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青木さんとは、
前々から、ぜひ、
話をしてみたいと思いながら、
そのまま、になっていて……。
映画とか建築とかいうものは、
ぼくにとっては、
興味はあるはずなのに、
どう考えたらいいのか、
わからないジャンルだったんです。
広すぎるし、
いろいろな、
うるさい人が多すぎるような気がして。
美容室で、なにげなく、
『Casa BRUTUS』を読んでいるだけでも、
「なんでこんなに専門的で細かいことを
一般大衆が、知りたがるんだろう?」
と思っちゃうんです。 |
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美容室においてある
かっこいい雑誌といえば、建築と映画ですからね。
でも、建築と映画に関しては、みんな、
小姑みたいに、いっぱいしゃべってるようで‥‥。
「あ、この集団にはいると、ツライぞ」と、
敬遠してました。 |
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でも、いつか率直に
青木さんに建築のことを、きいてみたいなぁ、
と思っていたんです。
最近は、なにかにつけて
ちょっと整理ができたなという時期で、
建築のことも、あんまりコワくなくなったんです(笑)。
建築というものが、
官僚やら政治やらもすべて巻きこんで、
ものすごくおとなっぽい世界で
つくられていくものだと思っていたから、
コワかったんですね、以前は。 |
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はい。
そこで使われて
はじめて「建築」になるので、いわば
キャンバスを作っているような仕事です。
建築家って、まずルールを決めるんですけど。 |
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‥‥あ、建築家は、まずはルールを、
考えたくなっちゃうんですね。 |
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「ルールがないと、
なにもできない」かぁ。
たしかにそうだろうし、おもしろいですね!
そうそう、前に、ともだちと
「なんで、
建築家はスタンドカラーを着るんだろう?」
と話していたことがありました。 |
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日本人だけですよね。
たぶんあれは‥‥
中国へのあこがれというか、
じつは建築の社会は
共産主義に近いという(笑)。 |
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それから
もうひとつは、ネクタイの問題です。
ほんとうは建築家は、
ネクタイをしている仕事ではありませんから。
ネクタイをしないでいて、
ネクタイをした人たちと話すときに
着られる服が、なかなかないんです。
それで、そうなると思うんですけど。
ファッションの世界のなかでは、
建築の世界の人たちは
ISSEY MIYAKE を近くに感じるようです。
ISSEY MIYAKE のデザインの最初は、
1枚の布から、ですよね。
そのはじめの時点から
デザインを考えていくというのは、
建築家の仕事にも非常に近いところがある。
だから、
ISSEY MIYAKE の服を着る人が多かった。
そういうわけで、
スタンドカラーなのでしょうね。 |
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おぉ……。
なにげなく
スタンドカラーの話をしたんですけど、
説得されちゃった、すごい説得力だなぁ!
きっと、
そのとおりなのでしょうねぇ。
建築家には、
非常に不定形な「わけのわからない大衆社会」と
理念としての「整理統合された社会」とのあいだを、
いったりきたりする役割があるから
服も、そうなるのかもしれませんね。 |
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(次回に、つづきます)
2006-05-24-WED |