BIKE
ぼくの自転車ができる。

3. 長沼さんからの手紙

「長沼さん、ぼくは、type Aのほうに乗りたいです!」
と宣言したdarlingを受けて、
長沼さんはさっそく車体づくりにとりかかった。

鼠穴が「フレンチパーカ」でどたどたばたばたしている間、
足立区にある長沼さんの自社工場も、
かなりの稼働率だったにちがいない。
一週間経って、より改良を重ねた設計図とともに、
前輪を支える「前フォーク部」ができたところで、
長沼さんが写真とルポを送ってくださった。

今回は、それをご紹介します。

----------------------------------------------

こんにちは、自転車専科の長沼です。
「南青山=麻布十番11分」
これを、darling specialの
スローガンにすることにしました。
(平均時速20~25kmで走ることを想定しています。)

私が想定したもともとのAタイプは
時速40~50km時の運動性能を基準にしていましたが、
darling specialは、それをもっと街乗りに寄せて、
改良していくことにします。

もともとのAタイプは自動車で言うと、
フェラーリやポルシェを街中用にデチューンしたものです。
ですからdarling specialは、ランチャのようなラリー車を
ソフトにしたものだと思ってください。

自転車の車種で言うと、クロスカントリー競技用です。
(スキーのクロスカントリー競技と似ています)
普通見ただけではあまり違いはないのですが
操縦するとまったく異質なものです。
(糸井さんが前回試乗されたロード基準のものより
 20%程気軽に乗れます。)

【darling special type A+】

 
具体的にはホイールベースが少し伸びて、角度が寝ます。
それによって直進性が良くなります。
万が一急ブレーキでスリップしても
ハンドルのコントロール性は良好です。

より強力なブレーキをつけられるということになります。

泥除けを外して、オフロードタイヤに履き替えれば、
林道走行や渓流散策にその本領を発揮しますよ。

特筆すべき点は、(バッグを別にして)
装備重量8.5~8.9kgで、
価格が消費税込み20万円を切るということです。
勿論安全性を犠牲にすることはありません。

類似品が無いので比較対照は出来ませんが、
敢えてブリヂストン、ナショナル、丸石等の
(ミヤタのカタログが今手元にありませんがほぼ同じ値です)
有名メーカー品と比較してみます。

メーカー 製品名 重量 価格
ブリヂストン CFR5000 12.1kg 49,800円
ナショナル スプリングボック 12.9kg 98,000円
  レマイヨL 11.6kg 87,000円
丸石 E‐TM 13.5kg 88,000円
  HM-LC 11.5kg 54,800円
  E‐RF 9.9kg 99,000円


次回は車体部分の製作レポートをしますね。
楽しみにお待ちください!(自転車専科・長沼)



工場、店舗です。


CAD設計中。

3 工場内部です。


多種類の高力アルミパイプの中から
darling special用にチョイスします。
(和竿作りの職人さんが大量に保有している竹から
お客様各自にあった用途の竹を一竿分選ぶのと似ています)




前フォーク部の溶接をしています


わずか550gですがしなやかで剛性があります。
(釣り竿に通じるところがあります。)


-----------------------------------------------
長沼さんのサイト「自転車専科」は
http://www.senkabike.co.jp/
自転車専科の歴史や考え方などは、
ここで、どうぞ。

2000-11-05-SUN

BACK
戻る