![](images/hobonichi.gif) |
![](images/spacer.gif) |
先ほど入ったコンビニで
自分が手がけたもの以外に
買ってきたものが
ここに4つあります。
これが尊敬するデザインの
うちの4つですね。
![](images/takuten_img39.jpg)
「都こんぶ」に「ハイソフト」
「ボンタンアメ」に「ミルクキャラメル」。
いわゆる「行楽のお供」の定番。 |
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そうですね。
こうやって残っている商品は偉いんです。
評価されないものって残らないですから。
まずはこの「ボンタンアメ」。
![](images/takuten_img40.jpg)
これは、本当にすばらしい。
これはリニューアルとか
余計なことをしないほうがいい。
もしデザイナーの方が
このリニューアルを依頼された時は
「これはこのままがいいんじゃないでしょうか」
って申し上げるほうがいいと思いますね。 |
![](images/hobonichi.gif) |
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手を動かすことではなく、
「ままで行きましょう」と
提案することもデザイナーの仕事だと。 |
![](images/taku.gif) |
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そういうことです。
長い間残り続けているデザインは
本当にすばらしいです。
「南国特産」とありますが
「南国」とはいったい
どこのことでしょうね。 |
![](images/hobonichi.gif) |
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鹿児島のお菓子だったような
気がします。 |
![](images/taku.gif) |
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鹿児島を「南国」と言ってしまうあたりも
すばらしいですね。 |
![](images/hobonichi.gif) |
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そうですね。
「南国」というくくりに
やみくもなデカさも感じます。
![](images/takuten_img41.jpg)
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![](images/taku.gif) |
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この太い赤い袋文字。
袋文字って実はすごく難しいんですね。
文字というのは、
輪郭によって
認識されるわけです。
つまり、輪郭が見えないと
文字が読めない。
線の外側なのか、内側なのか、
輪郭をどのあたりに
想定するかによって
袋文字のデザインっていうのは、
全然変わってきます。
「ボンタンアメ」はよく見るとですね、
外側でも内側でもないんですね。
赤い太っとい文字の
だいたい真ん中あたりが、
どうも文字の輪郭に
なってるような曖昧さ。
ちょっとヘタな感じにも
見えるかのような、
存在になっちゃってる。
![](images/takuten_img42.jpg)
「アメ」の「ア」なんてこれ、
ここ飛び出たら、「カ」・・・ですよね。
![](images/takuten_img43.jpg)
これ結構いい文字感ですよ。
「BONTAN」と「AME」の間が、
微妙に離れていますね。
太すぎず、細すぎず、
なんとも、ややだらしのない太さ、
それこそ「南国」な感じが出てます。
南国のゆるーい気持ちのよさが、
この中間の太さのゴシックなんかにも、
出てると思うんですね。
普通ピンクの上に赤って・・・、
乗せないですよね。
![](images/takuten_img44.jpg)
ちょっと開けてみましょうか。
きました、きました。
このオブラート。
これは、個包装でもあり、
そのまま食べれるっていう、
実は画期的な
パッケージングです。
(食べてみる)
![](images/takuten_img45.jpg)
うん。相変わらず歯にくっつく。
これがやめられない、
いわゆる粘着質のこの粘度ですね。
くちゃくちゃした感触っていうのも、
当然これデザインです。
作り手側は硬くも軟らかくも
できるわけです。
この粘度も当然考えてやってるわけです。
強引に切り抜いた感じもする
写真の表現も
いまとなっては財産です。
これをきれいにしすぎるっていうのも、
いかがなものか。
デザインっていうのは、
その都度やるべきことが変わってくる。
きれい、かっこいい、バランスがいい、
それが全てではないということを
教えてくれるデザインです。
![](images/takuten_img46.jpg)
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![](images/hobonichi.gif) |
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卓さん、この二つは
森永で社内競合してます。 |
![](images/taku.gif) |
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そうですね。
社内に2つ強いものが
残ってるっていうのは、
大変なもんですよ。
両方ともキャラメルですし。
「ミルクキャラメル」という
永遠の定番に対して、
なにか新たな提案ができないだろうかって
