愛されない虫の広場 |
第9回 ちょっと辞書引いてみました。 「虫」。 いろんな意味があるのねー。 ●親から見て好ましくない異性 ああ、言う言う。 「里香に、悪い虫がつかんようにな、な? 母さん」 とかね。そんなぁ、男差別よっ、そんなの。 ●《接尾的》見下げたり、あざけったいう語 「泣き虫」とかがそうですね。 それにしても虫にいい意味はないのかな? 「虫の息」は「いまにも絶えそうな息」だし、 「虫ばむ」は「病気が肉体や精神を損なう」だし、 「虫の知らせ」だって、いい意味には使わないし (不幸な出来事を直感する、という意味です)、 「虫がいい」は、“いい”なんて言っといて、 「自分の利益ばかりを願う。身勝手だ」だしー。 きーっ! あ、あった。 ●ひとつのことに熱中する人。 「芝居の虫」とかね。でも、なんか、やや、 あざけっているかんじがしません? いいけどさ。 さらに辞書を引きましたらば、「虫酸」の次が 「むしずし」なんですね。蒸し寿司。 なんだかねえ……。 (これで、予想がつきますね。そうです、 今回は「食べる」話が多ぉございます) 最初のおたよりです。 愛されない虫の広場で、蟻の味について 触れられてましたが、 ぼくは、食べたことがありますよ(ナマで)。 やっぱり酸っぱいですよ。はっきりと酸っぱいです。 子供の頃、おもいつきでいろんな虫を食べてましたが、 アリと川にいるカゲロウ(カワトビゲラ)の味は よく覚えているんです。 カゲロウの方は、焼いて食べるとサザエの味がします。 美味しいんだから食べてる人たちって、 いるんじゃないでしょうか? 大人になった今、やはり虫をナマで食べる勇気は 有りません。 気持ち悪いし、危険な気もします。 子供の頃にしかできなかったことの一つですね。 小柳 省三 小柳さんいきなり飛ばし過ぎです。 ぼくも子供だったことがありますけど、 虫は食べませんでした。 でも、アリをつぶして匂いを嗅いだことはあります。 オエーッ、となりました。 酸っぱいというかなんというか。 でも、サザエかあ。カゲロウ。 ふーん(興味があるらしい)。 いえ、食べませんよ。食べませんとも。 さて次はたっぷり読んでください。読みごたえアリッ。 はじめまして。私は高温多湿の本土最南端県 鹿児島県に住む、にのみーと申します。 愛されない虫の広場で三好ミユキさんの 「キムチ」話しにつられて こんなメールを書く気になっちゃいました。 これからの季節、現在増えに増えたガーデナーにとって 実に嫌な季節になりました。このコーナーにしては あんまりにも、ベリーフェイマス。ベリーポピュラー。 可憐なビオラちゃんの花びらや、 いかなる植物の葉っぱといわず どんなとこでもちょー大好きで、 い・やーな白くって光る芸術的な 足跡なんか残しちゃう『ナメクジ』さん。 今日TVで彼がはじめてモノを 食ってる顔なんか見ちゃいました。 口がむしゃむしゃ動くんです。アレ! びっくりしました。 体がくねくねするにもなんか情緒を感じる動きなので ヒジョーに、ブキミです。 とにかく、このお方が非常に勢力をのばし、 なめくじ前線が我が家の麗しき庭に にわかに出現するのです。 彼等のお話がいろいろとございますので お話したいと思います。 鹿児島は高温多湿で自然もかなり多いですから、 彼等にとってはかなりパラダイスでしょう。 こないだ会社の裏にあるホームセンターで、 もう時期的に育ち過ぎちゃって 売りモンになれないパンジーやビオラなんかの苗が、 「無料でさしあげます」という ありがたい札をさげてざっと100個か200は 置いてあったんです。 私はちょっとジュースを買いに 会社から出てきただけなので、会社に置くために いっこだけもって帰って、会社で飾れるように、 ビニールポットを白い紙でラッピングをしたんですが……、 非常にぷりぷりっとした立派なボディのお方が お一人あらわれ、ふたり、さんにん…、 なんでこんなちっちゃなスペースに、こんなでっかい 『ナメクジ』さんがいるんか! みたいに いっぱい出てきちゃいました。 そういえば、わたしが物色しているとき、 二人のおねーさんがひとかごごと持ってかれてました。 アレ、きっと『ナメクジ密度』がえっらい高いかも。 40個くらい入ってましたモン。