鄭先生のイベント。
日本で大人気の台湾で服を作るおかっぱ先生。
前回書いたように、昔にデザインしたものが
ずーっとウケているので
ぶっちゃけ、今は何もすることがありません。
では何をしているのか?
服で稼いだお金で
自主的に台湾文化を守るイベントをしまくっているという、
偉いことをしているんです。
多分、じゃぶじゃぶお金が入ってくるんですが
みんなこっちに使っちゃっていると
私は睨んでいます。
(もちろん、服の作業場の環境向上にも充てられていますが)
イベントは、必ず先生の服で身を包んだ人が
ウジャウジャ出まくります。
もとが素朴な服なのでこれが全然嫌味じゃない。
空間からプロデュースして、
ビジュアルは一貫して
おかっぱ風の台湾版侘び寂びスタイルです。
おっぱいポロンのパリコレの服とか見ていると、
私たち一般人からすると、
あれは、もはや服じゃない。
先生は、あれより実際に使われている状態で、
服を生きた状態で
リアルなファッションショーをしています。
綺麗なモデルさんが着て歩くより
ずっとずっと面白い方法だと思います。
![](images/27/me.jpg)
暇にあかして、昔、よく服を着に遊びに行っていた頃。
先生、頭いいんです。ものすごく。
こんなイベントは、基金会を立ち上げていて
舞台監督、撮影映像編集、デザインと
プロのメンバーで運営しています。
会の名は「台湾土狗」。
タイワントゥーゴウと読み、
Taiwan to goとかけています。
中国語の意味は「台湾の地の犬」。
いつもアトリエの角のテーブルで
お客さんと台湾のお茶を
台湾の陶芸家の湯のみで飲みながら、
台湾の各方面の文化人と
夢の企みをしているのが先生の日課。
先生が「台湾土狗」で実現するイベントは
•お坊さんのお経イベント。
•コンテンポラリーダンサーもの。
•台湾地方にしか残っていない中国ルーツの音楽。
•台湾茶の巨大な茶会
だったりします。
![](images/27/teaparty.jpg)
先生の服を着た人たちのお茶会。
座布団まで先生のところで作ったものになったりもします。
先生をたづねてくる人は
古い建物を管理している人とか
途絶えそうな台湾の民族音楽をやっている人、
海外から台湾と絡みたい文化人が多いので
「あの場所とこの人でなんかする」と
関係ない同士をくっつけることもよくあります。
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昔から、台湾人主催の茶会に行くと
台湾茶を嗜む人たちは普通にそれぞれの着方で着ていました。
実は、私の結婚式も先生の作品の一つです。
場所は、新北市の蘆州にある
李宅という古蹟指定の昔の邸宅。
台湾のお金持ちが昔、自宅の庭でやったように
庭園に円卓をたくさん並べて
ライトアップした歴史的な邸宅をバックに
台湾の辦桌(バンドウ)スタイルの結婚式。
![](images/27/wedding.jpg)
こんな感じに歴史的建物をライトアップしてくれて
舞台監督までついてやった台湾式の結婚式。
ライトも音響も全部、この為に持ち込み。
バンドのライブや伝統芸能の演目まであったので
舞台監督付き。
5メートルの竹を山から切ってきて
いっぱい立てて大きな赤い提灯をたくさんつけ
運営スタッフ、料理をお給仕する人、
みんな先生の服をつけました。
おデブで着るものがない我が夫も先生の服です。
作業着にもなって、
正式なオシャレ着にもなるから
先生の服はミラクルです。
![](images/27/wedding2.jpg)
宴会の様子。わたしの顔を見ず、外のご飯と
旦那さんの服だけみてください。
「台湾人より台湾風の結婚式をした」と
伝説の結婚式になったのは言うまでもなく、
準備中から噂を聞きつけたたくさんの人が
招待もしてないのに来ました。
知らない人も来ました。
なんとも台湾らしいのですが、
大ごとすぎて
「そう簡単には離婚できない」
という困った状態にも追いやられています。
![](images/27/lee.jpg)
台北市内からそんなに遠くないところに
ポツンと残る歴史的建造物、李宅。
昼間はチケット入場の場所を先生が夜借り切ってくれてやった
前代未聞のイベントとなりました。
先生のイベントは、基本、写真やビデオに納め、
編集までしてDVD付き本になって
みんなに見せびらかしたり、
無料で撒いたりするのですが
うちのは私たちがグダグダしていて
ブックにはなっていません。
ですが、すごいデカイ先生パワーに
飲まれてこんな特別な事ができたんだな、と
よく思い出します。
![](images/27/lee2.jpg)
昔の金持ちの家のなか。
雨が降ったら中でやるとも言っていました。
こんな大規模なイベントを
しょっちゅうやっている先生には
頭が下がります。
他にも体の不自由な人に太鼓を練習させて
楽団を作ったり
台湾の消えかけている手作りの技術を守る為に
手編みのイグサの帽子を1000個とか
売る当てもないオーダーもします。
趣味人っぷりがよく伝わると思います。
![](images/27/TO.jpg)
TAIWAN TO GOのロゴとお決まり文句。
お金払って聴きたくなるような
シンプルに整理された興味深い考えを
私なんかみたいなチャライ外国人にも分けてくれる。
庶民的なのに、筋が通ってるこの感じは、
服にもしっかり出ていますね。
![](images/27/matome.jpg)
イベントを見せびらかすためにまとめた本。
形はみんな、正方形で同じサイズ。
すごいたくさんあります。
ほぼDVD付きで、先生の気分で配られ、
映像の最後には必ずテーマソングが入ってる。
なんかで成功してお金持ちになったら
こんなお金の使い方をしたいですよね。
私はそう思います。
最後に告知。
我がお店では、先生の服にひどくよく合う
sunuiの展示販売をします。
ほぼ日でもおなじみのsunuiが
台湾で見つけた材料で11月12、13日と
ライブ制作をしてくれます。
イベントページはこちらです。
その後も作品の販売は22日まであるので
ぜひぜひお越しください!
月休 9:00〜17:00(16:30最終入場)
入場料大人100元 子供60元
惠中布衣文創工作室
北市中和區中山路三段179巷15號
(02)2225-3839
日休 9:00〜18:00
2016-11-09-WED