BIKE
ぼくの自転車ができる。

完成車を組み立てる(長沼さんからの手紙)


ほぼ日編集部さま

「羽織の裏に凝る」といいますよね。
粋、いなせ、伊達。
いまは江戸時代ではありませんが、
私が自転車製造業を代表して言いたいことは、
「見えない所にお金を掛けろ」という事です。

回転部分には最大限良い部品を使用する、
全体性能に対し効きすぎるブレーキもだめ
(ライダーのテクニックが有れば可)、
ロックしてコントロール不可になる、
適材適所の部品を使う、
最高級レーシングパーツは必ずしも安全にあらず、
車体中心線を出すこと(とても大事)、
ホイールバランスが出ていること。

これらの全てが、販売戦略上の外観デザインには
関係ない部分なので、おろそかにされがちなのです。

数は少ないのですが、お客様が乗って
軽く乗りやすい自転車にめぐり合えた時、
それは見えない部分に神経が行き届いている
品物といえましょう。

それでは本題です。
今回お送りする画像は「完成車組み立て編」です
(darling special2号機の部分も混在しています)。

1)一番重要なクランクシャフト
  自転車ではBB(ボトムブラケット)シャフトと
  いいます。
  ダーリン用に工業用ラジアルベアリング入り
  チタンシャフトを用います。



2)上記シャフトを車体に組み付ける



3)ヘッドベアリングを車体に組み付ける
  勿論アルミ合金に玉あたり部は
  矯正研磨を施してあります。



4)車輪組み立て
  わっかの部分をリム、細いステンレス線はスポーク、
  それを止めるねじ(ナット)をニップル、
  シャフトのついている部分をハブと言います。
  パソコンでネットワークやランを中心から
  放射線状に組む概念もハブと言いますね。



5)ハブにスポークを通します



6)仮組み



7)車輪全体の調整



8)タイヤとチューブを入れる



9)前フォークを組みつける
  奥さんと平行作業だったのでこの段階ですが
  通常は3(ヘッドベアリング車体つけ)の次です。



10)前後泥除けをつける
  隙間等かなり神経を使います。



11)後変速機をつける



12)クランク(前ギヤ)を取りつけます
  画像はありませんがこの時チエンも付けます。
  使用方法により若干長さを変えます。



13)50%終了
  だいぶ自転車らしくなってきました



14)ハンドル調整
  この時ハンドル回りの部品ブレーキレバー等をつけます。



15)サドル調整



16)全体チェック
  他の人にしてもらいます。
  


17)刻印
  ネームプレートにダーリンのシリアルナンバーと
  イニシャルを刻印します。



18)プレートとりつけ
  パイプの曲がりに合わせて加工後車体に取り付けます。



19)街乗り用darling specialと林道用darling special
  同じ車体なのに目的用途の違いでイメージが
  こんなに違います。
  右が街乗り用、左が林道用です。



あとは、前キャリヤ部分が出来れば納品できますので、
出来次第、Xデーですね。
お待ちください!

2000-11-25-SAT

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