苗が。 うえ、想像すると…うえ。 まだ本格的に梅雨にはいっていないうちから こんな多くて、どうしましょう。 そして、わたしの知り合いの方が体験されたのが、 すし屋のカイワレ巻のなかに…『ナメ』さんが! いたそうなんです。 奥さんはそれの気配を察知して皿から取らずにいると、 カイワレちょー大好きなだんな様が 奥様の見られていないときに手にとってしまい、 居るのを知らずに「食べて」!!!しまったとか。 味は微妙に違和感を感じたそうです。 きっとあんまり噛まずに食べる人だったよう。 でも気付いる奥さんも注意してあげれば良かったのに。 でも、おんなじすし屋さんで、今度は巻寿司にまでも!! やっぱ、あの食べ物かな? と錯覚したそうです。しいたけと。 次からそのすし屋さんには行かなくなったそうです。 当然でしょうね。 その人のだんな様はきっとナメクジさん入りおすしを 食べちゃった数少ない方だと思います。 ちなみに私も。食べちゃいないけど。 自家栽培のレタスやキャベツ、 シソの葉はかなり注意が必要で、危険です。 私は冷蔵庫から取り出した母が作ってくれていた サラダを「スマスマ」見ながら食べてて、 竹の塚シリーズをみていてひとしきり笑った後、 さ、また食べよ♪ と思ったら! 今まで食べてたサラダの皿のふちに! あのひとが!!!!! いままで食ってたのに、 いったいナニのどこへんに! キミはいたんだーーーーー!! 食べ始めて約20分弱もたってんのに。 全然気付かなかったりしなくて良かったと 安堵いたしました。 でも、見た一瞬で目の前に星が炸裂しましたねー。 ショックで。 そのレタスは自家栽培のもので 母がパート先でもらったものでした。 梅雨時になるとブロック塀とかでも、 ものの半日でひとクラスぶんぐらい 発生することもあります。 だから非常に出会う確立と期間が多いんですね。 一枚一枚ていねいに洗ってもどっからか出現して、 まんまと皿のうえにまでやってきてしまって、 あわやそうめんの薬味になろうかといったこととか。 自家栽培でもスーパーでもこれからの季節、 十分に注意して野菜を洗って下さい。 そういうことがあります。 ハーブがうちにはいっぱい植えてあるので、 口に入りそうな危険はたくさんあります。 ちっちゃーいのがびっしり居ることもあるし。 ちなみにビールが大っ好きなので、 彼等に毎夜晩酌のお裾分けをすると 出会う確率が減るので、晩酌を迎行いたしましょう。 【私もビールは好き。】 二宮 昌子より うたをつくってみました。 ♪ポケットのなかには ナメクジがひとつ ひとーつ たたくと ナメクジがふたつ そんなすてきなポケットはほしくありません。 二宮さん、なんでそんなにナメクジが増殖を?! いったいあなたはどこに住んでいるのですか?! ひょっとして、ナメクジの国に留学しているの?! いま読んでいるマンガに『うずまき』というのが あるんですけど、その舞台の村では、人がカタツムリに 変身しちゃうんですよ。「ヒトマイマイ」とかいって。 なんだかそういう世界を想像しちゃいました。 ところで、最後の三行なんですけど、 「ビールが大っ好き」って、ナメクジが、ですか? 「晩酌のお裾分け」って、ナメクジと 「さしつさされつ」ってことですか?!?! あー。だんだんわかんなくなってきました。 ちょっと「ゆかいなメール」を挟みましょうね。 以前メールをくださった、ムカデ退治の男気ある 父ちゃんの娘、桃子さんからです。 先日は、父のことを男気がある、と取り上げて下さって、 ありがとうございます。 本当にそうかは、「?」ですが、虫については、 おおいに助かっています。 ムカデと並んで、ドキドキする虫と言えば、ハチです。 もぉ、田舎に住んでいるから、虫から生じる、スリルと サスペンスは、楽しまなきゃいけません。 ハチに刺されたことがある方もいるかもしれませんが、 私は、ハチを刺してしまいました。 この違い分かりますか? 我が家では、夏は自然の風で涼(?)を取るため、 朝から、あちこちの窓が開いています。 ある日の朝、起きようと伸びをして枕の当たりを バシッと叩いたら、なんと、激痛が・・・・・。 手でブンブン羽音がすると思ったら、 ハチが刺さっていました。 