自転車思想。
チャリンコは、未来そのものの顔をしている。

第9回 
甘えない


こんにちは。

今回はまず1通のメールを転載したいと思います。
アワゾーさん、という方からのものです。

> Subject: 自転車がすきだった

> 自転車という言葉を聞いて
> 滅多に出さないメールなんぞを出してみたくなりました。
> 心の奥底に引っかかりぱなしの言葉だからでしょうか。
> とても気持ち良く、読ませていただきました。
> きっと、あなたの文章を読んだ人からのメールは、
> 暖かいものが多いと思います。
> 私もまた自転車にのりたいなあ、と思いました。
> でも、私は心の暗くなり始めた男なので、
> ちょっといじわるを書いてみようかと思います
> (自分の意見を発表する場を作ろうと努力する事もしない
> 悶々男だから)。
> 私自身、とっても自転車がすきで6台も持っているのですが、
> このごろはあまり自転車に乗りません。
> なぜかというと、東京に住んでいるからでしょうか 。
> なぜでしょうねえ。
>
> 1)歩道を我が物顔で走る人が多いから。
> 2)ベルをならし続ける人があまりにも多いから。
> 3)左側通行を守らない人が多いから。
> 4)自転車の停め方が悪いから。
> 5)夜、ライトをつけない人が多いから。
> 6)自転車に乗っている人が無法者にみえる時があるから。
> 7)エスカレーターにのるとき、
> ちゃんと二列にならんで急ぐ人、
> 急がない人に分かれてのるルールが
> 出来て、みんな守るから。
>
> こんなことばかり考えて、眉間にしわを寄せてどこ
> までもどこまでも歩き続ける汚いおじさんをどうか
> 助けてください。

ん〜、わかりますねぇ。
アワゾーさんの苦悩。
自転車が本当に好きだからこそ、現状を見ると心が痛むし、
結果的に快適な自転車利用を妨害している行為を、
自転車利用者自身がしている点を苦慮されています。
さらにアワゾーさんが重要視しているのは、
自転車が歩行者の安全を脅かしていることですね。
実際、歩道を歩いていても、
猛スピードで行き交う自転車、コワイですよねぇ。

まずはアワゾーさんにメッセージ。
無理して自転車乗る必要はありませんよ。
どうぞ歩き続けてください。
でも、その困難さから背を向けずに、もしアワゾーさんが、
「今日は自転車に乗ってもいいな」
と思える日には是非乗って欲しいと思います。
(これは僕からのお願いですね。)
その行為自体が、意見発表でもいいじゃないですか。

たぶんアワゾーさんも理解されてると思いますが、
ご指摘の点を解決するのは、
簡単なようでスゴク難しいことでもあります。

『自転車思想』としては、
1度はこういう問題を扱ってみようと思ってました。
そこにタイミングよく来たのが、
アワゾーさんからのメールでした。
とはいえ、やっぱり難しいですねぇ…。
ここ数週間、僕の頭はグツグツと音を立ててます。
煮詰まるまではまだまだ時間が必要で、
何度もめげそうになりながら、
思考は行ったり来たりしています。
今日は、仕事の空き時間に歩道の端に座りこんで、
道行く自転車を延々眺めてたりしました。
どうせなら、その状態で考えることを
少しづつ書いていこうと思います。

考える時に、僕が自分に課しているルールは、
・楽観視し過ぎない
・悲観視し過ぎない
・(できるだけ)自分を正当化しない
です。

さらに最近、ついこないだまで自転車で日本一周をしてた、
僕の友人から大事なキーワードをもらいました。
それは、『甘えない』です。

この4つのルールというか、
心得を手にして次回に続きます。

Ride safe!

2000-11-01-WED

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