露骨な映画宣伝部員になる人、
募集!
デ・ニーロ主演の映画「アナライズ・ミー」は、
果たして日本で配給収入5億3800万円に
到達するだろうか?

『配給収入ってなんだ?』

“配給収入5億3800万円を目指しましょう!”
を合言葉に、宣伝活動をしてもらっているわけですが
「配給収入って、何ですか?」
という疑問が多数寄せられています。
そこで今回は日本ヘラルド映画宣伝部のKさんに
配給収入についてうかがってみました。

「まず映画には興行収入と配給収入があります。
興行収入は、簡単に言うとお客さんの数×料金、
いわゆる売り上げです。
配給収入は、興行収入を映画館と配給会社とで
配分した“配給会社の取り分”のことを指します。
ですから、露骨な宣伝部員の方々には、目安として
配給収入が興行収入の半分と考えていただければ
いいと思います」。

なるほど。配給収入は日本ヘラルド映画へ入る
お金のことなんですね。
ちょっと計算してみましよう。
アナライズ・ミーの目標配給収入は
5億3800万円だから、興行収入はその倍
10億7600万円でいいわけですね。
映画料金は色々な割引もあったりして様々ですが、
平均1600円として10億7600万円÷1600円は?
約67万人。
日本の総人口が約1億3000万人ですから・・・。
ど、どうなんでしょ?

「ええ。もう、それだけ入ってくだされば、万万歳です。
10/27現在10週目のロングラン上映で
当初の予想をはるかに上回っている『エリザベス』を
例にあげてみましょう。
最終的な配給収入は10億円を超えていく予定で、
まだまだお客さんが入り続けている状態です。

この映画は時代劇、そしてコスチューム・プレイという
カテゴリに分類されるんですが、
時代色を描いたものですとやや重い感じがあって、
『この手の映画は全国拡大ロードショーでは
当てるのが難しい』
というのが定説だったんです。

そこで、宣伝部では時代物という売り方をやめて、
サスペンス色、大作感、アクション色を全面的に
押し出した宣伝活動をしたんです。
実際、エリザベス自体は大作ですし、
サスペンス的要素が盛り込まれていますから、
視点を少し変えてみたわけですね。
そのおかげで、ミステリーとかキワモノ好きな若い層から、
時代物の好きな高い年齢層まで幅広く支持される結果に
なりました」。

宣伝活動によって定説を覆すことも可能なんですね。
そういえば、アナライズ・ミーもエリザベスと
同じくらいの規模、全国約120ヵ所で
ロードショーされるんです。
ということは、宣伝活動によって
配給収入5億3800万円という数字を
ラクラク超える可能性もあるわけですね。

「うーん(笑)」。

もうひとつ大切なのが映画上映の日数。
これって、最初から決まっているものなんですか?
エリザベスの10週というのは長いですよね。

「洋画は基本的に決まっていません。
ただ、夏休みや年末、お正月などのかきいれ時には
その前に上映する映画の日数がある程度決まったりします。
11月6日公開のアナライズ・ミーの場合は
まさに年末・正月前に当たるわけですから、
公開は4週を基本に考えています。
アナライズ・ミーの上映映画館は
大きな映画館が中心ですから、当たれば、
ほんとに大きいんです。
ヒットすれば、ムーブ・オーバーといって
劇場を変えてロングラン上映もできるのです」。

ほぼ日で途中経過報告を入れたりしても面白そうですね。
で、実際のところ、公開前の手ごたえとしてはどうですか?

「一般試写会でも、業界初の試みである企業試写会でも
かなりの感触をつかんでいます。
そうそう、宣伝部最後の秘策はテレビ・スポットですよ。
『え!? あのロバート・デ・ニーロが
ストレスで泣いている!』
というの全面に押し出していくとともに、
スッキリ爽快な感じに仕上げています。
新聞広告もご覧になった方はいらっしゃると思いますが、
デ・ニーロを“泣かせて”います。
テレビ・スポットとともに注目してください」。


来週からいよいよテレビ・スポットが放映されます。
公開まであと8日。
みなさん、ぜひ宣伝活動の参考にしてくださいね。

1999-10-29-FRI

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