愛されない虫の広場 |
第9回 こんばんわ。愛されない虫の広場です。 今回は、いきなり、行きます。じっくりお読みください。 さ。ささ。 家にいる虫じゃないから、ちょっと仲間にいれて もらえないかもしれませんが、私的にはもんのすごく びびりまくってしまったので、初めてお便りいたします。 3日ほど前、脚のつけねのあたりに、 小さめの唐辛子の種大のとれかかったかさぶたを発見。 ちょうど、ちまめが治りかかったときのようなかんじ。 痛くもカユくもありません。 「へんだなー、こんなとこ、いつけがしたんだろ」 いつもなら、かさぶたをみるとむしょうに むきたくなってしまうのですが ちょっとひっぱったぐらいじゃとれないんで 「むりにとると痛そうだな。自然にはがれるのを待つか」 で、昨晩。お風呂上がりにそのかさぶたをよくよくみると、 ・・・・・なんか動いているびらびらがついている。 さーっと音を立てて顔から血の気がひいていきます。 (ああ、今思い出してもぞわぞわと鳥肌が・・・。) こうなったら、「見なかったことにする」 ワケにはいきません。 ガンコにくっついている【それ】を 眉毛手入れ用はさみで 私の脚からとにかく切り離しました。 ふるえる指先で【それ】をじーっと見ます。 唐辛子の種を黒っぽくしたような ひらべったいものにびらびらがついてる。 やっぱり何か虫みたいだ。 「さわるのもおぞましや。捨ててしまえ!」 が、しかし。その切り離されたさきっぽが、 まだ残ってるのです、私の脚に。 ちょうど、ちいさなちいさなトゲが ささってるような感じで。 その「トゲ」をぬくべく、 はさみを毛抜きに持ち替えてしばし奮闘したのですが、 これがどうにもとれない。 こうなったら病院に行ってとってもらうしかない。 病院でみてもらうなら、【それ】をもっていって 見せるのが手っ取り早いであろう。 理性はそう判断するのですが、だがしかし、しばしの逡巡。 【それ】をたとえ一晩でも「とっておく」という行為が なんか気色悪い。 その感性を理性で押さえつけ、 【それ】をティッシュペーパーで厳重にくるみます。 さて、次は病院。 おそらく、虫さされであろうと仮定して、 だったら皮膚科、かな? と、イエローページをめくって、家の近所をさがします。 すると、これがそろいもそろって「木曜休診」。 なにがなんでも明日朝いちばんに病院にかけつけたい私は、 電車でひとえきの、とある病院にあたりをつけました。 「毒がまわって、神経が冒される」 とか、 「【それ】が私のカラダにたまごをうみ付けて、 3週間後に【それ】の幼虫が私の脚を食い破って ざわざわ出てくる」 とか、ホラーな妄想にとりつかれて 眠れぬ一夜を過ごした私は、例の【それ】を持って 朝、その見知らぬ病院に直行しました。 先生 「どうしました?」 私 「それが、なんか虫にさされたらしいんです。」 と、ゆうべの奮闘のアトと、【それ】を先生におみせする。 差し出された【それ】を顕微鏡でみる先生。 「あーっ!」 「ええっっっっ!」とおびえる私。 先生 「最近、山かどこか行かれました?」 なんでも、その【それ】は、「マダニ」という虫で、 いわゆるダニとはぜんぜんちがうもの。 山の中にいて、下を人間が通ると落ちてきてかみつき、 血を吸うだけ吸って、ぶくぶく大きくなり、 ある大きさまで(米粒大はゆうにこえる、らしい) 成長すると、ぽとり、と落ちる。 かみつくとき一種の麻酔薬を出すので かまれても痛くもかゆくもない。 で、その「ぽとり」の前にとるためには、 そのかまれた皮膚ごと切らないといけない。 先週の日曜日、近所の山にハイキングに出かけた私を、 その「マダニ」がおそったってわけです。 先生 「マダニって、10年ぐらい前だったら、 症例にあたったら、写真にとって 学会に発表する、ぐらいめずらしいんですよ。 僕も15年やってるけど、 あなたでふたりめです。」 と、メスをふるいつつ診療台に横たわる私にお話くださる。 私 「それで、へんな毒とか、 持ってないんでしょうか?」 「マダニ」そのものには毒はないけれど、 「ライム病」なる感染症をひきおこす場合がある。 先生 「ので、化膿予防も兼ねてペニシリン、 出しておきます。」 