキィ |
そう教育。
子供にもトイレのこととか、
うんちのことを語ってあげるものをつくったりとかさ
結構、いろんなトイレへの思いが詰まっていると。 |
西本 |
そうすね。
DMみたとき、タイトルから
「ダジャレだし、大丈夫かっ?」って思って
さらに
「ロッキンテイストで・・・」と
言われた時はどうしようかと思いましたけど。 |
アッキィ |
大丈夫か!(笑)
でも、意外と深いんだよね。 |
西本 |
そうですよね。
今にして思えば、
「デイリーフレッシュカフェ」なんて |
アッキィ |
そう、あれは軽すぎた。
今回はすっごい数をつくんなきゃいけなかったから
すんごい大変だった。 |
西本 |
前のカフェの時は
「こんなんあったらいいな」的なところでしたよね。 |
アッキィ |
そうだね。
これは自分のデザインの仕事っていうよりも
テーマみつけて自分でグッズ作ったり
本つくったりするってものは
自分にとってのアート活動ともいえる。 |
西本 |
普段の広告やデザインといった
お仕事とは違うという意味ですね。 |
アッキィ |
そうだね。 |
西本 |
でも、こんなにダジャレを
打つ人もめずらしいですよね。 |
アッキィ |
そうだよね。連発だよね。 |
西本 |
普通、こういうのって「出オチ」になりがちですけど
ここまでやりきると、
すごいですよね。 |
アッキィ |
そう、数なんだよね。
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西本 |
こういう時は
数ですね。
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アッキィ |
このファンファンファンも
糞・糞・糞なんだよね。 |
西本 |
なるほど、
やっぱりここまで、
やりきらないとダメですね。 |
アッキィ |
そうだよね。これが2個ぐらいだとダメだね。
バンバンなげられると
受けざるを得ないというか
1球、2球だと無視もされるけど、
12球くらいもなげられると
「しょうがないから1球くらい捕ってやるか」
って人もいるかもしれないし、 |
西本 |
これ、全部、
家の便所に飾っている人がいたらどうですか? |
アッキィ |
いいんじゃない、ハッピーでしょ。
じゃ、そろそろ準備があるから。
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