自転車思想。 チャリンコは、未来そのものの顔をしている。 |
第47回 京都バイクサマーのこと ゆっくりゆっくり京都の中心部を回った、 クリティカルマスのライドから戻ってくると、 京都市役所前はこんな感じでした。 とりあえず、夜までは各自食事の時間なので、 みんな、バラバラな方向に解散していきます。 美味しいものを食べるのは、 自転車乗りの最高の喜びの1つ! 地元の人に聞いて、美味しいお店を聞き出します。 僕が食べたのは、“さらさ”というお店。 う〜ん、やっぱり京都の飲食店は基本レベルが高いなぁ。 当然ここでも、自転車乗りが10名以上食事中。 笑い話、情けない話、やたらと濃い話題、 いろんな話題で盛り上がっています。 何でもない光景なんだけど、みんな違う街から来ている。 今、この場にしかありえない光景なんだよなぁ。 ちょっと会話に熱中しすぎたようで、 夕方の企画、ランタンライドには参加できませんでした。 自転車や体に、ライトや光るものを付けて、 街中を走っていたそうです。 たしかに、その後京都市役所前では、 妙に派手に装飾された自転車をチラホラ見かけました。 そして、すっかり夜もふけた頃になると、 京都が誇る熱いメッセンジャー会社、 “KAZE” がプロデュースするイベントの始まりです。 ちなみに、“KAZE”の若社長、 半田君は若干23歳だぁ! 内容は、いわゆるオリエンテーリングレース。 指示書の内容に従って、問題を解きつつ、 指定されたチェックポイントをまわる、というもの。 例えば、 烏丸丸太町交差点南東角にある、 八百屋さんの特売日は毎週何曜日か? とか、 御池通りの河原町〜烏丸間には、 南北それぞれ何台の公衆電話があるか? なんていう難問もありました。 レース中は、“KAZE”のスタッフが、 市街地を巡回していて、 信号無視や、その他交通ルール違反者には、 5分間その場で停止させるキビシーイ罰則を与えます。 そのおかげもあって、イベントは無事に終了しました。 地方勢も頑張ったんですが、 やはり地元のメッセンジャーたちは強い! 上位はほとんど彼らに独占されてしまいました。 僕といえば、のんびり走りすぎて下位の方…。 ちょっと悔しいぞぉ。 時間が午前0時を回って、 メッセンジャーたちのイベントがまだまだ続く中、 京都市役所前では、10人くらいが車座になって 朝まで生トークを始めよう、ということになりました。 「もっと多くの人に、よい自転車に乗ってもらおう!」 「そんなことはない、普通のママチャリに乗ってる人を、 それだけで否定するのはおかしい。」 「とにかく、自動車の数が多すぎるんだ。」 「アメリカでは、年間2万人が銃で死んでいる、 日本では、年間1万人が交通事故で死んでいる。 人口比率を考えると、この2つはほとんど変わらない。」 などなど、ディープな会話がおよそ2時間続きました。 そんな感じでバイクサマー1日目は、何となく終了。 僕は、京都・東京のメッセンジャーたちと一緒に、 鴨川の河原で朝を迎えました。 うつらうつらできたのも、ほんの2時間くらい、 翌朝9時には、バイクサマー2日目スタートです。 またまた京都市役所前に集合、 地元の自転車乗りが、ガイドになってくれて、 観光&お楽しみライドの始まりです。 コースは3つ、 マウンテンバイクで行く山コース、 京都の自然を楽しむ川コース、 町屋やお寺を巡る町コースでした。 最初は町コースにしようと思っていたのですが、 僕は直前に川コースに変更しました。 理由は簡単、昨日は野宿だったから、 お風呂に入ってなかったんです。 そりゃぁ、川で泳ぎたくもなりますよぉ。 川コースライドは15人くらいが参加。 二条城を越え、大覚寺で休憩したりしながら、 清滝というところを目指しました。 …、が。 途中から雨が降ってきました。 気温もけっこう低めです。 とりあえず、雨宿りしながら集合写真。 この場所から、清滝に行くためには、 清滝トンネルという、バス1台くらいしか通れない、 暗くて長いトンネルを抜けなくっていけません。 片側1車線通行のため、 やたら待ち時間の長い信号が青になるのを待ちます。 信号が青に変わると、全員ライトを付けて一斉スタート! 「ヒュ〜〜〜!!」 「ウォリャ〜〜〜〜!!!」 口々に叫びながら出口を目指してまっしぐら。 トンネルで叫ぶのは、自転車乗り共通のお約束。 楽しいですよ〜。 で、トンネルを抜けたらそこは清流の流れる、清滝。 ちょっと休憩して、いよいよ川に入ります。 どうせ雨で濡れてるもんね、いまさら濡れるの関係ないさ。 もちろん冷たかったけど、 水はホントキレイで気持ち良かった! 泳いで、みんなで水を掛け合ってたら、 川に入らなかった人から野次が飛びました。 「君ら、歳ィ考えろや!(笑)」 その通りかも…。 いや、この野次は勲章かなぁ? 川も満喫したところで、川ライドも終了。 だらだらと流れ解散で、京都市役所まで戻ります。 山ライド組は、すでに戻っていて、 町ライド組が1時間くらいして到着。 みんな、来年の再会を約束して帰っていきました。 これが、僕が見たバイクサマー京都の報告です。 1つ1つはたいしたことない、 自転車乗りの集まりかもしれません。 でも、それらは僕が以前書いたアメリカのバイクサマーと、 何ら変わらない、自発的で自由な空気に溢れていました。 2001年自転車の旅、ホント行って良かった。 最後に、大阪のケンさんという僕の友人が、 バイクサマー後にこんな文章を書いてくれました。 みなさんにご紹介して、締めたいと思います。 **************************** We made something happen. この夏は 忘れることの できない 経験をした。 それはカッコイイもの でもないし 人に 自慢できる様な ことでも無い。 ただ そこには 色々な人との 出合いや たくさんの 笑顔と そして 何よりも 情熱があった。 確信 できることは 僕らの先には 大きな前進が あるということ。 何か大きなことを 始めるには 小さいことから 始めなければならない。 僕らはその一歩を 踏み出した。 先頭には 誰もいない。 僕たち ひとりひとりが 『事を起こした』 リーダーである。 RESPECT! ******************************* Ride safe! |
2001-09-09-SUN
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