アッキィ画伯の
「Benjoy yourself!」が始まります!


ほぼにちわ。
ROCK西本改め、スニーク西本です。
スネークではありません。
さて、
最近では「ほぼ日」のアートディレクターってことよりも
秋山ちよ子の父として有名な
アッキィ画伯から連絡がありました。
「父でーす。今度、展覧会をやるんだよねー。
 今回は便所にこだわってやってみようってことで
 『Benjoy yourself !』ってタイトルなんだよね。
 ちょうどグッズなんかも出来たところだから
 うちの事務所まで見においでよ」
とのお誘いでありました。
そういえば、これまでに
アッキィさんは2度の展覧会を開いています。
一度目は「アッキィのヨメ」こと、
今の奥さんと出会うきっかけになった
『Gugi's design 100YEN Shop』
2度目はタイクーングラフィックスさんと、
中島英樹さんとの合同展覧会として行った
『Dairy Fresh cafe』
であります。
個展としては4年ぶり、
展覧会としても3年ぶりでありますから
相当、力も入っているだろうと思って
事務所に伺ったのでした。

事務所に入ると、
「あ〜にしもっちゃん、恋してる?
 こっち来て。」
と便所につれていかれました。
まるで、高校生の不良のやることです。
「ここでインタビューやろう。
 便所つながりってことで」
「いやだ」と言えるのはROCK時代の自分までです。
「はい。では失礼します」
珍しい<便所インタビュー>が始まったのでした。





西本 狭い中、恐縮ではありますが
3月14日より始まるGugi's design
「Benjoy yourself!」はこういう展覧会ですよ、と、
清潔で清純な「ほぼ日」読者に向けて
伝えてもらいたいんですけど。
アッキィ あっ、ここ閉めといて。(便所の扉を閉める)
西本 へっ、閉めるんですか?
アッキィ そう、便所は密室に限る。
まずさ、便所って一日何回もいくじゃない?
西本 行きます。
アッキィ そう、一日に何度も行くのに、
なんか汚れた場所に行くような
恥ずかしい気持ちで行くじゃない?
そういうことでいいのかな!って。
西本 いいのかな!・・・ですね。
特に小学生のころは
大便所に入っただけで
クラスでいじめられる
という
悲劇が日本中にあったくらいですから。
アッキィ 便所ってそうなんだよ。
お風呂って、裸で身体をきれいにするところで
そこは楽しい場になってるじゃない。
トイレって楽しい場所っていうより
汚い場所っていうイメージがあって。
西本 ありますあります。
アッキィ 今年の正月にさ、
3月に展覧会はやることは決まっていたんだけど
何をやるかは全くきまってなかったわけ。
で、正月明けに会社にきて
会社のトイレでおしっこしながら
「何やろうかなぁ」って思っていたんだよ。
急に「これだっ」って思ったの。
西本 まさに便所で思いついたわけですね。
アッキィ うん。そこで気づいたのは
便所にグラフィックが
無さすぎるんじゃないか?

っていうこと。
基本的に自分はアートディレクターであるわけだから
今回のテーマは
「トイレを楽しくしよう」ということに決めた。
西本 楽しいトイレ、と。
アッキィ うん。
地方の公衆便所とかにいくと
「急ぐとも外に漏らすな松茸の雫」ってあるじゃない。
あれって素晴らしいなと。
ウィットもあるし洒落てるなと
思ってて。
ああいう楽しいことをもっとすればいいのに
そのあたりをもっとポップにしたいと。
シールでも作ったんだけど


「急ぐとも外に漏らすな松茸の雫」

こっちは勝手に作ってみたんだけどね。


「急ぐとも外に漏らすな
    なめこの雫」
アッキィ 松茸となめこのサイズ違いっていうことで(笑)
で、便所ってことを
他のものと比べて考えてたら、
スケボーとかスノボーとかは
ステッカーを貼ったりして
カスタマイズするじゃん。
そういう動きが便器に関してもあっていいかと。
で、排泄物を受け止める側の
便器もそもそも、
その形自体はきれい
なんだよね。
「イームズ」のイスがみんなが好きなように
もっと便器を楽しんでもいいんじゃない。って。
しかも、そういうイームズ的なものより
みんなかなりお世話になってるじゃん。
トイレへの感謝の気持ちを含めながら
もっとみんなが好きな場所にしたいと。
西本 便所をもっと人気ものに。
アッキィ もっと人気ものにしたいと。
しかも、今回はロックな感じ
取り入れてみましたっ!
西本 ロックな感じですか?

西本 あ、ロックな感じです。
さっき、現物を見せてもらったんですけど
これもトイレタオルってことなんですね。
アッキィ そうロッキンテイストな
トイレタオル
ってことで
ぃよろしくぅ!って感じ。
他にもロックなものってあるんだけどね。
「BENJOVI」とか。
それもかっこいいんだよ。

西本 おおっ、禁じられた愛ですね。
ロックですロックです。
いやが上にもロックです。
アッキィ 超ロックでしょ。
他にも「toilet it be」とかもあるし。

西本 ビートルズさんですか。
このあたりになると、
海外マーケットを意識した出来栄えですねえ。
で、これはどういう風に使うんですか?
アッキィ 「Let it be」て
流されるままって感じじゃない。
これは便所のタンクにはることによって
水に流されていくっていうか
自分の食べたものが流れていくわけじゃない。
西本 ええ、排泄物がどんどん流されていきます。
アッキィ 「なすがまま」っていう感じ。
意外にそういうのも美しいんじゃないの?
ってこともやってみたりする。
他にもさぁ、
トイレでみんなものを考えたりするじゃん。
アイデア浮かんだりとか。
で、そういう人たちのための
専用ノートも作りましたっ!
「空想と思考」ってタイトルで。


