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建築家が
アーティストとちがうところは、
「建築は、頼まれてやる仕事」という点ですね。
アーティストの
「やりたいからやる」というのは、
すごい精神力だと思うんですけど……。
実際に、
アーティストに会って
話をきいていると、
その人だけが感じたであろう
かけがえのない経験が、
核にあるみたいなんですよね。
話の合間に、ポロッと
そういう原体験が見える瞬間があると、
これは、とてもたのしいんです。 |
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無数の建築評論家が
増えてきているとも言えるんですねぇ。 |
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それは、
ジャマには、ならないですか?
映画と建築は、
「とにかくよくしゃべる」
という印象があるけど、
外野の声がおおきすぎて、
若い人が萎縮しちゃう、
ということは、ないのかなぁ。 |
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建築には、
評論がありませんからね。
発表の媒体がありませんし、
どの雑誌を見ても、
じつはデータが載っていて、
「批評」はないんです。
映画には、
批評がありますよね。
だけど、
建築の批評というのは、
つくっている人どうしで書いていて、
批評家は、いないですから。 |
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あ、そうなんですかー……
それはそれで、さみしいかもしれない。 |
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(笑)そうですよね!
でも、それならよかったです。
あれこれ言うヤツが多すぎて、
ジャマかなぁ、と想像してましたので。 |
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美術の作家なら、
自分の作品については、
批評家が書いてくれるでしょう?
建築やっている人たちは……
自分でつくって、
自分で、批評を書いています。 |
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(笑)
クライアントからは、
あとになって、
「やっぱり、
別の案にしておけばよかったなぁ」
というふうには、
言われないものなんですか? |
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実際に建築をつくると
ほかの道には、進めませんから。
もし、
別の家を同時並行でつくっておいて、
となると、
「やっぱりこっちがいい」
ということになるでしょうけど、
建築の場合は、
ひとつしかできませんから、
「やっぱり、別の案のほうがよかったなぁ」
は、発想から、消してしまうものなんです。 |
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そうなんですね。
クライアントと建築家は、
ある意味で、共犯関係という……。 |
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そうですね。
共犯でいられるということは、
おおきいことです。 |
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(次回に、つづきます)
2006-06-09-FRI |