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「それ最後まで見てたのか!」
裁判官の意外な食い下がりに、
傍聴席は息をのみます。
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お客さんに、サービスで
とらせてくれるレースがあるんですよ。 |
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‥‥
とらせてくれるレース?
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たしかに「そこ知ってどうする?」的な
問答でした。
しかし、これを聞いていた
傍聴席の我々の心は少々ふるえました。
どうにか犯罪をなくしたいという
裁判官の気迫のようなものが
伝わってくるからです。
地裁で、黒い法衣をまとい、
目の前にいる、
ウォークマンほか6点の入った、
置き忘れられたカバンを持ち去ろうとした被告人を前に、
あの裁判官はまるで子どものようになって
食い下がったのです。
裁判官が法廷でこんなにも
話すものだと思っていませんでした。
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大胆で、窃盗に近い犯罪です。
被告はこれまで
スリや置き引きをくり返しており、
常習で、悪質な犯行です。
法を守ろうとする意識が低く、
再犯の確率も高いと思われます。
よって、懲役1年を求刑します。 |
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ああ、すごかったです。
ここで公判第1回は終わり‥‥
と思ったら、
続きがありました。
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判決ですが、
今日でもいいですけど‥‥、
今でもいいですか? |
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‥‥?? 判決って、それ用に
日を設けるものなのではないのですか?
こんなこと、ありですか?
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この言葉で、この事件の
すべての公判は終了しました。
被告人が、裁判官の言葉をどう受け止めたのかは
後ろ姿からは、わかりませんでした。
阿曽山さんのおもしろ感想を
動画でごらんくださいね。
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はじめての傍聴を経て、
「裁判は形式的なものだ」と
思い込んでいた我々は、
とにかく驚いていました。
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はじめてで、判決まで行きましたから、
裁判の全体がわかってよかったですね。
この事件で、俺がいちばん興味深かったのは、
警察が一部始終をすべて見ていて、
現行犯逮捕だったってところですよ。 |
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裁判官の
「次はもう出て来られないよ」という言葉が
重いです。
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犯罪せずに生活するのが、
ちょっと‥‥ううーん、むずかしいのかな!
職に就く気持ちは、
まだないかんじでしたね。 |
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もう昔のスリ仲間には
会わないでほしいですね。
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そうですね。
この人は、来年の9月くらいには、
出てきます。 |
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しかし‥‥いま、自分たちで驚いているのですが。
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この一件で、たぶん、
一晩は話せますね。
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このまま話し続けたい気持ちをおさえ、
もやもやもやと考えつつ、
明日は、ふたつめの事件に移ります。
そうです。
この連載の1回めで言っていた、
仮名の被告人が登場します。
検察官が
「あんたが誰だか、わかんないんだよ」と言う、
すごいドラマが、待っていました。
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