空想と思考(クソとシッコ)
アッキィ そういうモノを考える場所としての
トイレっていう存在もあるわけじゃない。
だからトイレをネガティブな場所から
ポジティブな場所にしたい
っていうか。
西本 確かにトイレで考えることは多いです。
幸せな家庭とはどういうものかとか、
恋愛と結婚とか、籍と式とか・・・。
アッキィ せっかく一人になって考え込める
場所なんだからさぁ
「もっと楽しくしようじゃん!」ってこと。
西本 しようじゃん!です。
アッキィ しようじゃん宣言です。
で、今回の見せ方としては
便器にカスタマイズを施していくという
方向で行きます。
もちろん、会場にリアル便器もあるし。
西本 ほう、リアル便器!
アッキィ これがTOTOのリアル便器なのよ。
あとは500円セット、1500円セット
3000円セットと駄菓子屋みたいに
グッズを並べて販売もします。


アッキィ これなんかも、
結局、おしっこも便もさぁ、
出すか出さないかは
脳がコントロールしてるわけじゃん。
脳がコントロールしないと
西本 ええ。垂れ流しですしね。
アッキィ そういうことも
このポスターを貼ることで
コントロールできんじゃ
ないかな
って。
頭の中で「ヨーデル」「ヨーデル」って思いながら。
「ビックベン」「ビックベン」って思いながらやると。
西本 いろんな思いがこもっているんですね。
アッキィ そうなんだよね。
西本 最初、だじゃれの大集合オンパレードじゃん!って
しかも、いつもに増して連発しすぎだし。
って思っていたんですけど。
アッキィ 基本的にそうなんだけど、
意外に思いがこもってて。
Tシャツもこっちが前で
こっちが後ろで。
こっちが「おしっこ」



こっちが「お通じ」

西本 えっ、これ
お通じだったんですか。
読めないなぁなんだろう?
って思っていたんですよ。
アッキィ 読める人はいまのところ
2割か3割なんだけど、
ちょっとわかんない部分をつくっとかないと
面白くないんだよね。
西本 全部はわからせないぞと。
アッキィ そうそう。
感じるもんってあるじゃん。
もちろん、ふざけてるんだけど、
意外と真剣にトイレのことを考えてみたんだよ。
しかも、絵本も作ってて
これも売ろうとおもってるんだよね。
西本 子供に読ませる便所絵本ですか。
アッキィ うん。結構泣けると思うんだよね。
ほらこれ。

(読んでいる間)沈黙。
西本 あいたたたっ。
このあたり、秋山ちよ子生誕後の
秋山具義って感じがしますね。
ぼくはちょっとこれ
ほろりときますね。
ヨメもちよ子も知ってるだけに
倍増しますね。
アッキィ なかなかいい話でしょ。
西本 これはすごいですね。
もう教育入ってますね。
アッキィ そう教育。
子供にもトイレのこととか、
うんちのことを語ってあげるものをつくったりとかさ
結構、いろんなトイレへの思いが詰まっていると。
西本 そうすね。
DMみたとき、タイトルから
「ダジャレだし、大丈夫かっ?」って思って
さらに
「ロッキンテイストで・・・」と
言われた時はどうしようかと思いましたけど。
アッキィ 大丈夫か!(笑)
でも、意外と深いんだよね。
西本 そうですよね。
今にして思えば、
「デイリーフレッシュカフェ」なんて
アッキィ そう、あれは軽すぎた。
今回はすっごい数をつくんなきゃいけなかったから
すんごい大変だった。
西本 前のカフェの時は
「こんなんあったらいいな」的なところでしたよね。
アッキィ そうだね。
これは自分のデザインの仕事っていうよりも
テーマみつけて自分でグッズ作ったり
本つくったりするってものは
自分にとってのアート活動ともいえる。
西本 普段の広告やデザインといった
お仕事とは違うという意味ですね。
アッキィ そうだね。
西本 でも、こんなにダジャレを
打つ人もめずらしいですよね。
アッキィ そうだよね。連発だよね。
西本 普通、こういうのって「出オチ」になりがちですけど
ここまでやりきると、
すごいですよね。
アッキィ そう、なんだよね。
西本 こういう時は
数ですね。
アッキィ このファンファンファンも
糞・糞・糞なんだよね。
西本 なるほど、
やっぱりここまで、
やりきらないとダメですね。
アッキィ そうだよね。これが2個ぐらいだとダメだね。
バンバンなげられると
受けざるを得ないというか
1球、2球だと無視もされるけど、
12球くらいもなげられると
「しょうがないから1球くらい捕ってやるか」
って人もいるかもしれないし、
西本 これ、全部、
家の便所に飾っている人がいたらどうですか?
アッキィ いいんじゃない、ハッピーでしょ。
じゃ、そろそろ準備があるから。


と、ここで事務所を出て
展覧会会場での設営に向かったアッキィさんでした。
開催直前の設営も急ピッチで進んでいましたよ。


会場でテキパキと指示を出すアッキィ画伯


アシスタントの一見さんも楽しそうであります。


画伯自らセッティングに余念がありません。


このまっさらなトイレをカスタマイズするのです!

本番ではどんなトイレができ上がっているのか!?
さぁ、週末は展覧会場に急げ!なのです。

2003-03-14-FRI

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