これチャレンジしたんでしょうね。
だからキャラメル自体の形も違うし、
パッケージも違う。
クラシカルなデザインに対しての
モダンデザイン。
明らかな差別化を図ってることが
よくわかりますね。
この2つが同じ会社でありながら
残っていることがすごいことだと思います。
これは当然、味も違うはずです。
![](images/takuten_img47.jpg)
(「ハイソフト」を開けて食べてみる)
そうです、思い出しました。
ソフトなんです。
ものすごくやわらかい。 |
![](images/hobonichi.gif) |
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あっ、卓さん。
この食感には覚えがあります。
ここから「ハイチュー」につながってます。 |
![](images/taku.gif) |
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だから「ハイソフト」。
全てにおいて、
キャラメルの新たな方向性を探ったんですね。
食感もね、明らかにデザイン要素として
意識してます。
![](images/takuten_img48.jpg)
「森永ミルクキャラメル」。
わたくしも物心ついたときには、
もう世の中にあったわけです。
キャラメルの代名詞
キャラメルといえば
少なくともある程度の年齢以上の人は
この商品をアイコンのように
思い浮かべるのではないでしょうか。
これ見てください。
この天然の極細のロゴ。
![](images/takuten_img49.jpg)
もうこれ以上細くできないような、極細のロゴ。
新製品でこんな細いのはありえないですね。
わからない、見えない、目立たない。
いろんなこと言われちゃいます。
いまは何でもかんでも、
フォントを簡単に使いますけど
これは文字を確実に手で書いていますね。
![](images/takuten_img50.jpg)
ヤの横棒なんて右側が下がってしまってる。
味わい深い書体です。
いいですよね。
ぜひ長く残り続けて欲しいな。
それでは個包装見てみましょう。
![](images/takuten_img51.jpg)
昔は半透明の紙を使ってたかと思いますが
今はアルミ箔を
張ったような紙を使ってますね。
湿気から中を守るというような
何らかの理由があって、
さらに製品を保持するために、
こういうことをしてるのだと思います。
中がちょっと新しくなっているのは驚きました。
すばらしい。
![](images/takuten_img52.jpg)
「都こんぶ」。
これは本当に偉いと思います。
ひとつのコンビ二の中に
何百っていう新商品が出て、
生き残るのは、
1つか2つという激流の中で、
ずーっと残り続けているわけですね。
たぶんビジネスとしては
大変な時期もあったと思うんですけども、
ここまで自信を持って
世の中に残し続けるという意思が感じられて
すばらしい商品だなと思いますね。
「都こんぶ」という名前が
あまりにも知れ渡ってて、
多少のデザインを変更しても、
どこを変更したのかわからないくらい。
定番のものっていうのは、
細かいところを変えても、
あまりわからないところがあります。
たぶん「都こんぶ」も、
昔と比べると、サイズも、
変わってるように思いますが
![](images/takuten_img53.jpg)
こんなところに穴が開いていて、
ちょっと中が見えるっていうこの工夫。
尊敬に値するものですね。
昔は穴開いてないと思います。
穴をあけてビニールのふたがついてます。
当然だけどコスト的がかかる。
「都こんぶ」を知らない人たちのために
中がわかるようにしてるのかもしれません。
この4つの中では、
「都こんぶ」を相当尊敬しちゃいます。
いづれにしても、
ここにあるものたちは、
非常に長い間、世の中に
ずっと残り続けているものです。
残り続けていくのは
もちろん中身の問題もありますが
それとともにデザインも
大切にされています。
目に見えるデザインというものが、
ころころ変わっていたとすれば、
絶対こうやって残ってこなかったわけですね。
いまは次々にデザインも
使い捨てにされますが
こうやって残り続けるデザインというものが、
私にもできるのだろうか?
ということを
すごくいつも考えさせられます。 |
![](images/hobonichi.gif) |
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こうやってお話を伺っている間に
もう、水戸についちゃいましたよ。 |
![](images/taku.gif) |
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さすが「オフィシャルトレイン」。
あっという間に水戸に到着するのです。
在来線だと2時間15分かかるのが
1時間5分で到着するのです。
改札を出たら迷わず北口へむかいましょう。
![](images/takuten_img54.jpg)
北口のサインにも
「水戸芸術館」と書いてあります。
間違える方は少ないでしょうが
念のため、お伝えしておきます。
![](images/takuten_img55.jpg)
さあ、水戸駅につきました。
ここから水戸芸術館までは
バス、タクシー、もしくは
徒歩でむかうことができます。
北口をでるとバス停が並んでますが
4番から7番どのバスに乗っても
4つめの泉町1丁目で降りて
国道50号の大通りを渡って
脇道を2分ほど歩けば
水戸芸術館につくことができます。
料金は160円です。
この際、「佐藤卓展に行きそうだな」
という人に「オフィシャル待ち合わせ場所」
で、声をかけておいて
タクシーで相乗りするのもお勧めです。
まあ、ざっとこんな感じでどうですか?