ハチに刺されたのではなく、 私がハチの針に手を刺してしまったんです。 もぉ、痛いのなんの、とにかく、ハチには、 申し訳ないが、無理矢理針を抜かしてもらいました。 針が折れたら死ぬとか、何かで読んだけど、 あちらも悲劇でした。 その後、赤ちゃんのようにぷよぷよと言われた手は、 見る見るうちにドラえもんの手に変わっていきました。 ちょうど、その日にその頃好きだった人に会ったら、 涙を流して笑われてしまいました。 まぁ、たまたま足長バチだったので、 たいしたことはなかったですが、 スズメバチと遭遇したら、ほんと、怖いです。 とにかく、騒がず、身を隠す、これが一番。 1年に1回か2回は、スズメバチの作成中の巣を 家の周りのどこかで見かけます。 もちろん、これを退治するのも父の仕事です。 もぉ、うまいもんです。場数が違うのでしょうか? 現場は怖くて見られませんが (怒っているハチに刺されるから)、 ちゃんと巣はなくなっています。 しっかし、・・・・。 昨年の夏、蔵の軒下に干していた玉ねぎを取って、 トマトソースでも作るかなぁ、って手にしようとしたら、 玉ねぎが真っ黒。 なんと、スズメバチに覆い尽くされていました。 うげぇーーーーーー、と心の中で叫びました。 (ハチの前で騒いだり、オーバーアクションは厳禁です) どうやら、数日前に巣を取った後の残党が玉ねぎに 寄ってきて、エサにしているようでした。 もし、何も考えずに触っていたら、 あぁ、おとろしーーーい。 ところで、昨年は、愛されない虫というよりも、 もぉ、サイコーに傑作だったカマキリの話があるので、 紹介します。 10月頃に、窓を開けていたせいか、 カマキリが机の上にやってきました。 もぉ、臨月の「う、生まれる」って状態だったので、 速やかに、屋外に出ていただきました。 だいたい、部屋の南側の窓の周辺に産卵するのです。 上の方だと、今年は寒いとかなんとかという説が あるらしいのですが・・・。 ちょうど、日が傾きかけて、洗濯物をしまおうとすると、 カマキリが父のバンツにくっついているんですよね。 あら、って思って、安全(?)ところへ戻してやりました。 ところが、いざピンチからパンツをはずすと、 何かついているんですよね。 おっと、カマキリが父のパンツ、に産卵しているでは ありませんか。それも、パンツの方の窓の近くに・・・。 ありゃ、ありゃ。 もちろん、このことが父の耳に入ったら、激昂するので、 必死で取りましたけどね。 かまきりの産卵って、時間がかかるので、 もぉかなりの部分が乾燥していました。 しっかし、彼女はまだお産の最中だったようです。 (気の毒なことをしてしまいました) でも、パンツに生むかねぇ。 ちょうど、その頃父は、私にも母にも相手にされないので、 「若い娘と結婚して、子供を作るーーー」 と騒いでいた頃でした。 (ちなみに、老人手帳がもらえる年齢です) いやはや、早速、子供を産んでくれる方が 現れるなんてねぇ。 これこそ、愛される虫です。 かまきりさん、ばんざぁーーーーーーーい。 では、また 桃子 どひゃーっ!!! おかしー。 いいぞ、父ちゃん! って感じですね。 やっぱり、カマキリさんにはこっそりそのまま 産卵していただいて、 父ちゃんには、知らないまま、穿いてほしかった……。 そして、ひっそりと卵を孵してほしかった……。 父ちゃんのパンツから孵る無数のカマキリ。 「うおおおおぉぉぉぉぉ?!?! こりゃ、なんじゃーーーーっ!?!? 俺の子かぁーっ?!」 「おとうちゃーん!!」」 と、言わないって。言わない言わない。 さ、ちょっとリラックスしたところで、最後のメールに 行きましょうか。これは「大量モノ」です。 こんにちは! 先日「ゲジゲジ」ネタでメールをおくった石井です。 「愛されない虫たちの広場」大盛況ですね。 きらいきらいも好きのうち・・・なーんて言葉が 私の脳裏をよこぎります。 昨日はゴキブリの木のお話に 悪夢を見そうな思いをした私ですが、 そういえば、わたしも悪夢のような経験をしました。 黒く、てかてかと輝いているでっかいゴキではなく あのちっちゃい茶色のちょろゴキです。 でかゴキくんに比べ、登場した時のインパクトは控えめ。 発見者も「ぎやああああ!!」