だそうです。 ちゃんと麻酔してもらい、かまれた部分を、 ほんの少し残った「マダニ」のさきっぽごと切り取って、 あとを縫い合わせる。 2日おきに消毒してもらい、1週間後に抜糸するまで、 原則お風呂は禁止。 小なりとはいえ、病気知らずの私にとっちゃあ、 れっきとした「手術」です。 ゆうべからの心労も手伝って けっこうダメージ大だっだので、 そのまま会社休んじゃいまして、 こんな、まだ日のある時間に長々とメールしてるわけです。 あ、昨晩自己流の「治療」に使ったはさみ、 および毛抜きは、病院から帰ってくるなり、捨てました。 ああ、びっくりした。 私のホラー体験に長々とおつきあいくださって ありがとうございました。 これから緑の美しい季節。山へ行くときは必ず帽子、 長袖、長ズボン着用、ですよ。 (でも、私もちゃんとそうしてたんだけどなあ・・・。) あゆみ いやああああああああああっ! ああ、思わず、33歳ひげ面の私グッドマン、 黄色い悲鳴を上げ、両手をバタバタさせて 鼠穴の階段を駆け降りてしまいました。 こ、こわい……。 そんな、お医者さんの症例報告になるような めずらしい虫にやられるなんて。 やっぱり「マダニ」の「マ」は、魔? と、ぞわぞわしていたら、あゆみさんから すぐさま続報をいただきました。 ---------------------------------------------------- さて、実は6日(日)〜7日(月)、 いわゆる社内旅行っていうんですか、 1泊2日で加賀温泉のリゾートホテルに テニス&エステ&スパ、あーんど当然、温泉っていう、 慰安旅行にしては気の利いたツアーが あって、慰安旅行にしては楽しみにしてたんですが・・・。 行ってどうなるというんでしょうか・・・。 先生 「この季節だから、シャワーぐらいは、 まあ、キズをなるべくぬらさないように 気をつければ目をつぶりますけど、 どぼんとお湯につかるようなことだけは、 ぜーったい、だめですよ。」 休んだ翌日、同僚にワケを話して、 (語るもホラーな物語。なんで虫さされで手術なわけ? という当然な疑問も、全員を鳥肌の嵐にまきこんで 無事納得してもらえたようです。) 泣く泣く私はお留守番。 今朝も、休日出勤の前に病院に寄って、 キズを消毒してもらいましたとさ。 糸がとれたら、温泉に行ってやる! あゆみ ほっ……。 経過は良好のようですね。 温泉は残念でしたけれど、「ライム病」なんて 一見さわやかそうな名前をしたおそろしい病気に (よく知らないですけど)かかる可能性を考えたら、 ガマン、ガマン。 さあて、続いて行きますよ。 ---------------------------------------------------- えー、以前、無数に透けて見えた小豆ぞうむしに やられました、あいだです。 みなさんのきもちわり〜おたよりは 暑くなるこれからの季節にピッタリですね。 お化けやオカルト、ホラー物が一切だめなわたしには、 毎年夏が来るとホラーフリークの友だちの新作に対する さめた批評なんかを小耳に挟みつつ、 ちっとばっかりその肝っ玉に憧れたりしておりましたが そいつは虫はダメー! なので、ちょっと今度逢うのが楽しみです、ふふ。 たっぷり聞かせてやるぜ。 みなさんのお便りを読んでいて思い出した虫のお話、 あります。 そして再びペン、じゃなくてキーボードをとりました。 そのころ住んでいたわたしの部屋は、 明治の頃だだっ広ーいお屋敷だったところを 当時はさぞモダンだったんでしょう、 公団の分譲マンションにしたというだけあって 10棟ほどの号棟の周りには太い樹が生い茂り、 少し高台になっていたわたしの部屋からは 下の藤棚や渡り鳥のつがいがかならずやってくる 小さな池などが木々のあいだから垣間見えるような、 すごく古いんだけれど風情のあるなかにありました。 当然の事ながら林の中に住んでいたようなものですから さまざまな鳥が飛来したり、 またさまざまな虫達の憩いの場所でもあったわけです。 