露骨な映画宣伝部員になる人、
募集!
デ・ニーロ主演の映画「アナライズ・ミー」は、
果たして日本で配給収入5億3800万円に
到達するだろうか?

もともとは、簡単な話だったんです。
新作映画の広告コピーを依頼されたのです。
「試写を観て、おもしろかったら
引き受けさせていただきます」と、小生意気に言って、
銀座のヘラルド試写室で映画をみたわけですが、
ぼくには、ものすごくおもしろかったわけです。



その直後、ミーティングに入りました。

「すごくおもしろかったんですけど、
この映画って、レンタルビデオ屋の棚で、
いっぱい貸し出し中のゴムバンドかかってるという
イメージはあるんだけど、
劇場でヒットするかどうかは、難しいですねぇ」と、
またまた生意気に、ぼくは言ったのでした。

「そうなんですよ。私たちもみんな、
いい映画だと思ってまして、なんとかヒットしてほしい、
贔屓したい映画ではあるんですけど、
レンタルビデオのほうで当たるだけになっちゃいそうで」
と、ヘラルド宣伝部の方々、あまりに率直な意見。

「もっと、なんか方法って、ないもんかなぁ?
観てもらえれば、きっとわかると思うんだけど。
試写会とか、ぼくのやってるHPでやれますか?」

「もちろん、いいですよ。何回くらいですか?」

「いえ、何回でもいいんですけど。
その、お試しで観てくれた人たちが、
いまのぼくと同じような気分になって、
露骨にあの映画はおもしろいよーって、
宣伝してくれるだけで、単なる『見逃したジミ映画』には
ならないと思うんですよ。

あと、ストレスの高いビジネスの世界で生きている人に、
ぜひ観てほしいってことで、
企業の中で出張試写会をやるってのも、実現できますか?」

「やり、やりますよ!
これ、アメリカでは、その層に当たって、
リピーターがものすごく多かったんです。
一見ジミな映画なんですけれど、
10週連続でトップ10にいた映画ですからねぇ。
リピーターとその口コミがなかったら、
絶対に無理なんですよ、それって。
エピソード1が、11週ってくらいですからね」

「おお。心強い発言!
配給収入で、どれくらい行けば成功なんですか?」

「●億で、いいと言えばいいんですけど、
できることなら、やっぱり、
『L.A.コンフィデンシャル』のように、
当たらないかと言われながらも10億とか、
そうなったらうれしいですねぇ」

「5億3800万とか?」

「大成功ですね。実力通りとも言えるんですけど、
マスコミとかには、あんまり期待されていないんですよ。
それにしては、上映館は100ありますし、
正月前の、なかなかいい時期の興行でもありますし、
当たれば当たるという条件もあるんです」

「目標達成したら、宣伝に参加してくれた人に、
なにか利益還元してくれるかなぁ。ぼくも含めて」

「大いに前向きに考えます」

「あ、そうですか。なんか、励みになるじゃないですか、
そういうこと約束してもらうと」

「ええ。我々も、がんばりがいのあるシャシンなんで、
精一杯やるつもりですので、
いろいろ、普通じゃやらないようなことまで、
やってみたいです」

というような会議になったのでした。
そして、「ほぼ日」の、知的で情熱的な読者に、
とにかく現物を観てもらおうということで、
このページをスタートさせてしまったのです。

まずは、銀座にあるヘラルド試写室での、
「ほぼ日・試写会」にぜひおいでください。

1999-09-08-WED

back
戻る