というより 「あらあら、ゴキちゃん、 もうそんな季節かしらねえ・・・」と なぜかしみじみと季節を感じさせてくれたり なんかするくらい。 ところが、「ちりも積もれば山となる」というように 「ちょろゴキも積もれば恐怖になる」のだ!! 学生の頃、コンビニでバイトしていた私は から揚げを揚げたり、おでんを仕込んだりする調理場に ちょろちょろと現れるちょろゴキくんを なんとかしたいと思っておりました。 ある日、何気なく流しの下の棚をあけたところ さささっと何かが動く気配がしたんです。 「まっくろくろすけか?」 ととぼけたことでその場は納得したのですが パートのおばちゃんの推理によると どうも、そこがちょろゴキの巣になってる模様。 むむ、それはいかん。ちょろゴキの巣の近くで 調理したものを お客さまにお出しするわけにはいかないのだ!! そこで、 「申し訳ないが、ちょろゴキくん、一掃しちゃうよ大作戦」 にむけてパートのおばちゃんと店長と作戦会議をした結果、 殺虫剤を噴射後、棚をしめきって全滅させる方法に決定。 では、はりきって噴射!! シューーーーーーー!! ばたんっっ!! ・・・・・・ちょろっ(1匹) ・・・・・・ちょろちょろっ(3匹?) ・・・・・・ちょろろろろっっっ(10匹!?) ぞろろろろろろろろろろろろろろろろろろろ!!!!!! ぞろろろろろろろろろろろろろろろろろろろ!!!!!! ぞろろろろろろろろろろろろろろろろろろろ!!!!!! ぞろろろろろろろろろろろろろろろろろろろ!!!!!! ぞろろろろろろろろろろろろろろろろろろろ!!!!!! ぎやあああ!! な、な、なんだあああああ!!! これはあああああ!!!! (と、心で叫ぶが声にならず、ただただ大口をあけるのみ) でるわ、でるわ、上から下から横から ちょろゴキの大群だああ!!! そう、ゴキブリくんにとって棚のすきまなんざ 屁でもねえ!! そりゃあ、相手も必死こいてでてくるはずですわ! 200は軽くこえてました。床が黒くなったもの。 まさに「ちょろゴキ大逆襲!!」私達は大パニック! 殺虫剤大噴射して避難し、その部屋ごと封鎖。 あとは部屋の入り口まで辿り着いた タフなちょろゴキにとどめをさす。 それでなんとか店内に出て来るのは防げたのですが、 いやはやなんとも、ハードな思い出です。 これ、調子こいて大袈裟にしてるわけではないのです。 そのあと、その200あまりのちょろゴキの死体を さらさらとほうきで掃いてかたずけたのですから。 ふ〜、なんか手に汗かいちゃいましたよ。 だって、興奮して止まんないんですもの、手が。 えらい長いメールになってしまってすみません。 いまや「愛されない虫たちの広場」が日々の刺激として わたしにとってなくてはならないものに なりつつあります。 ふふふ。 ではでは、今後も楽しみにしてますね〜。 石井泰代 あいーん。 ちょろゴキ界でも、その出来事は 「コンビニ弁当屋の虐殺」 として語り継がれているはずです。 その世界では石井さん、悪名高き女殺し屋ですぜい。 あ、思い出した。ちょろゴキ。あれって、 電車の中にもいるでしょ? ぼくは目が悪いばっかりに、やつらにひどい目に 遭ったことがあります。 それは5年前の東海道線、23時35分発の平塚行き。 東京駅のホームでぼくは、やけに空いているその車両に 乗り込みました。 仕事で疲れ、「やれやれ」なんて村上春樹ふうに つぶやいてみたりして。 どさり、と4人掛けの座席に腰を下ろし、 キオスクで買ったエヴィアン(←ヴィ、はわざとね)を 窓際に置いたその時。 床が動いているのに気づきました。 目が疲れると、目の前に蚊が飛んでいるような感じに なることがあるでしょ。 あれかな? と思ったけど、違いました。 それは大量の、ちょろゴキ。 ほとんど車両全体、床という床、壁という壁に、 わさわさわさ、と、うごめいていたのです。 客が乗らないわけです。 車両にはぼくひとりが、渋い顔をして乗っている。 ばか? 「うへへへへぇー」 と、情けない奇妙な声を出し、そろりそろりと 降りました。もちろん、大量にふみつぶしながら。 ちきしょう!!! ということで次回! |
1999-06-13-SUN
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