わたしは蛾(と書いただけでけっこうきてます、)が 死ぬ程苦手でして、夕方、家に帰ると、 なにもそこにいなくても、という絶妙なドアの真横とかに べーん、と微動だせず休息を取られていたり なさるものですから、おまけに色が淡〜いミントに 触覚と同体は白だったりすると 回れ右をしてさあ、今日は残業だっ!! ともう一度会社に行った方がマシなくらい チビリ系な思いをしたものでした。 休日の晴れた日などは本当に木々を渡る風が心地よく、 居ながらにして都会の軽井沢でしたので、 少々の事、つまり部屋に迷いこんだでかいががんぼ (蚊のおおきやつみたいなの。)や、 蜘蛛などは許せる範囲と考えていました。 夏の盛り、木々の緑もその蒼さを増して、 いつものように洗濯を干さなくちゃだわ、と ベランダに出て、深呼吸しがてらプラスチックの 洗濯干しラック(四角くて、ふたつに折れるやつ。) に手をのばした瞬間、すっ、っと少しだけ違和感のある センタクバサミがよぎったんです。 よーく見なけりゃあよかったと今でも思います。 でも見ちゃったんです。じーっと。 センタクバサミのあの指で摘む部分、ありますよね、 あそこに約1ミリくらいの、白のまん中に黒いポチッ、 がある蛾の卵(とおもわれる、)が びーっしり付いていたんです。 わたし片手に洗濯物を持ったまま、 その場でクルクルまわってしまいました。 ひとしきりクルクルしながら呻いたあと、 やっぱりわたしは気丈にも、 そやつらの始末を考えたわけです。 部屋から持ってきたのは膨大なティッシュペーパーと スプーン。 もちろんスプーンは捨てる覚悟でした。 で、と、と、取れないんです。ぐちっと張り付いて びくともしませんのです。もしも意外にやわらかくて 潰れてもギャー!だし、かといって 取れなくてもギャー!。 結局ペンチでその1個、もぎ取って、 部屋に持っていく事も出来ず、 木々の間の草むらに葬ってしまいました。 そして、ペンチに付いたナゾの液体を見てうぇぇぇ〜...。 少し、涼しくなりましたでしょうか。 それにしてもこういう話って、 いくらカミングアウトしても、 自分の体験が癒される事ってないんですね。 書き終わってすごくキモチワリ〜です。 おあとがよろしいようで。 相田静穂 白のまん中に黒いポチッ。それがびっしり。 くらっ……。 もうあきまへん。あきまへんで。 これは、どうすれば「それでも、よかったよ、まださ……」 と言えるのでしょう。 「それでも、よかったよ、まださ、寝てる間に、 きみの背中にびっしり、卵産み付けられてたことを 考えてごらんよ」 ってことか? ちょっとこの話題は一休みして、 美しいことを考えましょうね。 ウミホタルに関するメールです。 こんにちわ、はじめまして。 最近ガツガツにひっかかり、ほぼ日を読み始めたものです。 今回はちょっと話題に入れそうなのでメールします。 ウミホタル。 実に懐かしいです。というのも、 学園祭の思い出だからです。 私の高校はちょっと変わっていて、 一つの敷地内に三つの高校が建っていました (残念ながら今はもう統合されちゃいましたが)。 よって学園祭も一粒で三度おいしいってかんじで。 んで、私は東校だったんですけど、 お隣の西校でのイベントの目玉として 「ウミホタルショー」ってのをやってたんです。 けっこう毎年評判のようで、 私も3年のとき見に行きました。 理科室みたいなとこでやってた記憶があります。 なんだかちょっとした人形劇みたいなストーリーにのせて 細い管などにウミホタルを入れて、照明みたいな感覚で 使うんです。すっっっごいきれいでした。 仕組みとかは当事者じゃないんでわかんないんですけど。 えりつぃん ウミホタルショー! それはキレイかも。 その「西校」のウミホタルショーですが、なんと、 HPがあります。(教えてくださった岸仲真さん、 どうもありがとうございました!) その名も、「ウミホタルショー実行委員会」。 http://www2u.biglobe.ne.jp/~westerly/ ここで、ウミホタルのひみつがわかるぞ! (でも、ウミホタルに隠し事ってあるのかね?) ということでまた次回! |
1999-06-11-FRI
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