自転車思想。
チャリンコは、未来そのものの顔をしている。

こんにちは! チャリンコ第2弾です。

ちょうどタイミングよく、
西田部長の“チャリで探る地球”も復活しましたね。
麻布十番祭り、楽しそうだなぁ。
行きたかった〜。

さてと、今回のテーマは、
“読んでるあなたを、何とかしてチャリに乗せてしまおう”
というか、
“乗って欲しいな、乗っていただけると嬉しいな”
ということなのです。

チャリンコの魅力の中には、
“実際に乗ってなくても、何となく理解できるもの”
と、
“乗ってもらって、初めて理解できるもの”
があると思います。

ちょっと強引なこじつけをさせてもらえば、
インターネットもそうだと思うんです。
“ホームページを作って自分を表現する”
または、
“Eメールで、どんなに遠く離れた人とでも
 簡単にコミュニケーションできる”
もしくは、
“検索エンジンを利用して、調べたい情報がすぐ手に入る”
なんていうのは、例えコンピュータを持ってなくても、
インターネット関連の本を読めば理解できますよね。

これをチャリに置きかえると、
“都市の慢性渋滞の中でも、比較的自由に移動できる”
であったり、
“自転車に乗ることによって
 健康促進やダイエット効果が期待できる”
はたまた、
“ガソリンを利用しないから、排気ガスも発生しない”
というようなことになるでしょう。

もちろん、こういう魅力も当然あるんですが、
でも、もっと説明しづらい魅力もあります。
いや、もしかしたら一見しただけでは、
魅力かどうかすら判らない場合だってありますよね?

インターネットだったら、
“ただ何となく興味のおもむくままにリンクを辿っていって、
 いつの間にかとんでもなく面白いディープなHPを
 発見しちゃうこと”
であり、チャリンコだったら、
“町中をノンビリ走って、今まで知らなかったようなお店、
 変なスポット、怪しい路地なんかを散策してみること”
なんて、そういう超個人的な楽しみに入ると思います。
で、そういう楽しみ方は、まずコンピュータなり、
チャリンコなりに、
触ってもらってからの方が圧倒的に理解しやすいんです。

最近はあまり言われなくなった気がしますけど、
ちょっと前まで、
『ネットサーフィン』って言葉ありましたよね?
インターネットを始めたばかりで、
まだブラウザの使い方もよく判らなかった状態から、
リンクを使って、ネットサーフィンが
楽しめるようになった時って、
初めてチャリンコに乗れた時の快感を思いだします。
(あれれ? 何かのCMであった気が……。)
もっと慣れてくれば、より“自分にとって”面白いページを
見つけることができる一種の嗅覚が発達してきますよね。
こういうことを、コンピュータに触ったこともない人に
説明するのって、けっこう難しいと思いませんか?

というわけで、話をチャリンコに無理矢理戻すと、
もし、あなたが今あまり積極的に
チャリンコに乗らない生活なのであれば、
とりあえず乗ってみて欲しいなぁ、ということです。
“頭で判ってる”よりも多くの発見が出来ますから。

まずはご近所を何となくふらついてみて下さい。
あんまり疲れてるときだと、本当にへばってしまうので、
休日の、ちょっと涼しい夕暮れ時なんかが
いいかもしれません。
クルマだと、速くて見逃してしまうモノがたくさん見つかり、
歩きだと、ちょっと行くのが面倒くさいところでも
簡単に行けます。

もしくは、ほんのちょっと遠出して、
大きな公園や、河、繁華街を目指すのもお勧め。
お気に入りの場所が見つかるでしょう。
ただし、地理に不安がある場合、無理は禁物。
地図を持って、ノンビリノンビリと、
迷子になったら近くの喫茶店で休憩でもしましょう。
そして、地図をじっくり読む。
これまた、慣れれば楽しみ。

もちろん、これ以外の楽しみもたくさんあります。
自分だけの力で、
自分だけのペースで、
自分だけの行きたいところに、
自分だけの目的で移動する。
その移動の間にも、たくさんの発見があるはず。

大きなことを言ってしまえば、
『自転車とは、都市という
 巨大情報空間にアクセスするためのデバイスである』
と、言えるかもしれません。
まぁ、もちろんクルマだろうが、オートバイだろうが、
歩きだろうが、
そういう『デバイス』ではあるんですが。
でも、コストパフォーマンスや、簡便性はもちろんのこと、
移動効率だって決して見下したものではないんです。
平成12年2月21日に、東京都が作成した、
『TDM(交通需要マネジメント)東京行動プラン』
によると、

“東京都全体の混雑時の平均旅行速度は
 平成9年(1997年)の道路交通センサスによると
 21.0km/hであり、区部では18.5km/hと
 全国平均(35.2km/h)の半分程度の速度でしか
 走行できていません。
 多摩地域では、24.2km/hとなっています。”

ちなみに、非混雑時を含めた平均速度でも
30キロを切っていると、
同資料には記述されていました。
18.5キロというのは、
チャリンコでもかなりゆったりとしたペースで
走っているときのスピードです。
そう、チャリンコは都市生活に
最もフィットした乗り物なんです。

でも、こういう言葉が返ってくるかもしれません。
「高い自転車買わなくっちゃいけないんでしょ?」
「いや、でもうちの自転車はオンボロで、もう…」
「体力ないですぅ〜、ワタシ」
「坂がきつくって…。」
「暑いじゃないですか、今」

全然OKです!
敢えて自転車を買う必要なし! あるのでOK!
(でも、ちょっとした整備はしてもらった方がいいかも?)
古くてもOK。自転車の寿命はけっこう長いんです。
そして、体力も坂も気にしない! 疲れたら休みましょう。
暑さは……、マメな水分補給を心がけましょう!

無理をせずに、自分のペースで楽しんで欲しいんです。
とはいえ、自転車の快楽の1つに“苦労する”と
いうのがあるのも事実。でも、それはまだまだ先の話。
今はノンビリ行きましょうよ。

Ride safe!
(海外のメッセンジャーとメールのやり取りをする時、
最後に必ずいれる言葉です。)

2000-08-30-WED

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