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![](images/hobonichi.gif) |
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あの、卓さん。
せっかく水戸まで来たからには
水戸グルメも気になりますね。 |
![](images/taku.gif) |
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そのあたりのことは
もちろん考えてますよ。
うちの事務所には水戸出身の
スタッフがいるのでリサーチ済みです。
日曜日は閉まっているんですが
水戸駅から水戸芸術館に向かう
国道50号沿いに
二軒の「木村屋」があります。
![](images/takuten_img56.jpg)
ひとつは和菓子の「木村屋」。
![](images/takuten_img57.jpg)
もうひとつはパン屋の「木村屋」。
偶然ですが
勝手にオフィシャルとして
この2軒の「木村屋」をおすすめします。 |
![](images/hobonichi.gif) |
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でも、卓さん。
やっぱり、水戸といえば「納豆」!
水戸名物「納豆」をご飯にのせて
食べてみたいところです。 |
![](images/taku.gif) |
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そうくると思って
ちゃんとリサーチをしておきました。
国道50号を京成百貨店まで歩いてきて
![](images/takuten_img58.jpg)
右に曲がると水戸芸術館。
ここで曲がらずにもう少し直進すると
地元では「あんこう鍋」で有名な
「山翠」というお店があります。
![](images/takuten_img59.jpg)
すぐ隣にある
![](images/takuten_img60.jpg)
このカフェもおすすめですが
やっぱり納豆でしょう。 |
![](images/hobonichi.gif) |
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卓さん、納豆とご飯という
納豆の王道ともいえる
シンプルな組み合わせが希望です。 |
![](images/taku.gif) |
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大丈夫。
メニューを見てください。
納豆春巻や納豆天ぷらもいいですが
勝手に「オフィシャル昼ご飯」として
おすすめするのは
ここの「いわし納豆」です。
![](images/takuten_img61.jpg)
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![](images/hobonichi.gif) |
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「焼きいわしと納豆を
青しそ、青菜、玉葱、うずら卵をあえて
めしあがっていただきます。」
と、あります。
これはうまそうですね。 |
![](images/taku.gif) |
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そうなんですよ。
これにご飯とお味噌汁を追加すれば
見事な定食のできあがりです。
それがこれ。
![](images/takuten_img62.jpg)
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![](images/hobonichi.gif) |
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おおおっ!旨そう。 |
![](images/taku.gif) |
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旨そうでしょ。
焼きいわしと納豆と薬味をかきまぜて
ご飯にかけると最高ですよ。
![](images/takuten_img63.jpg)
あれ、あなただけ
ご飯が届いてないですね。
何を注文したんですか? |
![](images/hobonichi.gif) |
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メニューの中でひときわ浮いてた
「納豆釜飯」ってやつなんですけどね。
あっ、きましたきました。
釜飯のふたをとって…。
![](images/takuten_img64.jpg)
うわっ!くさっ!
納豆が炊き込まれて
とんでもないことになってます。 |
![](images/taku.gif) |
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う〜ん。
「納豆釜飯」だけは
だれも度胸がなくて頼んだことが
無かったメニューだったんですが…。
味の方はどうですか? |
![](images/hobonichi.gif) |
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ええ。わざわざ炊き込まなくても
ただのご飯と納豆と卵にしておいた方が
良かったです。 |
![](images/taku.gif) |
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そのようですね…。
「ほぼ日」読者には
納豆自体が厳しいという方も
いらっしゃるかもしれませんから
もう一軒、おすすめのお店を紹介しておきましょう。
京成百貨店1階にある「な嘉屋」というお店。
![](images/takuten_img66.jpg)
このロゴは私の大先輩、
浅葉克己さんによるものです。
![](images/takuten_img65.jpg)
中も大変おしゃれな作りとなってます。
![](images/takuten_img67.jpg)
こちらは女性向けかな。
バランスのよい食事がお楽しみいただけます。
さて、上野から水戸まで
ナビゲーションしてきましたが
こんな感じでどうですか? |
![](images/hobonichi.gif) |
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卓さん、どうもありがとうございました。
ただ、さっきの「納豆釜飯」が強烈すぎて
臭いが口から消えないんです…。 |
![](images/taku.gif) |
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そういう時こそ、これですよ。
![](images/takuten_img68.jpg)
ロッテ・グリーンガム!
卓さん、オチとしてもきれいです!
それではみなさん、
水戸芸術館でお会いしましょう! |
日時:2006年12月10日(日曜日)午後2時より
会場:水戸芸術館ワークショップ
310-0063 茨城県水戸市五軒町 1-6-8
TEL: 029-227-8111
FAX: 029-227-8130
定員:100名(先着順)
入場料:佐藤卓展の入場料に含まれます |
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